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映画感想文

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2012年から続けている手書きの映画ノートの内容を、一部編集・アップデートして載せています。当時見た新作〜旧作まで様々。洋画が多め。レビューや批評というよりは、感想です。出演して…
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2023年8月の記事一覧

映画感想#17 「「また、必ず会おう」と誰もが言った。」(2013年)

監督:古厩智之 脚本:加藤淳也 出演:佐野岳、杉田かおる、嶋田久作、塚本晋也、徳井優、水木薫、戸田昌宏、唯野未歩子、古村比呂、国広富之、イッセー尾形、角替和枝 他 2013年 日本 104分 自分の居場所を確保するために必死な高校生、和也の成長の物語です。 多くの人が、かつて学校生活で経験したであろう”自分の居場所問題”。自分もなんだか懐かしい気持ちになりました。 和也は言うことがほとんど嘘ばかりで、笑顔も嘘くさくて。こういうやつ、いるよなーっていう感じ。それに加えて田舎

映画感想#16 「第七の封印」(1957年)

原題 Det sjunde inseglet 監督・脚本 イングマール・ベルイマン 出演 マックス・フォン・シドー、グンナール・ビョルンストランド、ニルス・ポッペ、ビビ・アンデショーン、ベント・エーケロート 他 1957年 97分 スウェーデン 生と死について、「神の存在」という観点から、深く考えさせられる作品です。 ー死は全ての人に平等である。 ー老いの先に死があるのではない。 ー死神は何をも見逃さない。 ー死は突然訪れる。 ー生とは死までの時間稼ぎである。 全体を通し

映画感想#15 「きっと、うまくいく」(2009年)

原題 3 Idiots 監督・脚本 ラージクマール・ヒラーニ 出演 アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R・マーダバン、シャルマン・ジョーシー、ボーマン・イラニ 他 2009年 インド 170分 初めてのインド映画でした。完全になめてました。 「歌って踊る」イメージが先行してしまっていたのですが、こんなにしっかりと社会問題や友情について扱っていて、なおかつエンターテインメントとして成立しているとは・・・。 物語は、インドの難関大学に通う学生ランチョー、ファルハーン、ラー

映画感想#14 「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」(2012年)

原題 En kongelig affaere (英題:A Royal Affair) 監督 ニコライ・アーセル 脚本 ニコライ・アーセル、ラスマス・ヘイスターバング 出演 マッツ・ミケルセン、アリシア・ヴィカンダー、ミケル・ボー・フォルスガード、トリーヌ・ディルホム 他 2012年 デンマーク 137分 まず邦題に問題あり。 「愛と欲望の王宮」ってなんかBBCのドラマみたいじゃないですか?これはただの不倫の話ではなく、どちらかというと、権力争いや後継問題といった側面からデン

映画感想#13 「ザ・マスター」(2012年)

原題 The Master 監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン 出演 ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ローラ・ダーン、ラミ・マレック、ジェシー・プレモンス 他 2012年 アメリカ 138分 この映画は、主人公フレディの心の内を描きながら進んでいく。 表面的なキャラクターではなく、人間の内面。人間の心の内を表しながら進んでいく話だと感じました。 そして、フレディの精神に惹かれる、ある新興宗教のトップである<マスター>との関