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一生もののうつわ 「松代焼」

お陰様で今週末も硫黄臭く過ごしております。

松代焼との出会い

松代といえば、長らく私にとっては新潟県十日町市内の「まつだい」であった。
温泉にお蕎麦に鮨屋に美味しいお酒、春は山菜・秋は茸・冬は大雪で永遠に飽きない街である。

某年某月。
十日町の松乃山温泉で一泊し、道中昼飯を食べてから帰ろうと長野県の野沢温泉街に立ち寄る。
麻釜の上のお土産屋さん「黄金屋」で運命の出会いを果たしたのがこのワインカップであった。

和ながらもクリームメロンソーダのような色合いが、ドのつく好み。
お店の方の説明によると、「松代焼」だと言う。この読み仮名は、まつだいではなく「まつしろ」であった。真田家が治めていた松代藩の陶芸で、一度途絶えたものを昭和になってから復活させ、今は長野県の伝統工芸指定がされているという。

あくる年某月。
牛に引かれて善光寺に参り、門前町のお土産屋さん「武井工藝店」でこれまた非常に好みな器に出合う。

骨董で、5個セットだった

なんと、これも松代焼であるという。
どれだけツボをついてくるのだ松代焼。

と、言うことで松代焼の窯元に行ってきた話。


松代焼の窯元

恐らく3つある。「松代陶苑」「あまかざり工房」「唐木田陶園」。
今回は、最初のワインカップを作っている「松代陶苑 松井窯」へ。長野県長野市に所在し、松代城下の市街地にある。

店構えにびびるが、SNSもやられていて販売所が開いているのは分かっていたのでえいやっと入る。中は明るく広々していて…、松代焼パラダイスだった。感動で胸がいっぱいになる。
可愛い。可愛すぎる。これはなんていうか、もう、萌えである。

松代焼の土台部分は地元で取れる粘土から作られており鉄分が多く含まれているそう。
そちらに釉薬を2種類段階的にかけることで発色させており、青流しと呼ばれる緑色を出す釉薬には銅が含まれているのだそう。
かけ方によっては還元に傾いて紫が出る。自然素材縛りをしているので安定して色を出すのが非常に難しいんだとか。

なお松代陶苑はあまり紫がでる作品は作っていない模様で、いっぱいに作品が詰め込まれた棚は青・緑・茶と統一されていて美しい。

その他調合に温泉水を使っていたり、木灰にりんごの木を使っていることもあったりと、土地の魅力を一つに詰め込んだようなストーリーにもときめきが止まらない。

お土産物やさんでは目にかかれない大皿や置物などの芸術品も多くある。こういうものを飾れるようなお家に住みたいものである。
大物も小物も全てを1つずつお持ち帰りしたい気持ちをぐっとこらえ、今の身の丈に合ったものを厳選する。

置物を1つ、オーナメントを2つ、マグカップを1つ購入した。


松代焼の魅力

1に色合い、2につやつやぷっくり、3に「たらり」、と思う。

「たらり」具合はつまり釉薬のかけ具合によって生まれるわけだけれども、その流体の動きがそのまま形になっているのはもうなんていうかご馳走様ですとしか言えないのである。

全てが詰まった最強の萌えポイント。
美しいグラデーションに、つやつやぷっくり、たらり。


我が家の松代焼

やば…。可愛すぎて寿命伸びそう…。

スタンダード松代焼。たらり
青紫が美しいシリーズ
今回購入クリスマスツリー。ぷくぷく。
こんなの思いつくの天才。
今回購入。茶色に青緑のうわがけ。
丸ツヤが可愛い

どれも一生ものであるな。

松代焼はその愛らしさに加え、マグカップ1000円からのお手頃価格、食洗機・電子レンジOKな扱いやすさも魅力である。
電子レンジはまだ使ったことないのだけど食洗機には毎回入れてて問題なし。

もちろん皿や茶碗も販売されている。さて、どこまでを揃えるか。
今後の人生の大きな課題である。



おわり。

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