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映画感想文

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2012年から続けている手書きの映画ノートの内容を、一部編集・アップデートして載せています。当時見た新作〜旧作まで様々。洋画が多め。レビューや批評というよりは、感想です。出演して…
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2023年11月の記事一覧

映画感想#33 「嗤う分身」(2013年)

原題 The Double 監督 リチャード・アイオアディ 脚本 リチャード・アイオアディ、アビ・コリン 出演 ジェシー・アイゼンバーグ、ミア・ワシコウスカ、ウォーレス・ショーン、ノア・テイラー、ヤスミン・ペイジ 他 2013年 イギリス 93分 奇妙な世界に没入する楽しさを味わう まずキャストが素晴らしい。 冴えない主人公サイモン、そして彼のドッペルゲンガーであるジェームズ。ジェシー・アイゼンバーグはこの2役を見事に演じ分けていました。内気なサイモンと狡猾なジェームズ。

映画感想#32 「やさしい人」(2013年)

原題 Tonnerre 監督 ギョーム・ブラック 脚本 ギョーム・ブラック、エレーヌ・リュオ 出演 ヴァンサン・マケーニュ、ソレーヌ・リゴ、ベルナール・メネズ、マリ・アンヌ・ゲラン、ジョナス・ブロケ、エルベ・ダンプ 他 2013年 フランス 100分 やさしい人とは誰なのか ギョーム・ブラック初の長編。素敵な映画でした。 主人公はミュージシャンの(ちょっとだけおじさん)マクシム、そして彼が恋をするメロディという若い女性。フランス・トネールの町で、冬に起きた小さな出来事の話

映画感想#31 「フランシス・ハ」(2012年)

原題 Frances Ha 監督 ノア・バームバック 脚本 ノア・バームバック、グレタ・ガーウィグ 出演 グレタ・ガーウィグ、ミッキー・サムナー、アダム・ドライバー、マイケル・ゼゲン、パトリック・ヒューシンガー 他 2012年 アメリカ 86分 UNDATEABLEなフランシスの奮闘記 この映画のキーワードは「UNDATEABLE」という言葉。日本語だと「非モテ」となるようです。さて、フランシスは本当に非モテなのでしょうか? 彼氏とも別れ、親友ソフィーとの友情も落ち込み

映画感想#30 「NO」(2012年)

原題 NO 監督 パブロ・ラライン 脚本 ペドロ・ペイラノ 出演 ガエル・ガルシア・ベルナル、アルフレド・カストロ、ルイス・ニェッコ、アントニア・セヘルス、ネストル・カンティリャナ 他 2012年 チリ・アメリカ・メキシコ合作 108分 広告で、独裁政権にNOを 1988年チリ、ピノチェト独裁政権の信任投票が行われる。現政権のYES陣営、反対派のNO陣営それぞれに与えられたのは、1日15分のテレビCM枠。 現政権の圧力に屈することなく、広告の力でをNOを勝ち取るまでの物語

映画感想#29 「野いちご」(1957年)

原題 Smultronstallet 監督・脚本 イングマール・ベルイマン 出演 ビクトル・シェストレム、イングリッド・チューリン、グンナール・ビョルンストランド、マックス・フォン・シドー、ビビ・アンデショーン 他 1957年 スウェーデン 89分 追憶、懐古、そして現実 老医師イーサクの追憶の旅を描いています。 過去と現在の時間軸は行ったり来たりしますが、その過去は追憶の中の過去であると同時に、実際目の前に広がる景色でもあるようでした。 クローズアップされるイーサクの表

映画感想#28 「なまいきチョルベンと水夫さん」(1964年)

原題 Tjorven, Batsman och Moses 監督 オッレ・ヘルボム 脚本 アストリッド・リンドグレーン 出演 マリア・ヨハンソン、クリスティーナ・イェムトマルク、ステファン・リンドホルム、トルステン・リリエクローナ、ルイーズ・エドリンド 他 1964年 スウェーデン 92分 牧歌的な北欧の暮らしを味わう 主人公の女の子の貫禄がすごい。この体格に、この満面の笑顔。 スウェーデンの離島”ウミガラス島”で、このビッグな少女と、ビッグな水夫さん(セントバーナード)

映画感想#27 「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)

原題 The Grand Budapest Hotel 監督・脚本 ウェス・アンダーソン 出演 レイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハム、マチュー・アマルリック、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム 他 2014年 アメリカ 100分 ウェス・アンダーソンというブランド この作り込まれた独特の世界観。衣装から文字のデザインまで全てが、ウェス・アンダーソンの世界を構成する部品として機能しています。 (衣装の一部はFENDIとコラボしている