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140字小説2021062801「雨」二次元父さんシリーズその1

玄関を開けると雨がぽつぽつと降り始めていた。父さんは「降ってきた降ってきた。」と言って空を見上げた。「傘はいらないよ。今時分の東京の雨は線だからな。江戸の昔からな。」「線?」「そうさ。線の間を父さんは行くんだ。行ってくるよ!」と二次元の父さんはひらひらと雨を縫って出掛けていった。

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