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映画感想#52 「海街diary」(2015年)

監督・脚本 是枝裕和
出演 綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、加瀬亮、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎、前田旺志郎、キムラ緑子、樹木希林、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶ 他
2015年 日本 126分



家族とは呪縛なのか

ストーリーは、表面的には爽やか。
ある3姉妹に腹違いの妹がいることが発覚し、鎌倉で一緒に暮らすことになり、本当の家族になっていくという。でも実は、家族の心穏やかではない関係が描かれていたりもします。親子同士、姉妹同士、夫婦同士の妬みや憎しみ。
是枝監督の映画は、穏やかな雰囲気ではあるけど、なんだか苦しい。家族というものは、長い時間を共有した場所であるからこそ、ちょっとした一言や行動から、築いてきた関係が破綻してしまうこともあるのだと思います。

長女・幸(さち)はしっかりしているけど、それは母親の「家族を捨てた」という過去の行動が原因かもしれません。
次女・佳乃(よしの)は奔放で自由で、幸からしたらそこが羨ましくもあるのでしょう。
三女・千佳(ちか)は我関せずのマイペース。でも父親をよく知らないという劣等感も少し。
新入りの妹・すずは、そんな3人の関係性を目の当たりにしつつ、新しい環境、そして自分と向き合い成長していきます。父親の過去から自分に存在意義を見出せなかったすずは、この3姉妹と暮らすことで、自分を肯定できるようになっていったみたい。

かわいそうなのは長女の幸だと思いました。
父親の不倫、母親の再婚で残された3姉妹の長女である彼女は、看護師をしながら母親代わりとしてこれまで一家をまとめてきました。
しかし、同じ職場の医者・和也(堤真一)と不倫関係に。家を捨てたという、母親のしてきたことを恨みつつも、自分も同じことをしているのではないかという自己嫌悪感を抱くようになってしまいます。
そんな幸に声をかけるのが佳乃でした。医師である和也に、アメリカに移住しようと声をかけられ悩む幸。これまでの家族の縛りから解放させようと、アメリカに行くことを勧める佳乃でしたが、結局幸は今の家族を選びました。

家族とは呪縛なのでしょうか。「家族は何よりも大事にしなければならない」のでしょうか?幸は日本に残ることにしましたが、それが彼女の本当の幸せなのだろうか、と思ってしまいます。

家族を大切に、というスローガンは刷り込みのように人の心に根付いています。それは自然発生的なものなのか、もしくは社会的にそうするべきだから大事にしているフリをしているのか。前者であって欲しいけれど、自分にとってはどうにもわかりません。


話題性とその弊害

美人ですなあ、4人とも。そこが一番の見どころだったりして。
この豪華な4人が姉妹という形で共演しつつ、それだけでなく周りの俳優さんたちが主役級の方々ばかり。
樹木希林演じる大叔母さんが、法事の後にアイスを買ってくれるシーンがとてもリアルで大好きです。うちの祖母もそんな雰囲気なので(笑)

逆に話題になりすぎていて、もう少し無の状態で見たかったくらい。確か公開前にカンヌ映画祭のニュースなんかが大々的に報道されて、見る前から「良い映画」だと洗脳されていたような感じだったので。
良い映画だとは思うけど、宣伝のしすぎも考えものですね。どの程度情報を得てから映画を見るかって、意外と大事だったりします。

☆鑑賞日 2015年7月17日


余談〜鎌倉ってなんか良いよね〜

関東に住む人にとって、鎌倉は定番の観光地なのではないでしょうか。自分も修学旅行やら社会科見学やらで行ったことがあり、子供の頃から馴染みのある場所です。歴史的な趣もあり、海沿いならではのグルメやレトロな雰囲気、江ノ電などなど、日帰り旅行にはぴったりですよね。
映画「パロアルト・ストーリー」でも書きましたが、海沿いの街ってだけで雰囲気ある。何ですかね、港町とも違う、海沿いの田舎町の良き風情は・・・。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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