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【いくつ知ってる?】日本酒に関する賞やコンテスト8選【日本と海外】

2023年、あけましておめでとうございます!
国際唎酒師こくさいききさけし日本酒学講師にほんしゅがくこうし酒匠さかしょうの藤代あゆみです。

お正月には日本酒を飲む!なんて人、多いんじゃないでしょうか!
日本酒は飲めばそのおいしさがわかりますが、飲む前でも飲みながらでも、せっかくならそのお酒の良さをもっと知れたら、楽しいと思いませんか?

そこで、今回は、日本酒に関する賞やコンテスト等についてまとめてみました。日本酒に詳しい方も、日本酒をふだんはあまり飲まない方も、どんな人にもおすすめです!

「〇〇っていう有名なお酒を飲んだよ」とか、「この□□って日本酒はこんな賞を取っていてね」なんて、日本酒話に花を咲かせるのにお役立てください♪


1|全国新酒鑑評会

一番よく見たり聞いたりするのがこの全国新酒鑑評会ぜんこくしんしゅかんぴょうかいではないでしょうか。

1911年、明治時代にはじまった歴史のある鑑評会で、これまでに110回も開催されています。その年につくられた日本酒(新酒)を評価するもので、去年は826もの日本酒が出品されました!そのうち、入賞は405点、金賞をとったのは205点となっています。金賞と聞くと、一つだけのように思えてしまいますが、「いいものはいい」と評価しているんですね♪

また、ただ単に「おいしい!」ということだけを判断しているのではありません。その年の日本酒はどんな傾向があるのかを分析したり、将来の日本酒づくりに役立てたり、これを通じてもっと日本酒に注目してもらおうとしているんですって〜!

全国新酒鑑評会の基本情報

新酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質向上に資することを目的に、全国新酒鑑評会を行っています。

主催
独立行政法人 酒類総合研究所
日本酒造組合中央会

賞の種類
入賞
金賞

公式サイト
https://www.nrib.go.jp/data/kan/

※公式サイトより抜粋して引用しています


2|インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)

イギリス・ロンドンで開催されている世界規模のワインのコンペティションがInternational Wine Challengeインターナショナル・ワイン・チャレンジ、通称IWCアイ・ダブリュー・シーです。1984年にはじまりましたが、2007年からは日本酒部門もできました。

全国新酒鑑評会の次に、よくみる賞だと思います!(私がシンガポールでの活動が長いからかもしれませんが・・・)

9つのカテゴリーにわけられていて、品質が認められ、入賞した日本酒は、ゴールド・シルバー・ブロンズの3段階で評価されます。さらに、各カテゴリーにおけるトップになるとトロフィー(Trophy)という賞を得られ、すべての中で一番のチャンピオン(Champion)という栄光ある賞もあるんです!(2022年の結果はこちら/他にも賞がありますがここでは割愛します。)

チャンピオンの日本酒、ぜひ飲んでみたいですね〜!

インターナショナル・ワイン・チャレンジの基本情報

インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)は1984年に設立された世界的に最も権威あるブラインドテイスティング審査会の一つです。SAKE部門は2007年に設立されて以来飛躍的に成長し、日本国外で行われる日本酒審査会としては最大かつ最も影響力のあるイベントになっています。

主催
William Reed Ltd.

賞の種類
ブロンズ
シルバー
ゴールド
トロフィー
チャンピオン …など

公式サイト
https://www.internationalwinechallenge.com/

※公式サイトより抜粋して引用しています


3|Kura Master

フランスの地で、フランス人のためにやっている日本酒コンクールKura Masterクラ・マスターというのもあります。2017年にはじまったばかりですが、昨年は1,110銘柄も出品されたんだとか!

日本酒そのものの評価、というよりも、「食と飲み物の相性」に重点をおいていて、審査員はフランス人を中心としたヨーロッパの飲食界トップクラスのプロフェッショナルたちです。

5つのカテゴリーにわかれていて、金賞・プラチナ賞・審査員賞・特別賞、そして総合で一位となるプレジデント賞があります。

和食だけでなく、洋食にも合う日本酒。フレンチを召し上がるときに、Kura Masterの賞をとっている日本酒を合わせてみるのもいいかもしれませんね!

Kura Masterの基本情報

2017年から開催されているフランスの地で行うフランス人のための日本酒コンクールです。審査員はフランス人を中心としたヨーロッパの方々で、フランス国家が最高職人の資格を証明するMOFの保有者をはじめ、フランスの一流ホテルのトップソムリエやバーマン、カービスト またレストラン、ホテル、料理学校関係者など飲食業界のプロフェッショナルで構成しています。

主催
Association De Kura Master(Kura Master協会)

賞の種類
金賞
プラチナ賞
審査員賞
特別賞(アリアンス ガストロノミー賞)
プレジデント賞

公式サイト
https://kuramaster.com/ja/

※公式サイトより抜粋して引用しています


4|全米日本酒歓評会

日本以外の国で一番長い歴史をもつ品評会が、アメリカの全米日本酒歓評会ぜんべいにほんしゅかんぴょうかいです。2001年にハワイ・ホノルルで初めて開催されました!

公正に、透明性をもって、確実に評価するという理念を掲げておこなわれていて、最初に書いた全国新酒鑑評会の審査方法にそって審査しているんだそうです。

4つの部門があり、それぞれ銀賞・金賞、そして、最終的に各部門からグランプリ・準グランプリが選出されます。(これまでの受賞結果の合計点を算出したエメラルド賞というのもあります。)

この全米日本酒歓評会に出品された日本酒は、その後THE JOY OF SAKEジョイ・オブ・サケという一般公開の日本酒のイベントで試飲用に展示されるのも特徴。ホノルルやニューヨークなどで開催されていて、日本国外最大級の日本酒イベントなんだそうです!

全米日本酒歓評会の基本情報

全米日本酒歓評会(The U.S. National Sake Appraisal)は2001年より毎年開催されている日本国外で最も歴史の長い日本酒の品評会です。日本の伝統的な審査方法を用いておよそ500品の出品酒を審査しています。優秀な評価を得た出品酒に金賞と銀賞が授与され、その中でも特に高得点を獲得した出品酒にグランプリ、準グランプリが贈られます。

主催
国際酒会

賞の種類
銀賞
金賞
準グランプリ
グランプリ …など

公式サイト
http://www.sakeappraisal.org/

※公式サイトより抜粋して引用しています


5|ミラノ酒チャレンジ

イタリア・ミラノの日本酒品評会【ミラノ酒チャレンジ】は2019年にはじまったばかり!

酒ソムリエの資格を持つイタリア人のワインソムリエやバーテンダーなど、お酒と食べ物の専門家がミラノで審査をしていて、お酒やフードペアリングに加えて、イタリアで活躍するデザイナーによる日本酒のラベルなどのデザインの審査もあるんです!

利き酒審査部門は4カテゴリーあり、銅賞・銀賞・金賞・ダブル金賞・プラチナ賞フードペアリング審査部門はイタリアを代表する食品や料理、デザート5品とペアリングをして、ベストフードペアリング賞を。(2023年からはチーズのパルミジャーノレッジャーノ特別賞もできるそう。)そして、デザイン審査部門からはベストデザイン賞を選出するものです。

最近はおしゃれなボトルやラベルの日本酒が増えていますよね!ミラノ酒チャレンジ特有のデザイン審査部門で、どんな日本酒がベストデザイン賞を取るのか目が離せません!

ミラノ酒チャレンジの基本情報

ミラノ酒チャレンジは、酒ソムリエ資格を持つ、イタリア人ワインソムリエ・バーテンダーなど酒と食の専門家がイタリア・ミラノで審査する日本酒コンテストです。審査員は、イタリア酒ソムリエ協会認定の酒ソムリエ資格を持つ、イタリアトップワインソムリエ・レストランオーナー・シェフ・バーテンダーなど、イタリア在住のイタリアの飲食に強く関わる方々を中心に構成しており、ミラノ酒チャレンジでは、利き酒審査及び、フードペアリング審査、デザイン審査を行います。日本人に人気のイタリア料理と日本酒を合わせ審査するフードペアリング部門に並び、ファッションとデザインの中心都市であるイタリア・ミラノの最先端で活躍するデザイナーによる、デザイン審査も同時に行われ、日本酒のラベル・ボトル・キャップ・箱などの洗練度・魅力・機能性を審査します。

主催
Sake Sommelier Association Italia(イタリア酒ソムリエ協会)

賞の種類
利き酒審査部門:銅賞・銀賞・金賞・ダブル金賞・プラチナ賞
フードペアリング審査部門:ベストフードペアリング賞
デザイン審査部門:ベストデザイン賞

公式サイト
https://www.milanosakechallenge.com/#/

※公式サイトより抜粋して引用しています


6|モナコSAKEアワード

世界で2番目に小さな国、ヨーロッパにあるモナコでも、なんと日本酒のコンクールがあります!その名も【モナコSAKEアワード】です。

モナコと日本の文化交流のために開催されている日本酒コンクールで、2021年にはじまりました。地中海の宝石と呼ばれ、世界中からセレブが集まる国、モナコでも日本酒のコンクールがあるなんて、素敵ですよね!

部門やカテゴリーはわかれておらず、スペシャルアワード・モナコ賞・マリアージュ賞、そしてグランプリの賞があります。マリアージュ賞の面白いところが、食べ物のテーマが決まっているところ。2021年はオマール海老で、2022年はキャビアだったそうです。私もシンガポールで日本酒とキャビアのペアリングディナーを何度かやったことがありますが、キャビアと日本酒って本当に合うんですよね!

ただ日本酒を評価するだけでなく、日本酒を通じてモナコと日本が文化交流できる素敵なコンクールだと思います。いつかモナコ行ってみたい〜!

モナコSAKEアワードの基本情報

モナコSAKEアワードは、モナコと日本の文化交流のために開催される日本酒のコンクールです。世界からセレブレーションが集まるモナコで、世界中の方々が楽しめる日本酒を選びます。

地中海の宝石と呼ばれるモナコは、日本と同じく、海の幸に恵まれています。そして隣接する、フランスやイタリアの食文化に強く影響を受けています。モナコの食と日本酒のマリアージュとはどんなものでしょう?このコンクールでは、食材と日本酒のマリアージュにも注目しています。モナコの方々が選ぶ日本酒とはどんなものか?その興味は酒造りの現場にフィードバックされ、次の酒造りに活かされることでしょう。

日本酒は日本の文化の結晶です。
わたしたちは、日本酒が友好の架け橋となるよう努力いたします。
「カンパイ!」

主催
Association Monaco Friends of Japan

賞の種類
スペシャルアワード
モナコ賞
マリアージュ賞
グランプリ

公式サイト
https://amfj.net/

※公式サイトより抜粋して引用しています


7|全国燗酒コンテスト

ここまで、日本酒を総合的に評価するものを中心に紹介してきましたが、ここからはちょっとユニークなコンセプトのものをご紹介します!

日本酒の特徴といえば、そう。何も手を加えずに温めて飲んでも楽しめることです!そんな日本酒の個性を生かしたコンテストがこちら、【全国燗酒コンテスト】です。

今では日本酒は常温や冷やして飲むことが多いかもしれませんが、平安時代には温めて飲んでいた記録があったり、江戸時代以降は燗酒を飲むことが主流だったそうです。

「いい日本酒はお燗にしたらもったいない」というイメージがついていますが、それはお燗よりも冷やした方が合っているタイプなだけなことも。お燗だからこそ美味しく飲める日本酒だってたくさんあるんですよ〜!

4つの部門から、金賞最高金賞を選ぶこのコンテスト。寒い冬にはお燗がぴったりですから、この賞をとっている日本酒も楽しみたいですね。

全国燗酒コンテストの基本情報

日本酒のもっとも重要な特徴は温めても冷やしてもおいしく飲めることです。世界にはビール、ワイン、ウイスキー、ウォッカなどさまざまな酒がありますが、飲用適温の幅広さは日本酒が群を抜きます。すでに平安期には温めて飲んだ記録があり、江戸期以降は「燗」で飲むことが主流になりました。

冷やしておいしい吟醸酒や生酒が普及しはじめたのは1980年ごろのこと。今からおよそ30年前でした。フレッシュで華やか、繊細な味わいは人々を魅了しましたが、「上質な酒は燗をしない」と誤解も広がります。そして、こうした誤解を解こうとするかのように、一部の専門機関が燗酒での酒質審査に着手しました。

全国燗酒コンテストはこれを引き継ぐ、専門家による厳正な審査会です。「温めておいしい酒」を周知することによって、「燗」という日本酒ならではの魅力をアピールすることを目的としています。上質な酒にも燗映えするものがたくさんあります。ぜひ、さまざまな温度で日本酒を味わい、ワインとはひと味違った料理とのペアリングをお楽しみください。

主催
全国燗酒コンテスト実行委員会

賞の種類
金賞
最高金賞

公式サイト
http://www.kansake.jp/

※公式サイトより抜粋して引用しています


8|ワイングラスでおいしい日本酒アワード

またまたユニークな日本酒の賞をご紹介です。今度はあえて日本酒"らしくない"部分にフォーカスしているもので、【ワイングラスでおいしい日本酒アワード】といいます!

日本酒といえば、お猪口でちびちび(くいっと?)飲むもの!という人もいますが、最近ではワイングラスで楽しむスタイルも増えてきましたね♪

同じ日本酒でも、お猪口とワイングラスでは、香りや味の感じ方がとても変わります。その名の通り、ワイングラスで飲んだときにおいしい日本酒を審査するのが、このアワードです!

5つの部門から、金賞最高金賞が選ばれるのですが、スパークリングの日本酒の部門もあるんですよ。

ワイングラスでも日本酒を楽しむきっかけに、参考にしてみてくださいね!

ワイングラスでおいしい日本酒アワードの基本情報

「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」は、単に品質の良し悪しを競うことを目的に開催するものではありません。日本酒の需要を掘り起こし、日本酒の文化継承・発展を祈念して行う取組みとして、ワイングラスの力を認識し、新たに見出された日本酒の魅力を広く伝えていこうという趣旨に賛同した専門家達により、ブラインドで評価したコンテストです。日本酒の広がりの為に超えて行かなければならない3つのボーダー、すなわち若年層への啓蒙が必要だという「年齢の壁」、和食以外にも日本酒の相性は良いことを広めなければならないという「業態の壁」、そして文字通り世界へ羽ばたかせるために越えなければならない「国境」という壁を、軽やかに超えていく新しい提案になると信じての試みです。

主催
ワイングラスでおいしい日本酒アワード実行委員会

賞の種類
金賞
最高金賞

公式サイト
http://www.finesakeawards.jp/

※公式サイトより抜粋して引用しています


9|まとめ

日本、イギリス、フランス、アメリカ、イタリア、モナコと、6ヵ国8種類の賞について簡単にまとめましたが、いかがでしたか?

「賞をとっているかどうかって、どうやってわかるの?」と思うかもしれませんが、大抵はラベルに書いてあったり、ボトルの首にタグがかかっていたりしますので、そこから知ることができますよ。ちょっと大変ですが、それぞれのウェブサイトから受賞したお酒の一覧を見ることもできますので、そちらを確認するのも手です。

もちろん、賞をとっていることがすべてではなくて、賞をとらなくてもおいしい日本酒はたくさんあります!(賞をとるには、そもそも酒蔵さんがエントリーしないといけないので・・・)

とはいえ、日本酒選びに迷ったときにとても参考になるのが受賞歴です。洋食に合わせたいなと思ったら、Kura Masterミラノ酒チャレンジモナコSAKEアワードの賞をとっているお酒にしてみたり、寒い日に日本酒で温まりたいならば全国燗酒コンテストの日本酒を選んだり。あなたの晩酌のお供に、誰かへのプレゼントに、こちらの記事がお役に立つことを願っています!

※お酒は20歳になってから。
※こちらの情報は2023年1月1日現在のものです。



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