【食品業界人必見】食品の輸出をしたいなら、アジア最大のBtoB食品展示会 Food & Hotel Asia 【2022年最新版】
● こんな人はぜひ読んでみてください ●
2年に1回、シンガポールで開催されてきたアジア最大のBtoB食品展示会 Food & Hotel Asia(フードアンドホテルアジア/略称 FHA)。
コロナ禍で、オンライン開催に切り替えていましたが、今年2022年9月5日〜8日の4日間、久々にオフラインで開催されました!FHAのHalal Theatreに唯一の日本人としてスピーカー登壇するために、実際にFHAに行ってきたので、レポートも交えながら、2022年最新の情報を書いていきたいと思います。
1|はじめに
● 筆者 藤代あゆみはシンガポールに駐在していました
私は、現在、世界に16人しかいない国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠として日本酒が日本や海外でもっと身近になるための活動をメインにしていますが、元々はシンガポールに約7年駐在していました。日本の素晴らしい食品などをシンガポールで輸入し、卸売・小売・EC・イベント運営等をし、もちろん、FHAにはブース出展をした経験もあります。
シンガポールにいたことで、ハラルビジネスにも携わり、今回はFHAのセミナーで講演をしてきました。詳しくは公式サイトのブログをご覧ください。
● 輸出の重要性
コロナに加え、原材料高騰や円安など、不安なことも多い今日この頃ですが、日本政府は2025年までに2兆円、2030年までに5兆円という輸出額目標を設定していることからもわかるように、日本食品の輸出は企業だけでなく、日本全体にとって非常に重要なこととなっています。
こちらのnoteでは、アジア向けの輸出をする/伸ばすための策のひとつである、展示会の出展について解説していきます。他にもいろんな方法があるのですが、包括的に知りたい場合は公式サイトから個別にご相談ください!
実務的な内容も書いていきますので、参考になったら、♡マークを押していいね!していただいたり、サポートしてもらえたり、社内やパートナー企業の方々にも共有していただけたら嬉しいです!(※無断転載等はお控えください。)
2|輸出するためにどうして展示会に出るの?
● 展示会じゃなきゃいけない理由
「弊社自慢の食べ物・飲み物を世界の人にも味わってもらいたい!」
「 日本のマーケットだけでは不安なので、海外展開したい!」
……いろいろな理由で、輸出をしたい、伸ばしたいとお考えだと思いますが、方法がたくさんある中でなぜ展示会なのでしょうか?
コロナ禍で、オフラインでも世界中と繋がれるようになりました。しかし、食品は常に「試食」をしないと商売が成立しないものです。常温の加工食品であれば、EMSやDHLなんかで送って試してもらえばいいかもしれないですが、生だったり、冷凍だったりすると、輸送中に品質が落ちてしまったり、試食時に変なやり方をされてしまって、真の美味しさを届けるのが難しくなります。
ですから、ふだんから自社製品の提供方法を熟知している自社の人が、試食を準備できる展示会がいいんです!もちろん、商談会や試食会なども検討できると思いますよ。
● でも、展示会だとお金がかかる
一方で、展示会の出展は非常にお金がかかります。ブース代、装飾費用はもちろんのこと、海外の展示会になると物流費も高くなりますし、出張の費用だってかかります・・・。通訳の手配も必要となると、通常よりも高い人件費が必要になりますね。
政府や自治体の補助金などもありますが、全額負担ではないので、やはりコスト面が大きな問題です。でも、実際に食べてもらわないと、そもそも商売に繋がらないわけです。
そこで、輸出をする/伸ばすために、どうせ海外の展示会に出るのであれば、成果が見込めるものに出展することがとても大切になります。
3|アジアへの輸出ならFHAがおすすめな理由
● 基本情報
世界100の国と地域から43,000人が参加するというFHAは、アジア最大級の食品展示会です!日本だと、FOODEXが有名ですが、2022年開催時は34,000人弱ですから、ほとんど1万人も差がありますね。(コロナ禍なのでこれまでとこれからで違いが出てくるとは思いますが)
今回は9月開催でしたが、コロナ前までは2年に1回、4月頃にシンガポールで開催されていて、シンガポールで開催されない年は香港で開催されていました!(2023年は4月25日〜28日にシンガポールで開催予定です)
JETROのウェブサイトにも少しだけ情報が載っています。少しだけ・・・(笑)
● 今年の様子について思ったこと
コロナ禍とは思えないほど盛況だった!の一言に尽きます。毎回すごいのですが、出展社や来場者など、以前ほぼ変わらないな〜!という感想です。
・・・にも関わらず!日本のブースがとても寂しくて、私が経験した中で一番小さなブースで装飾も質素で、実際に来ている企業も少なかったです。(だから、このnoteを書いて無料で公開しています。。。)
また、ブースを回っていると、大豆ミートや培養肉などのいわゆる代替肉が非常にホットなことがわかりました!詳しくはJETROのレポートをご参考にしていただけたらと思います。
● FHAはコスパがいい!
アジア最大の食品展示会というだけでも、出展する価値があることは伝わると思うのですが、FHAがシンガポール開催される際の魅力的なポイントはこんなところです。
① 時間のコスパがいい!
シンガポールまで行くのは飛行機で7時間ほどかかりますが、シンガポールは入国も基本的にはスムーズですし、国土も狭いので会場までのアクセスもらくらくです。
そして何より、シンガポールは通関を切るのが・・・早い・・・!
実際に貿易実務をしてきたので、胸を張って言いますが、しっかりと準備をしておけば、食品がシンガポールに到着してからすぐに通関が切れて輸入が叶うんです。
「展示会用に出す少量だったら大丈夫でしょ?」なんて甘くみてはいけません。物は届いているのに、当日までに輸入の許可がおりないなど、他の国で散々な目に遭ってきたので、シンガポールのこの時間のコスパの良さは最高です。
② お金のコスパがいい!
シンガポールは決して物価が安くはありません。場合によっては日本より高いものもたくさんあります。ですから、フライトもホテルも結構しますが、とにかくいいのは公用語が英語ということ。
英語なら、ちょっとしゃべれればOKですし、なんなら自社製品を説明するための英語だけ覚えておけば問題ありません!だから、通訳を手配する費用を大幅に削減できます。
「国際的な展示会なら、どこの国でも来場者だって英語くらい話せるでしょ?」というのはごもっともなのですが、展示会は設営から撤収まであるわけですから、現地のスタッフとのコミュニケーションというのもよく考えないといけません。英語ならなんとかなる場合が多いですよね。
それから、同じブース代を払うにしても来る人数が多いので、成約の可能性も高くなります。商品そのものがマーケットに受け入れられるかという点もありますが、シンガポールのFHAで出せば、アジアはもちろんそれ以外の国々に向けても輸出のチャンスが広がるのです!
日本の展示会とは違って、FHAだとその場で成約することもあるので、この点においては時間もお金もコスパがいいなと思います。
● FHAの弱点・・・
FHAの回し者かと思われるくらい褒めちぎってきましたが、実は弱点もあります。それは、4月開催なこと!しかも、ほとんどが4月初旬です。
多くの企業が3月決算だと思いますが、決算の忙しいときに、海外の展示会に向けて悠長に準備をできる会社さんなんてなかなかないですよね。しかも、会社としての予算も4月にいきなりたくさん使うのはちょっと・・・という抵抗もあるかもしれません。
また、政府や自治体の予算も3月までですから、4月に開催するFHAだと補助金や助成金が使えないなんてこともあります。海外の展示会は多額の費用がかかりますから、これはかなりネックです。
せっかくいい展示会なのですが、日本の商習慣ゆえに諦めざるを得ない方もいらっしゃるかもしれません。シンガポールでは某日系食品展示会も開催されていますが、確実にFHAの方がいいです。(こんなことを言ったら怒られてしまいそう・・・)
社内での調整など大変だとは思いますが、海外の展示会に挑戦したいときは、FHAもぜひ検討してみてくださいね。
4|おわりに
食品の輸出をする/伸ばすために海外の展示会に出ること、その中でもFHAがおすすめな理由を書いてきましたがいかがでしたでしょうか?
もちろん、FHA以外にもいい展示会はたくさんあります。FHAは数が多い&規模が大きいので、しっかり出展しないとその分埋もれてしまう可能性もありますからね・・・。JETROではアジアの展示会の一覧が載っているので、そちらもぜひ参考にしていただけたらと思います。
日本政府は輸出の目標をすごく高く掲げていますが、海外への輸出は一筋縄ではいきません。というか、その目標を達成するためのサポート、何してくれているのだろうと、ずっと不思議に思っています。。。やってないわけではないんですが、シンガポール政府はめちゃくちゃサポートが手厚いので、比べてしまうと、日本はどうしても見劣りしてしまうのが本音です。
展示会以外にも、商談会や試食会、イベントなど民間企業で頑張っているところがたくさんありますので、手を取り合いながら一緒に輸出を伸ばせていけるといいなと思っています!
● お問い合せ
海外進出、輸出、マーケティングなど、個別のご相談もお受けしています。
公式サイトよりお気軽にお問い合わせください。
5|追記★HORECAも行ってきました!
FHAは規模が大きすぎて、今回は食品と食品関連機器等で2日程にわかれていたのですが、たまたまシンガポールに行く機会があったので、2022年10月25日〜28日に開催された【FHA HORECA】のほうも足を運ぶことができました!
次回は2024年開催ということで、少し気が早いかもしれませんが、食品機械関係の方は次に向けてぜひ検討してみてくださいね。
情報や関連実績などはこちら
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