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近そうでまだ遠いとかじゃない普通に遠い広島

先日広島に行ってきました。これにあたっては色々とルートやできるだけ安く済ませるパターンを考えたので誰かに聞いてほしくて記録を残すことにしました。北海道から広島方面行きたい人の参考になるといいな。

まず、広島というか尾道に行くことが決定。そしてせっかくなら広島市内も行きたいので、この2つの移動を含めた行程を考える。
広島市内が先か尾道が先か、金曜に休みを取るか月曜にするか…などあれこれ考えたけれど、仕事の都合により休みが金曜一択となったことで、ルートは広島→尾道の順番に強制決定。本当は尾道→広島の順を想定していたのに…ホテルもその方が安いのに…とかそのへんのもやもや話は今回の話から脱線するので省略。

ということで交通手段を考える。
行きの目的地は広島市内。北海道から広島に行くのはそこそこ面倒で、手段としては(1)飛行機で新千歳空港から広島空港まで行く、(2)飛行機乗り継ぎ(新千歳→羽田→広島)(3)飛行機で伊丹・関空・神戸のどこかへ飛びそこから新幹線、の3パターン。直行便があるならどう考えても(1)にすればいいと思うじゃん?
それではここで新千歳⇔広島間の時刻表をご覧ください。

なんだねこの偏った時刻は

そう、直行便は広島から北海道へ観光しに来る人にとっては良い感じの時間設定であり、逆に北海道から広島へ行きたい場合にはとても微妙なのである。ちなみに、広島に限らず本州との往復にあたってこの時間設定はありがちで、唯一北海道発に合わせた時間設定がされているのがAIRDOである。さすが道民の翼。
しかも広島空港は到着後広島の市街地に行くのもバスで1時間近くかかる。これでは一番早い直行便で飛んでも観光を楽しめるのは18時以降…

というわけで他の選択肢を検討。
(2)の飛行機乗り継ぎについては、新千歳空港→羽田・羽田→広島はどちらも便数がそれなりにあるし、新千歳空港に着いてしまえばあとは空港間で乗り換えるだけだし、マイル残高に余裕があれば良いかなと思ったけれど、何せ無駄が多い。時間も無駄にかかる。マイル残高も余裕ないし、何より飛行機が嫌いで1日に2回も乗りたくない。あと思ったより早く着かない。
ということで消去法的に(3)の新千歳→関西圏の空港→新幹線で広島へ向かうことにした。このパターンの良いところとしては、そこそこ早めに到着できるのと飛行機に乗るのが1回で済むということ。難点としては飛行機→電車やバスに乗り換え→新幹線という乗り換えのだるさ。そして新幹線は割引制度があまりないので必然的に交通費の負担が大きくなる。あと新幹線に乗り慣れていない。どのくらい乗り慣れていないかというと高校の修学旅行で乗った以降15年近く乗っていない。そう、乗り慣れていないどころかほぼ乗ったことがないのである。ここで新幹線上手に乗れるかなチャレンジ爆誕。

そんなこんなで当初の予定を変更したり仕事の予定が固まらないと航空券取れなかったりしたわけで目途がついた頃には関西方面の午前便特典航空券壊滅、いやちょっと待って行きはなんとか昼頃飛べても帰りは有償一択しかもいいお値段という絶望を挟みつつ、ルートは、
行き:新千歳空港→伊丹空港→新大阪→広島
途中で広島から尾道へ移動
帰り:尾道→福山→新神戸→神戸空港→新千歳空港
に決定。なお、実際の帰りは倉敷→岡山→新神戸と一部ルートが変更になった。

久しぶりに往復ともに有償航空券となった私は必然と「できるだけ新幹線代を抑えたい…」と思うわけだが、前述の通り新幹線に乗り慣れていないどころかほぼ乗ったことがない。ましてや切符については一度も買ったことがない。知識が全くない。
昨年みたいに西日本周遊きっぷのようなものが発売されることを期待したけれど、淡い期待は儚くも散り、HafHが去年みたいにJR西日本コラボをしてくれたら…と思うもそんなに甘くもなく、JRおでかけネットで見たところでぐるりんパスは2名からしか申し込めないしそもそも周遊ってほど周遊するわけでないからさほどお得でもない。博多に行くほど遠いわけでもない、こだまにするほど時間に余裕があるわけでもない。新大阪ー広島は需要の多い区間なのか、びっくりするほどお得な料金設定がなかった。
そうなると今度は新幹線+宿泊のパックを取ることも検討したけれど、行きは広島、帰りは福山と行き帰りの出発地が異なるのとなんちゃってホテラーとしてホテルはそれなりにこだわりたいことから納得できるプランがなく断念。

もうどうにもならないのか…と思っていた4月の下旬、JR西日本株主優待券という概念に出会う。

要は株主優待鉄道割引券を使用すれば、1枚につき片道の運賃・料金が50%割引になる。この割引券は本州の金券ショップでよく見かけるらしいが文明が発達した現代ではヤフオクやらメルカリやらを利用して北海道民でも手に入れることができるよう。
また、この割引券の有効期間は6月1日から翌年5月31日までの1年間であり、GWを過ぎると旅行需要も落ち着き、有効期限までの日数も短いことから相場が下がるらしい。今回の旅行は5月下旬。これだ。
というわけで行きと帰りの分の2枚購入。GW明けすぐに購入して1枚はヤフオクで2,800円、もう1枚はメルカリで2,500円でした。ここだけの話、ヤフオクは金券だから現金でしか支払いできないけれどメルカリはクレカ使えちゃうのでメルカリの方が圧倒的に楽だった。ちなみにGW前の相場は1枚3,000円〜3,500円だと安いなって感じで、これを書いてる5月23日現在で1枚2,000円。
おかげで行き帰りで本来16,500円くらいかかるところ、13,000円くらいで乗れました。ありがたい。でもこれ書いて改めて計算したら思ったよりお得感薄いな。帰りが結局岡山〜新神戸になったからか。ちなみに広島・福山からだと20,000円くらいかかるのが15,000円くらいで済む感じになる計算だった。
何にせよ新幹線のことよくわからないし自由席のほうが安いんだろうけれど混み具合がわからなければ荷物のこととかも色々心配だしどうせ半額になるなら指定席にしちゃえ〜って気兼ねなくできるのが良かった。
難点は窓口でしかきっぷを買えないこと。e5489でも買えなくはないけれど結局きっぷ代を支払うためには窓口に行かなければいけないので意味がない。昨今の窓口縮小化、高機能な券売機が並ぶなかで窓口にわざわざ並ぶ人というのはそれはまあそういう客層なので、いかんせん一人当たりの接客時間が長い。さっさと希望を伝えて速やかに買ってくれたらいいのにそうはいかない。割と乗り換え時間は余裕を持って設定していたはずなのに、おかげさまで新幹線乗車前必要物品買えるかな限界チャレンジになってしまった。そもそもの時間設定が甘い説?それはあります。

あとどうしようかなと思ったのが、広島〜尾道間の移動。
一番早いのは新幹線で広島から福山に行ってそこから在来線に乗り換えて尾道に戻るパターン。これで所要時間1時間弱。でも戻るのってなんだか無駄じゃない?って思ってしまうのと、料金が自由席でも5,000円くらいかかって、エッ…県内の移動なのにこんなにかかるの…?って思ってしまった。
ちなみにこれを書くために調べたら広島~尾道が約83km、広島~福山が103kmだったのでそれは料金もそれくらいかかるわ。むしろそれで新幹線乗せてもらえてこれなら安いくらいだった。
ただ、距離感を知らない人間にとっては北海道じゃあるまいし…みたいな気持ちになりながら他のルートを調べる。在来線だと広島~三原~糸崎~尾道って感じでこの短い中に2回も乗り換えあるのかいと思いつつ、2時間弱で1.520円。いや、ただでさえ北海道から広島で2泊3日しかないのに移動にそんな時間かけていられない。
高速バスだと1日8本出ていて所要時間約1時間半、運賃は1,800円。乗り換えもないのでそんなに悪くないかもと思いつつ時間が合わないのでパス。あと個人的には1時間以上バスに乗るのは嫌だ…
というわけで鉄道ルートに戻る。広島からこだまに乗って新尾道に出てそこからバスで尾道駅まで行くことを検討。新幹線が3,280円でバスが190円、所要時間1時間程度。こだまは遅いと聞くけれどこれくらいならアリじゃないか…?と思い、このルートにしようかと思って乗換案内サイトを見ていると、広島~尾道間を所要時間1時間程度2,580円で移動できるパターンがあることに気づく。
どうやら、広島から三原まで新幹線(こだま)で出て、そこから在来線で尾道まで向かうとその値段になるらしい。どうして新尾道までだと自由席1,760円なのに一つ前の三原までだと990円になるのか…?と思っていたところ、広島~三原については「特定特急料金」が設定されているからそうなるらしい。この特定特急料金は主に新幹線で隣接駅間もしくは開業当時に隣駅同士だった区間で設定されているよう。ちなみに上記でこだまって書いているけれど時間帯によってはひかりもある。なんだかとてもお得な設定に感じたし時間的にも許容範囲、お財布にも優しいのでこれで行くことにした。

正直この辺はTwitterに鉄道詳しい人が山ほどいるんだから聞けば誰かが教えてくれたような気もしつつ、このご時世だから旅行するっておおっぴらにするのも気が引けるしそもそも自分の予定をあまり人に言いたくないし、かといって詳しそうな人に教えてくださいってピンポイントで連絡とるのもな…って感じで、自分で探して勉強するのも楽しいからいいよねってことで、こんな感じで交通手段は決定。旅慣れている人は知っているようなことを4,000字もつらつらと書き連ねてすみませんと思いつつ、以下実際に乗った感想。

行きは新千歳空港から伊丹空港に降り、そこから空港連絡バスで新大阪へ行き、そこからさくらに乗って広島まで。

それぞれの乗り換えには余裕を持った時間設定をしていたつもりだけど、バスが高速道路の事故で遅延、さらに新大阪駅到着後JR西日本のきっぷ売り場を探すのに手間取り(入った場所が悪かったのか東海ばかりで西日本が見当たらない)、やっと辿り着いたら空いている窓口が少ないから平日の割に結構な列、そしてJR西の駅員さんはどうしてあんなに強めの態度なのだろう…(帰りの倉敷駅の駅員さんもだった…迷い込んだ東海の駅員さんが丁寧だったから余計気になってしまった…)。購入後は売り場から新幹線のりばまでの距離が結構ある~と思いつつダッシュで改札内へ。トイレ長蛇の列に絶望し、急いでカツサンドとスタバを購入してホームに辿り着いたのは発車5分前くらいでした。余裕を持った時間設定とは…?
というか、本来新大阪駅で40分くらい時間あるところ25分くらいしかなかったわけだけど、そもそもの時間設定すら甘かったのかもしれない。きっぷを買う時間をもっとゆっくり取るべきだった。
「できあがりまでどれくらいかかりますか!?」って聞く私に「何分の新幹線に乗られますか?そしたら○○分にお渡しします!」って答えてくれて本当にその時間に渡してくれた新大阪駅改札内スタバの店員さん本当にありがとう…そもそも発車10分前にスタバの注文をしてはいけない。

そんなこんなで乗り込んだ、人生ほぼ初と言っても過言ではない新幹線は山陽・九州新幹線のさくら。正直どれがどれだかよくわかっていないけれど、「さくらはいいぞ」とおすすめされたので乗ってみた。新大阪~博多~鹿児島中央間しか走っていないので東側だと乗れないのね。

ヨコオのカツサンドラブ

乗ってみると座席のテーブルが木でちょっとラグジュアリーな感じ!あと、他の新幹線だと指定席が2列×3列のところ、さくらは2列・2列になっているのでゆったりしているよう。それにしても新幹線は速い、飛行機の離陸の時に背中を押されているような感覚がずっと続く。駆け込み状態で乗り込み、駅メモとかいう位置情報ゲームをしたいがばかりに新神戸到着までに慌ててカツサンドを食べているのもあり、なんだか落ち着かない。
ただ、きっぷを取るときに「隣に人がいる状態の席しかない」と言われていたけれど、隣は新神戸~福山の乗車だったので、乗車後に隣を気にせずキャリーケースを上にあげたり、降車時の準備も余裕を持ってできたのは良かった。

新大阪から広島まで約1時間半の乗車、思ったよりトンネル区間が多かったなとは思いつつ、見知らぬ街の風景を見て携帯ゲームをしながら、あっという間の乗車時間だった。到着後は在来線に乗り換えてそのまま宮島口まで。それにしても、広島駅新幹線改札付近で女性らしさのある謎の良い香りが漂っていたんだけど、あれは何だったんだろう。

次に乗った新幹線はこだま。これは株主優待券を使わないので券売機で買ってみた。券売機で特定特急料金うまく買えるかな?と不安だったけれど普通に買えた。特定特急料金だと自由席に乗らなきゃいけないからちゃんと座れるんだろうか…30分程度だから最悪立てばいいと思いつつ、キャリーケースも持っていることだし正直座りたい。じゃあ早く向かえばいい話ではあるが、広島駅のお土産売り場が楽しすぎてあっという間に時間を溶かし、その後慌ててスタバを買い込み、結局ホームに辿り着いたのは発車5分前。
この女、昨日から何の成長もしていない。そしてこだまはがら空きだった。

新幹線どこの駅もホームドアついていて地味に感動した
こだまはトゥモローランドみがあった

こだまは遅いとよく聞いていたからてっきり車体も古いのかと思っていたらそんなことなかった。こっちはJR北海道のオホーツクみたいな存在をイメージしていたもので。
そして遅いとはいえ特急列車みたいな速度では走るので、北海道の田舎者にとってはむしろ心地が良いくらいだった。そして停車時間が長いのね。休憩がてら少しゆっくり揺られていたかったからそれすら丁度良い30分間だった。
三原で降車し、そのまま在来線に乗り換える予定だったけど車で拾っていただけたのでローカル線の感想はなし。

帰りの新幹線はのぞみ。新幹線といえばのぞみってくらい定番のイメージ。帰りにようやく乗れました。指定席を取ったので余裕をぶっこいてしまい、またもや最後に焦りながら3分前にホーム到着。この女、さては学習する気がまるでないな?お土産で売られているのり天がおいしそうなのが悪い。あとスタバが思ったより時間かかったんだ。

この人毎回新幹線でスタバ飲んでる
新幹線、鉄道なのに窓は飛行機みたいなんだよなあ。

岡山〜新神戸まではだいたい30分。早い、早すぎる新幹線。もっとゆっくり乗せておくれ。
のぞみはまさにスタンダードって感じ、最初に乗ったさくらと次に乗ったこだまの中間。隣に人がいない座席を取ってもらえたので隣の座席に荷物置きっぱなしにできたので良かった。去年別の場所で空港連絡列車の網棚にカバン置きっぱなしにして降車したトラウマが強すぎて出来れば隣に置いておきたかったんだ…
そういえばのぞみでは車内販売が来た。アイスを買って定番のアレをやりたかったなと思いながらも、食べている時間がないので泣く泣く断念。最近の車内販売はキャッシュレス決済ができることに感動。JR北海道は2019年2月に全ての特急列車で車内販売を終えてしまったしそもそもその前から普段乗る路線では販売終えていたから久しぶりに車内販売というものを見た。7年前くらいに函館行くときに見たのが多分最後。今度は車内販売でお買い物してみたいな。

そんなこんなで新幹線の記録ばかり書いたわけだが、札幌からJRに乗り新千歳空港へ向かい伊丹空港へ飛びバスで新大阪まで移動し新幹線で広島へ…遠かった。さすがに遠かった。タイトルの通り遠かった。
7時に家を出て広島駅に着いたのが13時半。6時間半。旅行初日のワクワク、位置情報ゲームも新しくゲットできるものばかりでうれしいなハイになっちゃうよ状態でも結構きつかったというのが率直な感想。途中バスのトラブルがあったり心が落ち着かなかったせいもあるかもしれないが、それにしても身体には負担がかかるなという印象。
帰りの倉敷から在来線で岡山出てそこから新幹線で新神戸、空港連絡バスに乗り神戸空港から新千歳空港はそれに比べたらさすがにちょっとマシだったけど、新神戸って何もないのね。びっくりした。スタバがないじゃない。あと、空港連絡バスは四国の方から来るから何分くらい遅れてるのかわからなくてこれもハラハラした。所要時間は長くないし快適ではあるので、神戸空港から新神戸に出るとき使う分にはいいんだろうな。
何か食べたりちょっとした楽しさを求めるなら伊丹・新大阪で、体力温存重視なら神戸かな。

疲れた疲れたと言ったけれど、それはあくまで移動だけであり、15年ぶりの新幹線が面白かったことには変わりないし、旅行自体も色んな人と会って、色んな場所に行って、すっごく楽しかったな。また新幹線に乗ってどこかへ行こう。ただ、北海道からわざわざ新幹線に乗って向かう場所ってどこがあるだろう?そう考えるとなかなかないものだな。次回の新幹線の旅はいつになることか。今後こそ車内販売のアイスを買うぞ。

今回は移動ときっぷの話ばかりしたけれど、旅行自体や街歩きの話も書けたらいいな。
それでは、いつかまた乗る日まで。

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