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♯3 駐妻を選択してよかったのか?〜駐妻は最高の越境学習〜

♯1では渡英後のモヤモヤを、♯2ではモヤモヤ解消のためのあがきの経験を書いてきました。今回は、本題である駐妻を選択してよかったのか?について書いていきたいと思います。


結論

私の結論は、

駐妻を選択してよかったし、よかったと言えるように生きていくしかない。

です。

駐妻になってよかったこと

自分が無知なことを知れた

まずは、たった1年超ですが駐妻として過ごしてみて、一番よかったと思うのは、自分が何も知らない、何もできないことに気づけたことです。
私の場合、地方の公立高校→地方の国立大学→某大企業という経歴で入社からずっと同じ会社に勤めています。さらに同じ部署に10年以上いました。日本社会だけでみても、ものすごーく小さな範囲で、似たような仲間と過ごしてきた人生だったかもしれません。もちろん仕事やプライベートで、多くの方と関わり、いろいろな経験をしてきましたが、結局関わるコミュニティは限られていました。そしてそんな小さな池の中で、年齢と経験を重ね、後輩ができ、部下ができ、何だか自分は物事を知っている方の人間だと無意識に勘違いしていたようです。有能感とでもいうのでしょうか。

いざ全く違う異国の地に行ってみたら、(え、あなた何も知りませんよね?何もできないですよ?)と自分で自分に言いたくなるくらいポンコツ。ソクラテスの「無知の知」の考えが骨身に染み渡ります。旅行に行っても、その国の首都は?公用語は?隣国との関係は?宗教は?などなど基本的なことでも知らないことが多数。小さい小さい池でちょっと仕事ができるからって有能感を持っていたことが恥ずかしくなりました。
自分は何も知らないことを知れたことは、私の中でとても大きいことでした。あのまま小さい池で暮らしていたら、何も知らない勘違いBBAになっていたところでした。危ない危ない。

旅をして教養を身につけられる

イギリスに来てよかった2つ目はやはり旅行です。欧州の国々やアフリカ大陸も日本から行くのを考えると短時間で安く行けるので、かなり嬉しいです。旅をして新しい土地に行くって、美味しいものや美しい景色を見るだけでなく、自分の教養や経験を広げるのに本当に素敵なことだなぁと思いました。島国の日本ではあまり感じない、「国家」「宗教」「民族」「人種」「戦争」「植民地」などを考えさせられる場面もよくあります。これだけの国が陸続きで隣接してますからね。そういうことを知ると、日本の独自の文化や習慣なども際立ってきて、とてもユニークな国で生まれ育ったんだなぁと思うと同時に、日本に生まれてよかったなと感じることが増えました。これからも旅をしながら勉強したいなと思っています。

多様な人との出会い

駐妻になってよかった3つ目は、人との出会いです。イギリスに来て、私の小さい池では出会えなかった人たちと出会うことができました。語学学校で出会ったスイス人の社長さんやサウジアラビアのお医者さん親子、ペルー人の駐夫(奥様がCEO)など、それぞれの出身国の話や日本の印象などを、拙い英語ですが、コミュニケーションできたのはいい経験でした。日本人の中でも、そもそも専業主婦の方と仲良くなる機会が初めてでしたし、駐在ではなくイギリス人と結婚して永住している人など今までお会いできなかったような人と、〇〇会社の自分ではなく、全くの肩書なしのイチ個人として友達になる経験はとても楽しいですし、いろんな考えを聞けて、自分の世界が広がっている気がします。日本に帰国しても、もっとネットワークを広げなきゃ、と思いました。

駐妻は最高の越境学習

こうやって振り返ってみると、駐妻期間って最高の越境学習だと思います。異国の地で生活し、(国によっては難しいかも知れませんが)日本よりは簡単に旅行ができ、多様な人たちと出会える。仕事している時よりは断然勉強する時間もあるし、考える時間もある。こうやってポジティブに考えると、私、伸び代しかないじゃん!なんて思ったり。
逆に駐妻になって失ったものはなんだろう?数年間のキャリア、年収、親や友達と会う時間かなぁ。特に、イギリスに来てモヤモヤしていた時は、出世が数年遅れることがすごく気になっていたけど、今となっては異国の地での越境学習がそれ以上のものになると信じてるし、すでにいろんな経験がイチ企業での出世以上のものになっている気がするので、ほとんど気にならなくなりました。諦めがついたとも言えるかも知れません笑

ただ、結局はこの数年間の駐妻の経験がよかったと思えるかは自分次第ですよね。後悔しても駐妻にならなかった人生には戻れないし、イギリス行ってよかった!駐妻時代にあれやっておいてよかった!と思えるように、いろんなことを経験していくことが大切だなと思っています。
1年後はどんな心境になっているか、自分自身でも楽しみです。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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