映画感想#64 「犬に名前をつける日」(2015年)
監督・脚本 山田あかね
出演 小林聡美、上川隆也、渋谷昶子、青山美郷、藤井聡、ちばわん、犬猫みなしご救援隊 他
2015年 日本 107分
ペットショップの見方が変わるかもしれない
保護センターの映像は辛すぎました。今日もまた犬や猫が捨てられていて、行き場がなくなって、殺されているのかと思うと、もう悲しくてしょうがない。
愛犬を亡くした女性の物語であり、保護犬や3.11の震災で被災した家族とペットの姿を描くドキュメンタリーでもある本作。
ペットロスを抱えている人間という、良い意味で「そこにいそうな」存在の小林聡美のおかげで、深刻なペット業界の実情がより身近なものとして感じられます。
とりあえず開始3分で涙が出てきて、それからずっと泣いてました。割と劇場の中の大多数が泣いていたと思います。この映画を見るのには覚悟がいるけれど、知るべき事実だと思いました。
ペットショップで売られる犬や猫は、悪質なブリーダーによって、生まれている命なのかもしれないと知りました。母体がボロボロで、恐怖心から人間が怖いと思ってしまっている犬たち。人気の犬種だからといって、大量に生まされ、人気がなくなったら捨てられてしまう。
そんなシステムは絶対におかしい。ペットショップって何なんだろう。需要がある限り、悪質なブリーダーはなくならない。消費者の責任でもあるということです。
そして、原発20km圏内の犬や猫たち。家族と一緒に住むこともできず、精神不安定になってしまったチビという犬。久しぶりにおじいちゃん、おばあちゃんに会った時のあの顔が忘れられません。犬も感情を持っている。家族にあった瞬間、それまでの悲しみや寂しさを全部忘れて、嬉しくなるんだって。
そんな犬や猫を見捨てることができますか?
もうペットを捨てるなんてしないでほしい。全部、人間の勝手なのですから。
☆鑑賞日 2015年12月18日
余談〜犬に名前をつけること〜
このタイトルがもう良いですよね。名前をつけることは、一緒に生きていくことを決めることでもある。本作の主人公も、映画の最後では、ある保護犬と暮らすことを決め名前をつけるのです。
もちろん、犬だけでなくあらゆるペットに当てはまることだと思います。そうであるならば、人間はその命に誠意を持って向き合わなければならない。まずは、その意識を持つことが始まりですね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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