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13. 海の近くの新居に一年間住んでみて | 鎌倉の家づくりのはなし

何度も工務店との打ち合わせを重ねて、家族間でもたくさん意見を出しあって、まだかまだかと待ちわびて、ようやく完成した注文住宅の家づくり。住みなれた鎌倉で、新しい家に暮らし始めて、あっという間に春夏秋冬が過ぎました。

おなじ鎌倉市内、しかも同じ町のなかでの引越しだったので、前の家からたった徒歩2分の距離の引っ越し。居心地のいい町の雰囲気が変わらずで、でも、新築の家になったことで、空間の広さをはじめ、それはそれはいろんなことが変化しました。

正直なところ、家を建てている最中は、夫がこだわった家の広さや天井の高い空間に、自分が馴染めるのか想像ができませんでした。

(私自身はわりと小柄なので、部屋の広さが気になったことがなく、コンパクトな空間でもこだわりがぎゅっとつまったような家も好きなのですが、夫はせまい空間や、部屋が散らかっているのがものすごくストレスになるタイプ)

でも、1年と4か月住んでみて、今ではすっかり心地のいいマイホームになっています。逗子の工務店キリガヤさんに建ててもらった家に、1年暮らしてみた感想をつらつらと書いてみます。

1. 冬 - 引っ越しと出産

工務店には家本体だけをお願いし、外構と庭はそれぞれ別の業者を頼んだので、引っ越してきた当時は、土地に大きな家がぽかんと立っているだけで、塀も庭も何もない状態でした。

分かりやすい三角屋根の家づくりで、背も高いので、工事中からご近所で少し話題になっていたらしい我が家(前の家も近所なので、噂も耳に入る)。なんか、ちょっと目立つ家に住むことになっちゃったかな…と、あまり目立つのが好きじゃない私は、ちょっぴりどぎまぎしながら引っ越しの日を迎えたのを覚えています。

クリスマス前の寒さが本格的になってきた頃、臨月の大きなおなかで、2歳半の娘を連れてのお引っ越し。さすがに業者におまかせして、義母も手伝いに来てくれて、夕方までかかってなんとか荷物の搬入をおえて、いよいよ今日からよろしくね、という引っ越し初日。

しっかりものの夫が、うっかりガスの配線を頼み忘れていて&前の家のガスを止めるのも忘れていて、まさかの初日の夜だけ、すっからかんになった前の家にシャワーだけ浴びに戻ることになったのでした(しかも電気は止めたので真っ暗だし、冬の夜道は寒い、娘よごめん)…!
そんな引っ越しらしいハプニングも、今ではすっかり笑い話です。

新居で迎える初めてのクリスマス、お正月が過ぎ、さっそくいたずら盛りの娘に家の壁を汚されて、本気で怒る夫にこの先が思いやられるなぁと憂鬱になったりしながら、あっという間に、息子、誕生!

娘と同じ、鎌倉市内の病院で出産し、退院後そのまま私と息子は東京の実家へ。娘と夫の二人暮らしがはじまったのでした。

2. 春 - 4人暮らしのはじまり

そんなこんなで1ヶ月検診くらいまで、私は実家で久しぶりの赤ちゃんのお世話に奮闘していたのですが、その間に、外構工事や庭の工事も終わり、すっかり家らしい外観ができあがっていました。

夫から庭の写真が送られてきた時、「わぁ、軽井沢みたい!これが我が家…!?」と、手前味噌にも感激してしまいました。夫がこだわった庭づくりの話はまた長くなるのでおいおいですが、アトリエグリーンズという奈良の造園会社にお願いしたのです。

産後の里帰りを終えて、ようやく家族4人揃って暮らし始めたのが3月。だんだんと春の気配を感じるころでした。

庭の樹木も、初めは葉がない枝だけのすこし寂しい状態だったものも、季節の気持ち良さとともに、緑や花が育っていき、家の前をとおる散歩中の人たちからも、庭を褒めていただいたり、少しずつ地域の景色に溶け込んできたのもこの頃からでした。

ウッドデッキでのんびりする週末の朝

春から夏にかけて、気持ちいい季節に外時間をめいっぱい楽しむのが湘南らしいライフスタイルのひとつ。

ゴールデンウィークには友人を呼んでバーベキューをしたり(自宅BBQしてる人、けっこういます)、赤ちゃんもバウンサーごとウッドデッキにだして、のんびり日光浴を楽しんだり。娘は、ウッドデッキのベンチに座って、おやつを食べたりジュースを飲んだり。

家族みんなが、リビングの延長のような感覚で、ウッドデッキでくつろぐ時間を好んでいるので、1階をリビングにして正解だったなぁと思います。

3. 夏 - ノルウェー旅行とコロナ

家の住み心地の話からは、いったん外れますが、ようやく4人暮らしにも慣れてきた頃、夫の海外出張がついに解禁されて、2週間もノルウェーに行くことに…!

息子もまだ5ヶ月くらいで、娘も相変わらずのいやいや期(もはや性格なのかも)で手のかかる状況だったので、夫不在の2週間はとてもじゃないけど、想像ができなかった。

そして、家族会議をして、私たちが選んだ選択肢は、家族みんなで便乗してノルウェーに行くこと!
しかも、ちらっとその話をした私の母まで「私も行きたい!旅費は出すし、子守するから」と、自らベビーシッターを名乗り出てくれたのです。そうして、乳母付き5人の大所帯で、ハプニング満載の2週間ノルウェー滞在をしてきました。

なんとか子連れノルウェー滞在をのりきったのですが、今度は家族全員でコロナに感染!幸い、症状はみんな軽かったのですが、10日間の療養生活(買い物にも行けない。娘も保育園にいけない)がなかなか大変でした。

そんなとき、しみじみ助かったなぁと思ったのが、地域に頼れる友人がいることです。

たまたま、同じ頃に引っ越してきた感じのいい家族が何組かいて、みんな小さな子どもがいるので、近所を散歩しているうちに話をする仲に。

夫の実家は横浜で、私は東京なので、たまに帰省するには比較的近い距離ではありますが、コロナの自宅療養のように家から出られないピンチのとき、
「遠くの親類より、近くの他人」「向こう3軒両隣」という昔ながらの言葉のとおり、心やさしいご近所さんたちに助けてもらいました。

家を建てるとき、もちろん土地との出会いは運とタイミングも大きいと思いますが、暮らしてみると、その町の地域性が住み心地に本当に影響するなと思います。

4. 秋 - お出かけ日和

子どもたちもちょこちょこ体調崩しがちだった夏が終わり、秋になると、私の産後の身体もだいぶ回復し、お出かけしたい欲がもどってきました。

暑さが落ち着いた頃から、息子をベビーカーに乗せて、海の散歩や親子スイミングなど、近場のお出かけを楽しむように。

新居で迎える初めての秋は、庭の紅葉がきれいで、家のまわりでも四季の移ろいを感じられることをしみじみ嬉しく思ったのでした。

リビングのちびっこコーナー

暮らしながら、家の中をすこしずつ整えていくなかで、2階にある子ども部屋とは別に、リビングにもIKEAのおままごとキッチンセットや絵本棚など、小さなキッズスペースをつくったのですが、この頃から、娘と息子の関わり合いも増えてきました。

よくここで姉弟でじゃれあって遊んでいて、ときに微笑ましかったり、ときにひやひやしたりですが、子どもたちの様子を見ながら料理ができるキッチンの間取りにしてよかったです。

5. 2回目の冬 - 薪ストーブ

新居に引っ越したばかりの冬は、産前産後のばたばたで、家の住み心地をじっくりと味わう余裕がなかったのですが、あっという間に1年が過ぎ、2回目の冬。

春夏秋冬を経験して、家のなかのさまざまな機能やインテリアのなかでも、だんとつに薪ストーブが好きになりました。

家づくりの話がすすみ、薪ストーブを置きたいと夫がいいだしたとき、正直なところ、かっこいいから置きたいんだろうな(高そうだけど、実際に使うのかしら?)と少し冷ややかにみていた私。

でも、前の年よりも寒かった2回目の冬を終えて、、、

火をつけるのにもテクニックがいる

薪ストーブの温かさに感動~!
床暖、エアコンいらず、からだが芯から温まる感じがします。しかも、薪を切って、火をつけて、暖をとる。という手間がかかる作業なのも、余計にありがたみを感じるというか。(休日に夫が薪割りしていた 笑)

すっかり、薪ストーブファンの私です。

鎌倉も薪ストーブのある家、けっこう多いのですが、みんなどこで薪を買うんだろう?安く手に入ったりもらえたりする薪ネットワークとかあるのかな?

6. そして、2回目の春 - 保育園と仕事復帰

そうして迎えた、2回目の春。
冬に葉を落とした木にも、また緑や花が咲き、近所の挨拶する人もだいぶ増えた今。

息子も娘とおなじ保育園に通い始め、私は、2階の南に面した小さな書斎で、この文章を書いています。

家づくりに関して、圧倒的に夫のこだわりの方が多かったなかで、数少ない私の希望が、キッチンと、気持ちのいい書斎でした。

荷物を置く前

引っ越してすぐに育休に入ったので、ほぼ1年間眠らせていた書斎は、小さいながらに大きめな窓と作りつけのデスクをつくってもらったとても素敵な空間。「ちゃんと元とってよ」といい場所を譲ってくれた夫に言われているので(笑)、これからこのお部屋でいっぱい仕事するぞーーー!

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というわけで、どれもこれも数年後には記憶からこぼれおちてしまいそうなささいなことばかりですが、また気まぐれに家づくりのこぼれ話を書こうと思います。

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