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マイベスト・アガサ・クリスティー|「春にして君を離れ」アガサ・クリスティー
言わずと知れたミステリの女王、アガサ・クリスティー。
数多いアガサのミステリシリーズの中で、この本はちょっと毛色が違いますよ。
よき夫、よき子どもに恵まれ、幸せな家庭を築き上げた自負のある婦人が、ひとり旅で自分に向き合うストーリー。列車によるトラブルで、何もない砂漠で1週間、誰とも会話できず、読む本もなく、自己に向き合わざるを得ないシチュエーション。
暗唱していた詩の一節、「春にして君を離れ」から自分をひも解いていく。
本当は気づいてことに蓋をして、見ないふりをしていた真実。
安易な生活を送り、面倒なことは考えようとせず、自分自身に満足しきり、苦痛を恐れ、避けてきた…
勇気がなかったのだ…
自分に向き合う恐怖。
あまりにも身に覚えのある恐怖感に、ゾクゾク。
そして、その結末!!!
ストーリーテリングの鮮やかさといったら!!
さすがアガサ・クリスティー、期待を裏切りません。
アガサ・クリスティーの中で一番好きな物語です。ぜひ読んでほしい。
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