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父さんの秘密【140字小説】二次元父さんシリーズ20231205第④話
身体が冷えて手も足も動かない。もう眠気に抗う事もできない。(あぁ……わたしは死ぬんだな。)と思った時、何らかの権限を持つ『神様』が現われおっしゃった。「次元をワンランクダウンして生きてはどうだ。」と。返事をした記憶はないが、わたしは生き返った。二次元父さん。つまり幽霊として。
140字小説20210704二次元父さんシリーズその3 かくれんぼ
かくれんぼしようって父さんが言う。「やだ!」「なんで?」「だって父さんずるいもん。」 「ごめんごめん。」父さんは「もういいかい?」って聞くと「もういいよ。」ってすぐ答える。隠れてないんだ。父さんは2次元だから、横から見ると厚みがなくて見えないんだ。「じゃあ影踏みは?」と父さんが……
140字小説2021070101『時』
「あなたには永遠を1単位あげましょう。」と神様はおっしゃった。「1永遠はどの位の長さですか?」「永遠は時間です。時間は箱のようなもので、その一箱が1永遠です。」「箱は限りがありますが永遠なのですか?」「箱は膨張し続けるのです。」私は、やがて私を取り込むであろう箱を育てている。
140字小説2021062801「雨」二次元父さんシリーズその1
玄関を開けると雨がぽつぽつと降り始めていた。父さんは「降ってきた降ってきた。」と言って空を見上げた。「傘はいらないよ。今時分の東京の雨は線だからな。江戸の昔からな。」「線?」「そうさ。線の間を父さんは行くんだ。行ってくるよ!」と二次元の父さんはひらひらと雨を縫って出掛けていった。