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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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1ページに満たない映画感想<2013年編③>


終戦のエンペラー(2013年/ピーター・ウェーバー)

日本はなぜ戦争に参加し、なぜ、戦争は終わったのか。誰にその責任があるのか。それを、アメリカ側の視点から、政治、軍事、天皇の存在といったキーワードをもとに紐解いていくような内容でした。
「物事を白黒はっきりさせない」という日本の特徴。日本はアメリカや諸外国のように、何かを勝ち取って作られた国ではない。白黒はっきりさせる必要性も薄かったのでしょう。天皇の存在が確立されず曖昧だったことも、その延長線上にあるように思います。
なぜ戦争を始めてしまったかについては、木戸幸一(当時の政治家/伊武雅刀)も言っていたけど、”戦争ブーム”だったというのは大きかったのではないでしょうか。世界の流れに文字通り流されて、誰の責任だったのかというのははっきりしないのかもしれない。
毎年、夏になると戦争のことを考えます。同じ間違いを繰り返さないよう、戦争が悪であることを、しっかりと自分の中にも記憶したいと思います。

☆2013年7月31日鑑賞


二郎は鮨の夢を見る(2011年/デビッド・ゲルブ)

「鮨の向こうに人生が見える」というキャッチコピーが良い。
その職に対して、人生の全てを賭けているという。何をやるにも、それを好きになり、全てを賭けないと、成功することはない。
小野二郎さんの人生は、鮨職人という言葉が代弁しているようでした。そして、彼らの人生だけではなく、食へのこだわり、旨さの秘密も知りました。仕入れから仕込み、握り方、わさび、酢飯、出し方、順番、店内の清潔感。取り巻く雰囲気全てが、一つの鮨のためにあるということ。
すごく美味しそうで、見ていてお腹が空いてしまいました。あんなに美味しいお寿司は食べたことないし、食べることもないんだろうなあ。「3万円〜」だもの。
仕事を楽しめるようにならないと、成功はない。肝に銘じておきます。

※余談
この映画のチラシが粋で、まるでファンモンのジャケ写かのような、二郎さんのアップ。誰だったか、アーティストの方のインタビューで、「自分の顔をアップにしたジャケ写は自信のある証拠だ」という記事を目にしたことがあります。まさに、この映画は自信がある証拠なんだと思いました。

☆2013年10月14日鑑賞
(東京ごはん映画祭にて※後述)


地下鉄のザジ(1960年/ルイ・マル)

かわいい物語でした。パリにやってきた女の子ザジは口が上手くて、こんな子供いたら、ちょっとイライラするかも(笑)
ストーリーって程の物語はなくて、ザジとおじさんのドタバタ劇という感じ。この時代のパリの様子、そして1960年の映画の世界観を楽しめました。

☆2013年10月17日鑑賞
(東京ごはん映画祭にて※後述)


天心(2013年/松村克弥)

岡倉天心のことは、中学校の歴史で名前を聞いたことがある程度。日本美術に興味があったので、なんとなく見てみました。
天心の功績は確かに大きいと思う。もちろん天心もたくさん苦労したのですが、菱田春草とか横山大観の苦労の方が大きかったのでは?天心よりも、苦労して苦労してやっと成功したという印象を受けました。というか、そういう風に感じてしまう脚本だったのかも。
主演の竹中直人さんも良かったです。でも無駄に声が良すぎて(笑)、映画というか舞台っぽい雰囲気に感じてしまいました。存在感がありすぎたのかな…。

※余談
日本美術が好きです。特に菱田春草の優しい風合いがとても好きです。2014年に国立近代美術館で開催されていた、「菱田春草展」にも行きまして、有名な<黒き猫>も見ることができて嬉しい限り。あとは、川合玉堂、速水御舟、時代は少し遡りますが、鈴木其一も大好きです。後々、”推し”の日本美術ついても書けたら良いなと思います!

☆2013年12月2日鑑賞


ミトン(1967年/ロマン・カチャーノフ)他3本の短編ロシアアニメーション  

ヒューマントラスト渋谷での企画上映にて。
「ミトン」「こねこのミーシャ」「迷子のブヌーチカ」「レター」の4本をまとめて見れる、なんともお得な企画でした。
とにかくかわいい!猫も犬も女の子も。ロシア語なので、出てくる看板とかに書かれた文字は全然わかりませんでした。最低限の字幕しかなかったので・・・。
日本のアニメはほとんど見る習慣がないのですが、海外のアニメーションは大好きです。チェコとかフランスとか、ヨーロッパのアニメーションは、美しくて可愛くて良いですよね。

※余談
アニメといえばの思い出。
2014年に懐かしの吉祥寺バウスシアターにて、「変態アニメーションナイト」なるイベントに行きました。いかがわしいものではなく、キテレツで個性豊かな世界の短編アニメーションをオールナイトぶっ通しで見るという、やばいイベントです。
終わったのは朝の5時半頃。劇場が寒すぎて完全に体調を崩しました。オールナイト映画館って意外としんどい。確か金曜の夜で、土曜の1限に授業がある私は、始発で家に帰り、速攻折り返して大学へ向かうという、若さゆえの行動力で乗り切ったのでした(笑)今はとてもじゃないけど、できないなあ〜。

朝の吉祥寺バウスシアター

☆2013年12月25日鑑賞


●投稿に際しての余談〜ごはん映画祭〜

2013年は東京ごはん映画祭にて2本鑑賞。結構面白い映画祭だったのですが、今はやっていないようですね。でも、なぜ「地下鉄のザジ」がラインナップに?あまりご飯の印象はなかったですが。
そんな疑問は他の人も持ったようで、会場の渋谷イメフォにて、「なんでこの映画がごはん映画祭に選ばれているのか?」と質問していたおじさんがいました。どの映画だったのかは覚えていないのですが、質問されていたスタッフの方が困惑していたのはよく覚えています。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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