88日目 カオサン通りでドレッドにしてボブマーリーになる
タイ料理を理解する舌バカ
今日そこらのマッサマンカレーを食べた時に
タイ料理の肝が酸味であることを理解した
酸味が肝心なんだと貧乏舌ながら断言できる自信があった
食に関する情報への感度の低さとお世辞にも上質とは言えない舌のせいで、うまく説明できないのが非常に悔しいが、とにかく間違いなく酸味が重要なのだ
間違いない
旅をする上で重要な要素である「食」
ここに一つの解を極められたことを嬉しく思い、上機嫌で1日をはじめる僕
ドレッドヘアーの兆し
るんるんでカオサン通りを歩いているとドレッドにしないかと店の人が声をかけてくる
どうせ今後やることないだろうしやってみてもいいかという気はしていた
エクステをつけるだけなら1時間くらいで4000円ちょい、さらに値下げもできそうな感じだった
タイのカオサン通りはバックパッカーの聖地として有名らしい
「聖地がこれって虚しすぎるだろ、お前らなんのためのバックパッカーなんじゃい」というのが本音だが、ひとまずそこはおいといて
バックパッカーの聖地と言われる場所で人生でおそらく一度きりの経験をするというのはわかりやすくありな気がする
こういう時のミーハー精神は大事にした方がいい(僕は)、何かとビビってミーハー精神を自分の心の中だけに留めてきたのがこれまでだった
色々理由づけして新しいことをためらいがちな僕の悪い癖を矯正するための、打開策ドレッド🇯🇲
なかなか悪くない気がしてきた
よしやろうという決心を固めて、
あとでまた来るからと言って逃げた
そんなすぐに人は変われないよね
ボブマーリー爆誕
しばらく散歩していざそろそろ決戦の時
カオサンのドレッド店に向かう
まずは勝負飯
昼間と違って出店がたくさん出ているのでどこが店かわからずウロウロしていると、昼のおばさんが急に腕を掴んできた
私!私!ドレッド!
正直ありがたかった
自分からドレッド店の門を叩くよりも、こうやって連行されるように店に詰め込まれる方が格段にハードルは低かった
情けない話だが、まぁドレッドにすればきっと精神も強靭になるでしょ
元々肩につかないくらいの髪が長いのでちょっと大胆に長めでやってもらう
何回かに分けて僕の髪の毛にエクステを編み込んでいく
結構ガッツリ引っ張られるから痛い
ドレッドは流石にインパクトが強く、自分で見ても別人になったみたいだ
調子に乗った僕はDJがライブ中の飲み屋で一杯やることにした
DJは素人でもわかりやすく派手なのを連発してくれたので、客も盛り上がり、席を立って踊っている人も出てきた
ここでふと思う
完全な僕の中のイメージだけどドレッドのやつってこういう時踊る側じゃないか?
踊る気はさらさらなかったが、それならそれでどんな顔して座ってればいいのかわからなくなった
正解がわからずにいると急に恥ずかしくなってきた
ドレッドのパワーは凄まじく、自意識過剰をこれでもかと加速させてくる
適当なこと言って店を出て、カオサンの人ごみを風のように通り抜け、一直線に宿に向かった
宿でフロントの子にドレッドにしたんだと声をかけられる
ちょっとそうなのよ、これ、さっき、やられて…
とクソみたいな返答をした
ベッドに戻り一息
これは気にし始めたら明日から大変だぞと思った
今日の自立散歩のお供
ボブマーリーのExodus
ドレッドにされながら聴いた
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