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【コラボイベント】時短✕家族みんなが喜ぶおうちごはん術

私たちの毎日は1日24時間と限られた時間にも関わらず、仕事関係で考えることや、解決するべき課題をはじめとして、生活においても食事や家族関係、人付き合い等あふれる程あり、
忙しくなりがちではないでしょうか?

今回、数カ月先まで予約が取れない      人気訪問調理師・こども料理研究家である   飯泉友紀さんことごはんさん

(1)時短でありながらも大事な人のことを思いやるおうちごはん作りのこと
(2)これからの食卓はどうなるのか
(3)ご自身の体験をもとに生まれた食との向き合い方

などを聞かせてもらいました。

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ーごはんさんの食の世界のきっかけは?

<大手スーパー時代>
国際関係の仕事につきたかったが震災によって進路を変更し、大手スーパーに入社。スーパーでお惣菜を調理し、それを食べる食生活を続けているうちに活力が出なかったり、肌荒れなど実際に自分の身体感覚として不調を感じる。
<社食チームで働く>
ある会社の社食チームのインターンに参加し、食べることは、真に心身に影響を与えるという考え方に出会う。この出会いが「自分がやりたかったこと」をみつけるきっかけになる。
<訪問調理師として独立>
様々な現場で料理の勉強をし、訪問調理師として独立。シェフになりたいと思ってなかったからこそ日々の食事が人にどう影響するのかという視点で料理に向き合うことが始まりだった。

ー身体のもとをつくるごはん作りについて大切な心構えとは?

ある会社の社食チームでインターンしていた頃に言われた「ごはんちゃんが今触っているその食材は、食べてくれる人の身体を作るもの。だからその人の胃に触れるように優しく触ってね。」という言葉。この言葉を聞いたときに、スーパーで調理していたときの自分の触っていた手を思い出しゾッとしました。丁寧に、思いを込めて作りましょうとか一般的によく言われる言葉よりも自分の心の中に強く響きました。その言葉をいつも大事にしながらごはんを作ることを心がけています。

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ー共働き、育児など時間制約があるなかで知恵・工夫は?

日々忙しい中で育児、家事、仕事すべてをうまくこなしていくことは人間がやることの中で一番難しいことなのではないかと考えています。それくらいのリスペクトをもってお客様と接しています。その中でお客様にも伝えているのは、料理が苦痛と思ったら作らないという選択肢を持って下さいということ。疲れている中で作る料理はどこかで「早く終わってほしい」という気持ちが働き、余計にストレスを溜めてしまいます。日々どんな日も食べることは人が生きる上で必要だからこそ、毎日欠かさず料理をしなくてはと思うと、気付かないストレスを抱えてしまいます。しんどいと思ったら、意識的に休みをつくることではじめて余裕が生まれいい形で料理に向き合えると思います。

ー効率性が高まるポイントは?

生活全般でも言えることですが、ルーティンの中で必要でないものをいかに無くしていくかが大切。人が必要なものってすごく限られています。まずはよく使うものを決めて整理する。そして、必ず何か使ったら元の場所にもどす。(初期設定に戻す)これさえできれば、仕事も家事も何でも段取り良くこなしていけると思います。そしてこれを実践し始めたら、調理中においてもものが少ない方が使いやすく、片付き、いつも綺麗だとキッチンに立つことも苦痛じゃなくなるといういいサイクルが生まれます。

ー時間が限定されている人にアドバイスを

家にあるもので作ることを心がけると良いと思います。あるものでどのように代用できるか、常に考えてやっていく。実際やっていくと合わない味や組み合わせってあまりない。自分の中で定番の調味料を組み合わせ、その味を想像し、そこに具材を合わせていく。レシピ本をみて、わざわざそのために買い物をして、料理をつくるとなるとハードルが上がるが、今あるもので工夫して自分で作ってみることを積み重ねていけば、忙しい中での料理へのハードルは下がると思います。

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ー未来の日本の食卓について、料理の時間の捉え方はどう変わる?

このままの日本でいくと、より効率化、より時短が求められる社会が待っていると思います。一方で人間にとって身体にいれるごはんをボタン一つで作ったり、時間を短く作ったりしていいのか?という疑問があります。料理する側としては、食べるという営みはとても神聖なこと。元旦には神社にお参りするのに、毎日のごはんには時間をかけないことに少し虚しさを感じてしまいます。家族の時間や食の時間を丁寧にする流れが緩やかであるけれど戻っていくことを願いたいです。

ーこれから食を志す人に向けて伝えたいこと

自分の中で反応するワードをみつける。何でもいいからやってみる。この2つを伝えたいです。自分の中での大事にしたいことややりたいことをワードで持っておくと、やっていきたいことに出会えるチャンスを逃さない。また自分の興味に忠実にフットワークを軽く動くことで、現場を知り、本物に触れるきっかけになる。実際に自分も現場で全て学びました。農家さんのところに飛び込んだり、様々な飲食店に飛び込み手伝わせて頂いたり、現場、本物にふれないと実感できないことがたくさんあります。そして動いていればきっといい出会いがあり道が拓けます。

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ー最後に

ごはんさんがこれから目指すこと、考えていることは「食事を守る人を大事にしたい」というテーマ。例えば会社の中で、健康を守る課のような部署を設置して、社員の食事をきちんと守る人を増やしていきたい。会社を回しているのは社員なのだから、その社員の体を作る食を大切にするのは会社の仕事だと思います。そして、「家族の夜ご飯作っておいたから温かうちに持って帰ってみんなで食べてね」とか、「朝ごはん会社で準備しているから子どもたちにだけごはん食べさせて早くおいで」とか社員の生活の中での食を守るということがいずれできるようなことができたらいいなと思います。

(文:岡村 恵)

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