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貴重なことはだいたい人から学ぶ

世の中にはいろんな人がいるなーって思います。
血液型とか家族構成で区別されることはありますが、もちろん人というものはそんな簡単な話ではなく、マトモな人もいれば変な奴もいます。それが人間の面白いところ。


わたしが中学の頃、全校生徒から大人気だった2年上の女の先輩がいました。
神様が本気出した整った顔つき、身長高くてスタイル抜群、成績良し、運動神経良し、制服をおしゃれに着こなし、いつも人に囲まれている。
文句のつけようがないパーフェクトな先輩です。みんな憧れていました。

ある日、その先輩の話が回ってきます。
みんな興奮していたので、わたしも気になり教えてもらったのですが、その先輩の今朝の通学の話でした。

『カバンにコン○ームをたくさん巻きつけて学校に来たらしい』

みるみるうちに学校内に激震が走り、そしてそれをコンド○ムと言うのか変なゴムみたいなやつと言うのかで、本人のウブさが分かるという、ある意味試されたような出来事がありました。

これは真実を見極めなければいけないと、翌日の朝、先輩が登校する時間に合わせて、学校の玄関に人が集まります。
わたしの教室はちょうど登校するところが見える位置にあったので、ドキドキしながら窓から見下ろしました。

その話は本当でした。
学校カバンの持ち手に、何個も結んで繋げてあるコ○ドームたちが朝日にキラキラ輝いていました。
まるで真珠を纏っている女神のようで、尊さも感じます。
そして次の日からマネする生徒が続出。コンド○ムセンセーショナル。
歴史に残る革命的な出来事になりました。もはや先生ですらも誰も止めることができません。
学校近くのコンビニでは、きっと一瞬で売り切れになったことでしょう。

でも今思うのは、あれは立派な性教育だったなということ。
生まれて初めて実物を触る子も多かっただろうし、いくら授業で性について話し合ったところで、これには勝てないと思うんですよね。
何に使うのか、自分を守るということは何なのか、これをきっかけに考えた子もいっぱい居たはずです。
いやー先輩すごいな・・・。ここまで計画のうちなら、あの輝かしい姿を銅像にするべきです。二宮金次郎の隣に。

ちなみにわたしは、余ったコンドー○に水を入れて水風船にして、校庭で友達とぶつけ合ってました。そんな青春も甘酸っぱい。


次に思い出すのは、同じく中学の頃です。
朝起きると母が「マヨネーズがない、ケチャップもない」と騒いでいました。
「買い忘れじゃないの?」と言いましたが、絶対に昨日買ったと言い張って聞きません。

まぁいいや、さぁ学校に行くかと準備をしていると、今度はジャージがないことに気づきます。
「ジャージがない!」
次はわたしが騒ぎ出し、これはおかしいとコナン君ばりに捜査を始めますが、時間になったのでわたしは登校。ジャージは友達から借りました。

その日、家に帰ると母がゴミ捨て場の前で突っ立っています。
「あれ? なにしてんの」
「マヨネーズとケチャップ・・・」
ゴミ捨て場を見ると、きれいに空になったチューブが2本捨ててあります。
「いやいやいや、まさかでしょ。たまたま誰かのゴミじゃない?」
そう言ったものの、タイミング的にちょっと怖さを覚え、帰宅すると共にじっちゃんの名にかけて捜査を始めましたが、途中で眠くなったので寝ました。

そして次の日。買い物から帰ってきた母の顔が真っ青です。
「着てた。あゆみのジャージ、知らないおじさんが・・・」
ジャージには胸のところに名前が縫い付けてあるので、一目で分かったそうです。

ということは、寝ている間に、知らないおじさんが家に入って、冷蔵庫を開け、マヨネーズとケチャップを盗み、ジャージを盗み、一晩でマヨネーズとケチャップを一本ずつ消費し、わたしの名前が入ったジャージで街をうろついているってこと?

戦慄・・・。

ジャージがその後、どうなったのかは分かりません。
近所の人、友達に聞き込みをしましたが、わたしを名乗るおじさんの目撃者はいませんでした。コナン君でも金田一の孫でも太刀打ちできない謎。

・・・あ、警察に届け出れば良かった。気づかなかったー当時の母とわたし。こういうところに天然の血が順調に受け継がれていると思う。

ちなみに事件の最中、父はシャーロックホームズばりに推理を展開し可愛い嫁と娘を守るために最前線に立って周りに目を光らせてパトロールしていた、なんてことは一切なくずっとテレビ観てました。あんたも天然かい!

本当に世の中にはいろんな人がいる。いろいろ学べるなぁ。


という話を、とある企画を見つけて書きあげたのですが、その企画は10日ほど前に終わっていました。
わたしも天然かい!