仏生山への旅
旅の目的は
仏生山でのミニ・サーカスショウ。
仏生山と聞くと険しく聳える山だと勘違いしそうですが、香川県高松市にある地名です。
最近では専ら応援しているゼロコや瀬戸内サーカスファクトリーのイベントや公演を観に旅や遠征をすることがほとんどで、今回も瀬戸内サーカスファクトリーの催しである小さなサーカスを観に、香川県を半年ぶりに訪れました。
7月27日,7月28日はその他にも魅力的なイベント激戦の土日でした。
土日祝日の定期休ではない、身体が資本で体力勝負の職業の私にとって、旅は毎回大きな選択です。
癒しになるのか、それとも疲れを引きずってしまうのか。
現場でいろいろ抱える私は休日もずっと縛られ、仕事脳のことが多い。旅は賭けでもあります。本当はそうであってほしくはないのですが。選択せずとも気軽にどこへでも行きたいのが本音。
しかし今回は、それらからすべて解放されて臨めた旅でした。
誰とどこへ行き、なにを観るかって本当に重要なのです。
前日に友人と京都で待ち合わせてゆっくりと一日を過ごし、岡山で一泊、当日の朝に瀬戸内海を電車で渡って香川へと入るスケジュールを立てました。
“いつかサンライズ瀬戸に乗って旅をしたい”それが今の当面の夢でもあります。
職業柄、弾丸のことも多い遠征。目的のイベントに向けて“前乗り”というものをまだしたことがないのですが、今回のように連休が取れれば、途中で他の地に立ち寄ったり泊まったりしながらじわじわと目的地に近づいていく、時間にゆとりのある旅の仕方もなかなか良いなと思いました。
この旅以外にも、忙しない日々の先にキラキラと待ってくれていた友人たちとのお出かけの約束が、私の心をずっと支えてくれて正直頑張ってこられました。
DAY 1
出発の朝
新横浜6:00始発のひかりに乗車するため、最寄りからも始発の電車に乗る。
京都駅8:00着予定で、同じくらいに京都に着く友人とはそのまま新幹線のホームで待ち合わせました。
いつも通勤にも使うリュック、中身は旅の道具でパンパンなのに軽く感じられました。
無事に合流して、京都地下鉄烏山線に向かいました。
朝いちでの京都府立植物園に、小学生並みにわくわくが止まらず。夏休み期間中、朝7:30から開園しているのもさすがでした。
入口はふたつあって、北大路駅からと北山駅からのルートが存在。北山門は開いているのか、烏山線の待ち時間に電話で問い合わせると、開いているとのこと。最短で行ける北山駅から行くことにしました。
本物の京扇子が飾られていました。
平安時代から続く伝統工芸品をこんな日常のひとコマで間近に観ることができるなんて羨ましい環境です。
北山駅に降りると、前回や前々回にも京都に来た際にあちらこちらの駅でお見かけしたこの方がいました↓
3番出口を目指す駅構内(地下)で、外からのセミの大合唱がすでに聴こえてきていました。
地上が見えてくると、いよいよその声も大きくなり、もはや耳をふさぎたいほどの騒音レベル💦
それでもセミの一生を思うと、地上での短い生命が尊く、ほんの僅かなその期間を応援したくなります。
チケットを購入していざ中へ!…と、いきたいところでしたが。
みつけてしまったのです、どうにも惹かれてしまう木を。笑
友人を日陰に残し、ちょっと観察させてもらう。
う〜ん!これは!!
枝垂槐(シダレエンジュ)!!!
かなりテンションあがりました。まだここは植物園の外です。
こんな縁起の良い木を外に植えるなんて、しかも北側に!どうかしてる(褒めてます)!!
エンジュは北に植えると最強に良いとされています。ここは北側の門。
どなたが植えたのか知らないけれど、植物園のマップに記載されていないところを見ると植物園の方が植えたのではないかもしれませんが、その方のセンスに感激してしまいました。
以前noteにも載せましたが、魂の単位で惹かれ、大好きになった木です。
今回の旅、京都に来て最初に出逢った木がシダレエンジュだなんてなんだか嬉しくて。るんるんしながら友人の元へ戻りました。
京都府立植物園
おまたせを致しました!
ではでは、今度こそ中へ入ります。
【園内マップ】
同時に友人が「たびちょろだ!」と口にしたので、私は目をまん丸くさせて友人を見る。
どうやら幼少の頃にトカゲをそう呼んでいたのだとか。かわいい〜!
懐っこいその“たびちょろ”は、友人の足と足の間を怖がることなく抜けていきました。
左右に見える長短2本の竹に耳を当てると、それぞれに、落下する水滴が地下で涼やかにその音を響かせていました。
草が繁り苔むした、いかにも動かなそうな画になる水車。
そのそばで少し休憩。給水タイムをとりました。
日傘をさして炎天下を避け、なるべく木陰や日陰を歩いてきたものの、この時点ですでにひとシャワー浴びたくらいには汗でびっしょり。
近づいて植物を撮ろうとすると、先ほどまで微動だにしなかった水車が急に唸りを上げて動き出したものだから、「うわぁぁ〜!!」と大声をあげてしまった。
なかなかタイミングがわかっていらっしゃる。笑
気になる!木に生る!木の実もたくさん。
目を凝らして観てみると、ほんの少し花弁の先がピンク色をしていました。
別名『龍爪槐(リュウノツメエンジュ)』
その木陰で再び休憩。
呼吸が苦しいほどの暑さ、息もあがります。
葉や幹にもそっと触れてみる。
小鳥たちが囀り、枝々を渡ったり葉から葉へと移っている光景は、まさに楽園そのものでした。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ハイビスカスは1日花。朝開いて夜には萎れてしまいます。こんなにも鮮やかに咲く花がたった1日で終わってしまうなんて、知った時は驚きでした。
ハイビスカスのグッズや衣類、学生の頃すごく流行っていたなぁ🌺
季節がまぜこぜです。
春のお花と夏のお花が一気に咲いたりと季節の境目が無くなり、ここ数年でその重なりもさらに大きくなってきているように感じます。
夏と秋もまた然り。萩の花が咲いていたとの記事も目にしました。
小学生の頃、夏休みの絵日記に記していた最高気温は31〜32度でした。
こんなに暑かったっけと毎年のように口にし、亜熱帯化がすすみ突発的に発生する雷やゲリラ豪雨に地球温暖化を感じずにはいられません。温暖化に留まらず、今や地球沸騰化時代に突入しています。
青森ではアボカドが生ったと聞きました。そして近所ではドラゴンフルーツが実をつけています。
これからの日本の気候、いや世界の気候、本当にどうなっていってしまうのでしょう。
そのひとつに温室効果ガスの影響が大きくあげられています。
畜産には大量のお水や穀物・野菜が必要とされ、また排出される温室効果ガスは群を抜きます。
私がベジタリアンを続けるのは、そうした自分ひとりのことだけではない理由も一つにあります。
その分の水と食料が困っている方々に回ればどんなに助かるでしょう。
これはずっとずっと以前にイギリスの故ダイアナ妃がすでに仰っていたことです。
数字で見る、
わかりやすい記事はこちら▼
お話がそれてしまいました。
温室が開く時間まで、外の草花を観察しながら待機しました。
あまり見かけないため、つい魅入ってしまいました。
羽の半分がスケルトンで神秘的です。
そんなこんなで観察をしたりしていたら、温室の開園時間に。
室内はムワッとする暑さを覚悟していましたが、そこは想像通りでした。笑
「ところどころ、涼しいお部屋があるので、休んでくださいね~!」とスタッフの方。
ジャングル、サバンナ、高山などにわかりやすくエリアが分かれていました。
見た目は本物の砲丸そっくりで、大きさもほぼ一緒でした。
重さはどうなのでしょう。
こちらは高知の西島園芸団地でお初にお目にかかった子。
このお花はハイビスカスの仲間なのですが、1日花ではありません。
「わぁ〜!」「へぇ~💡」「かわいい♡」の止まない果実ゾーンをようやく抜ける。
友人がいたので、友人に迷惑にならないよう1周半くらいでそのエリアをおとなしく(?)出たのですが、もしひとりだったらおそらく何周も何周もぐるぐると永遠にそこにいるところです💦笑
もうひとつ、抜け出すのが困難なエリアが。
─高山エリアです。
山を愛する友人から、「きっとしゅくちゃんが行ったら帰ってこなくなる」と言われている、天空のお花畑。
そしてここのお部屋は高山なだけあって、ひんやり!
可食だそうです!!いつか食べてみたい果実リストに加わりました…♡
気になるものだけをパパッと撮り、お花畑を撮るのをすっかり忘れて楽しんでしまいました。笑
食虫植物展も開催されていました。
こんなにも素敵な植物園はなんとなんと、開園100周年!
3本指に入る楽しい植物園でした!
大徳寺へ移動
正面の入口を出て、バス停へ。
お次はバスで大徳寺まで向かいます。
バス車内のなんと涼やかなことでしょう…!
熱を帯び火照った身体が冷やされてゆき、心地よい空間と揺れにすぐにも眠ってしまいそうでした。
お昼時になってしまうと混んでしまうのではないかと懸念し、先に昼食にすることにしました。
京都へ来ても、毎回なにかとお豆腐や湯葉を食べる機会が無かったので、今回こそはと大徳寺付近のお店を下調べし意気込んでいました。
お寺の境内にもお豆腐や湯葉を食べれるお店があることは検索済みでしたが、もう一軒気になっていたお店の前をちょうど通りかかる。
中を覗いてみると空いていたため、そちらに決めました。
イクラに見えるものも、海藻から作られたもの。
彩りが可愛く、食感がたまりません!楽しい〜!
すべて動物性不使用の精進料理です。
こういうお料理には心底ほっとして、心が癒やされ和みます。そして調理の仕方や彩りや盛り付けに繊細さを感じられます。
湯葉がどちらのお品にも入っていて、湯葉のいろんな調理方法と食感を堪能しました。
お店は、私達が入ってから出るまで貸し切り状態でした。
泉仙から大徳寺正門へ向かうまでの途中にお土産物屋さんがあり、自ずと足が止まりました。
皆様『大徳寺納豆』ってご存知でしょうか。大徳寺と言ったら大徳寺納豆が名物だそうで◎
一般的な納豆でも甘納豆でもありません。
甘くはなく塩味と酸味のある保存食で、もともと中国からトンチでおなじみの一休さん(一休禅師)が大徳寺に伝えたものだとか。
そう言われてみれば、発酵の感じと風味が豆鼓醤にも似ています。
肉食を禁じられている僧侶たちの貴重なタンパク質や栄養源として重宝されていた一品です。
ベジ友にも実家の母にもお土産に買って帰りました。
暑い中外で販売されていたお土産物屋さんの店員さんと、大徳寺納豆を使ったお料理の仕方でひと盛り上がりしました。
禅に通ずる
こう写真で見ると本当に涼しげですが、実際は床板まで生温かく無風、汗が身を滴り続けていました。
続いて瑞峯院へ。
波の音が聴こえてきそう。
身も心も洗われます。
そうそう!
涼やかなお写真をもう少しだけ。
今宮神社へ
大徳寺から今宮神社までは徒歩でそう遠くはありませんが、なにせ猛暑日。
日傘があってもジリジリと陽射しが照りつけ、また反射します。
そういえば植物園の中で友人は日傘に触れながら「ちんちこちん」と言っていました。
名古屋弁で“熱い”のさらに上を示す意味なんだそうです。
なんだか酷暑からは想像つかないかわいらしい響きですね。
飲み物、どれくらい摂取したでしょう。軽く1.5Lは超えています。
手持ちの飲み物を飲みきり、4本目を補充です。
「落下リスクの場」が「Asterisk NOVA(アスタリスクノヴァ)」に似ているね、なんて大道芸人さんのお話もしたり。笑
炎天下の道路に飛び出しそうだった巨大な枯れ草色のバッタを日傘で掬って草むらへと救助しました。
ようやく見えてきました!
ここ今宮神社は玉の輿神社としても有名だそうです。
そういう類の欲はありません。玉の輿に乗りたい人にそのご縁がいきますように。
ご縁はあくまで自然を好みます。時に説明もつかないくらい不思議なこともありますが。
要らぬ過度な欲と野望は毒となることを学んできました。
目標と希望と繋がりを大事に、地道に生きていければ私はそれで幸せです。
もうひとつ、こちらを訪れたらしておきたいことが。
それは今宮の奇石『阿保賢(あほかし)』さん。
神占石とも言われていて、病を患う方が石を撫で、その手で悪い箇所にふれると早く回復すると言われています。
さらに、阿保賢さんを掌で三度叩いて持ち上げたのち、心のなかで願い事を唱えながら三度掌で撫で、再び石を持ち上げて軽く感じたら願いが叶うといいます。
重さはさほど変わったようには感じられなかったので、ご利益はどうでしょう。あるといいです。
あぶり餅は“食べるお守り”
今宮神社に来た目的は実は他にもあり、
友人が以前から「食べてほしい!」とおすすめしてくれていた『あぶり餅』です。
参道では「一文字屋和輔(一和)」さんと「本家根元かざりや」さんという、あぶり餅の老舗が向かい合っていて、どちらに入ったらいいのか迷ってしまいました。客入りも同じくらいで、どういう違いがあるのかなぁ…なんて思いながらウロウロしていると、かざりやさんの店員さんが声をかけてきてくださったので、そちらに入ることにしました。
店内に香ばしいかおりが漂ってきました。
席についてから風鈴の音と扇風機の風に涼を求めていると、ほぼ満席だった店内は気づけばびっくりするほど誰もいなくなっていて。
なぜかいつも友人とお座敷に席を通されると貸し切り状態になるのです。先ほどの泉仙さんもお座敷でしたし、伊勢の旅でもそうでした。笑
出された麦茶をごくごく飲んで、足を伸ばして「ふ〜!」と寛ぎ、あぶり餅を待ちます。
あぶり餅は“厄除け菓子”とも言われていて、その昔、京の都の悪疫退散を祈る祭事を今宮神社が取り仕切り、奉納されたお餅を参拝客に振る舞ったことから「食べるお守り」として親しまれてきたとのこと。
わ〜!きました!
ところが、ペロリでした。笑
もちろんちゃんと一口一口味わいましたよ。
餅米をつくところからすべて手作り。
少し粒の歯ざわりが残る小さめのひと口サイズのお餅。とろっとろの甘い白味噌の餡によく絡みます。
お話を伺うとちぎったお餅にきなこをまぶして焼くのがカギなのだとか。
香ばしいかおりの決め手と美味しさの秘訣を教えていただき、一層愛おしさが増しました。
あとからの調べによれば、向かい合う両者はどちらも甲乙つけ難いくらい美味しいそうで。それでいて味の違いもあると書かれていました。
お腹にもう少し空きがあったら、次回とは言わずにその場でもう一軒の方のあぶり餅も買って食べ比べることもできたのですが。
1000年以上も愛され続けるお餅に甲も乙もありませんね。
両者はきっとずっと手を携えて今に至り、大切にあぶり餅を作り続けてきていると思います。その想いに差はありません。切磋琢磨してお互いにリスペクトし合って、仲良しであることを信じます。
入れなかった一和さんのあぶり餅は、またいつかの楽しみとして覚えておきます♪
次の場所まで、再びバスでのんびりと向かいました。
スマホでふと調べていると、大徳寺付近に『Guest House shukushuku』という、可愛いうさぎの描かれた看板のお宿をみつけ、勝手に親しみを感じてしまいました。
機会があったら泊まりたいなと、こちらも記憶にメモ。
バスの中だったので撮れませんでしたが、これぞ夏の雲!と言わんばかりの、画に描いたようなひと塊の立派な入道雲が空にもくもくとまだその形を拡げていました。
Cafe 麦ねこ風ねこ
京都に来たら、こちらのカフェに必ず立ち寄ります。むしろカフェ目的に京都へ来ることだってあります。
なんと言っても、天然酵母で作ったもちもちの米粉パンが魅力です。
8月は休業期間に入ってしまうため、その前にやって参りました。
2階は展示スペースにもなっていて、毎回カフェにお邪魔させていただいた際には、展示されている会期中のアートに触れることも楽しみにしています。
以前、同じような暑い時期に出していただいたアイスグリーンティーがとっても美味しかった記憶があり、同じものをオーダー。選んだシナモンパンにも舌鼓。
熱を帯びた身体にグリーンティーがみるみる吸収されていきました。
カフェの最大の魅力は、地元の方々が気軽にお店に立ち寄られ、老若男女分かたず家族のようなあたたかい雰囲気であるところ。近所の子供たちはみんないつも自由に出入りし、過ごしています。
子供たちが書いたという絵が新たに飾られていたりファイリングされているところも素敵でした。
展示も素晴らしかったです。
破壊と再生の繰り返し、人の力ではどうにもできない宇宙の神秘、人間が作り出すものの結果、抗えないなにかと虚無感、そこに見た希望、そして自然の生命力。
じっくりじっくり眺めました。
カフェでの時間はいつもあっという間です。
明日は仏生山へ瀬戸内サーカスの応援に行くこと、これから岡山に移動して一泊することをお伝えすると、大変驚かれました。
ご挨拶をしてお暇。
日が傾いたとはいえ、未だジリジリと低くなった陽が背を焼きます。
カフェからバス停までは坂を上っていくのですが、途中の大衆食堂のような小さなうどん屋さんのディスプレイに掛けてあった『きぬがさうどん』という見慣れないメニュー板の文字に、友人とふたりで首を傾げる。
後日琴電の中で調べていたら、次々と知らないことが明らかに!
京の都は丼の都
「衣笠(きぬがさ)うどん」と聞いてもまったくピンときません。
どうやら使われている食材をみてみると「あぶたま」のことのようです。
関西では「衣笠」と呼ぶのですね!
・玉ねぎ
・短冊状に切ったおあげ
・卵
・九条ネギ
それをうどんにかけたら「衣笠うどん」、ご飯の上にかけたら「衣笠丼」というわけです。
他にも「木の葉丼」なるものが。
こちらは、
・細く刻んだかまぼこ
・甘く煮たしいたけ
・卵
・青ネギ
かまぼこの代わりに刻んださつま揚げを入れるお店もあるそう。
もうおひとつ!「ハイカラ丼」!!
こちらの食材は、
・天かす(揚げ玉)
・青ネギ
・卵
かまぼこやしいたけを入れるお店もあるのだとか。
悪魔飯や節約料理のようにも感じますが、見栄を張って逆に「ハイカラ」と呼んでいたのでしょうか…?
木の葉丼との決定的な違いは、天かすが入ってるか入ってないかのようですね。
そしてそれ以外の変わり種を加えたら、それは「衣笠丼」に括られるとのこと。
すべてに共通して言えるのは、卵で具材をとじていて、最後に三つ葉や海苔をお好みで添えるといったところでしょうか。
具材ひとつ加わることによって呼び方が変わるなんておもしろいです。
最後に、「ばんばらこ丼」。
ばんばらことは「散らばった」という意味だそうで、主に天橋立周辺のお店で提供されている丼メニューで、決まった形はないそうなのですが、
・丹後産のお米を使用
・メイン食材も丹後産
・海の京都・丹後の魅力が詰まった丼であること
・丹後の自然と神様に感謝して作ること
上記の4つが守られていれば「ばんばらこ丼」として認められるそう。
お店によって乗せるものも味もバラバラのようで。つまりは丹後のオリジナル丼ということですね!
しかしこんなに知らない丼の名前が京都にはあったなんて。
街の食堂へ行くのも楽しみになりますし、関東でもばったりどこかのお店でこのメニューに出会えたら、とびきり嬉しくなってしまいそうです。
一周回って京都駅
先ほどまで空いていたバスも、さすが清水寺付近ともなると外国の方で溢れていました。
朝から京都にいながら、まだ京都駅や京都タワーを一度も観ていないことに気づきました。
新幹線に乗り、友人とお話をしていてまたまた気づきました。
神奈川の私と愛知の友人。いつも遠征で中部・近畿・四国を訪れる時は、名古屋駅もしくは現地で待ち合わせたり別れたりすることが多く、友人と一緒に新幹線に乗るということ自体が初めてで、なかなか新鮮でした!
岡山着
駅で友人と明日の電車の時刻と待ち合わせ時間を確認してお別れし、それぞれのホテルへ。
「また明日〜👋」
と言えるのも嬉しかった。
ホテルのお部屋にはいろいろウェルカムな品々が置かれていて間違っていないか確認してしまった。
5月の旅の時にも、豊橋のホテルでは最上階の広いお部屋が用意されていてびっくり。間違っていないか確認したことがあったばかり。
翌朝チェックアウトの際には心ばかりといって岡山名物の菓子折りまでいただいた。
ひとり暮らしに6個は多いので、
ありがたく家族と分け合いました。
桑の実ぷりんをゲットしたことは、言うまでもない。笑
DAY 2
朝食は
朝食付きにしていたので、OPENしたての6:30すぎにレストランのバイキングへ。
海苔やミニサイズの納豆はどちらのホテルでもよくお見かけしますが、めかぶの小さなパックは初めて見ました。
めかぶ嬉しい!
大好き!
サイズ感かわいい!
トレーにポンと乗せました♪
納豆とめかぶでねばねば健康的。
いい朝です◎
そして海苔も『瀬戸内レモンのり』と書かれた桃太郎のイラスト入りの可愛いパッケージでした。
駅前で、観光客丸出しで桃太郎の像を撮る。
駅のロッカー事情
復路もまた岡山経由で新幹線に乗る予定にしていたので、持ち歩かなくてもいい荷物を新幹線の改札前のロッカーに入れようと思い向かうと、PASMO対応のロッカーではありませんでした。手持ちの100円玉が足りないことが判明し、コンビニで何かを買って崩すべく急いで入店。時間に余裕を持って出てきたとはいえ、朝の岡山駅のコンビニは激混み。2つあるうちのひとつのレジが壊れてしまったようで、店員さんが必死に直しているところでした。
ここからまたロッカーへ戻ることを考えるともうハラハラ。なかなかの嫌な汗をかきました。
使用料600円のロッカーも、500円玉は使えずすべて100円玉硬貨のみ。
「一円を馬鹿にする者は一円に泣く」
という言葉がありますが、100円を馬鹿にしたことは一度もありませんがまあまあ泣きました。
いかに普段PASMOで楽を享受していたか、思い知らされました。
現代の旅においてもまだ、こういうときのために前もって小銭をいくらか用意しておく必要がありますね。
瀬戸大橋を渡っていく快速マリンライナーに乗るには、乗車券とは別に特急券も必要だとばかり思っていたので、友人にもう買った?と確認すると、指定席じゃなくていいなら買わなくていいんだよ?と言われ、困惑。
あれれ?笑
乗換案内アプリにも別料金が表示されていたので、てっきり、、、普段使わない電車はわかりにくいですね💦
以前琴平から岡山行きに乗った電車はまた別の特急だったのかな…?アンパンマンのラッピング車両だったしな。でも特急料金払ったよねたしか…?そもそも快速と特急は違うか。マリンライナーとかかっこいい名前ついちゃってるから特急料金が必要だと勝手に勘違いしたんだ。ブツブツブツ……と心の声。笑
せっかくなので撮っておこう(?)!!
気を取り直して、2日目の予定です。
要は、
①仏生山でサーカスを観て、
②お土産を買って、
③無事に帰る! …です。
両車窓に眩しい瀬戸内海を映し、マリンライナーは瀬戸大橋を進みました。
いつかこの橋を歩いて渡ってみたいな、とか。
お遍路をしてみたい、とか。
いろいろあるけど、それはセカンドライフの楽しみとしてあたためてとっておくことにします。
高松駅に定刻通りに着き、小休憩を挟みました。
高松に『オルネ』ができて、新しいお土産物屋さんのコーナーが。どうやらそこには、私の中の大福屋さんランキング現在第1位のフルーツ大福のお店「夢果房 たから」の店舗もできたようです! 帰りに買うことに決めました。
まだ開いていない店舗を少しだけチェックし、琴電の駅へ。
琴電に乗るのもかなり久しぶりでした。
仏生山でのひととき
誰もが気兼ねなくふらっと立ち寄れてフラットに交流できる場となることがこの交流センターの名前の由来なのかな、とか考えてしまう。
さっそく中からリハーサルの音が聞こえてきてわくわくどきどき!
早く着いたので、建物内でクールダウン❄
設定を変えていて思いました。
実はまだ相棒のカメラを買って一年と数ヶ月なのですが、思い返してみれば瀬戸内サーカスファクトリー主催の公演での、撮影可のサーカス中の動く被写体を撮ったことが一度もありません。
やしまーる建設最中のエコラボシアター『森のトコトコ』の頃はまだカメラを購入していませんでしたし、その後観に行った公演はすべて劇場内で撮影禁止。
自分でも驚きでした。
ということで(?)
撮るの難しい〜〜っ!!
縦にも横にも斜めにも、
ぐわんぐわん回ります!!!
界さんの椅子の演目、初めて観れて興奮しました。ずっと観たいと思っていたものです。
どこかお茶目で愛くるしいキャラクターや動きなのに技はビシッと決め、予想外の椅子や身体の使い方に感嘆しきり。
瑞希さんのシルホイールはもちろん素晴らしく、個人的に特に瑞希さんのエアリアルフープがめちゃくちゃ良くて大好きになりました。もっとやってほしいし、もっと観たいです(切に)!!!
長谷川愛実さんとはまた別の、芯のある美しさと魅力に溢れていました。
会場からは終始どよめきが起こったり、「おおお〜✨」と声が上がったり、「わぁぁ👏」と拍手が沸いたり。
登場シーンも、それぞれがそれぞれの場所から段々と間を詰めて観客に近づいてきたり絡んだり。親しみのもてる表情や雰囲気が最初から演出され、これから観るパフォーマンスとの距離感が築かれていっているように感じました。
小さい子も多く、桟敷席が用意されていました。
瀬戸内サーカスファクトリー、恐ろしいです。未だ観ぬ底知れぬ魅力と可能性をたくさん忍ばせ携えています。
サーカスのことを少し
ここからはあくまで個人的な意見ですので悪しからず。
あまり賑やかすぎたり華やかすぎるサーカスが好みではありません。また、動物が出演するサーカスも正直観ることができません。音が大きかったり激しい照明も苦手です。
日常とかけ離れたものより、どこか日常や大切にしてきているものやことを感じられる静かなサーカスがホッとするからです。
ライトと言えば。
イルミネーションもわざわざ観には行きません。イルミネーションを観に行くくらいなら、自然豊かな場所へ行きたいと思ってしまう私は、少し人とは違った感性かもしれません。
小さい時、とある大きなサーカスを観に行って、そこに登場した熊に対する人間の扱いが無慈悲で雑で、可哀想でとても観ていられなくなってしまい、泣いたことがあります。
なぜ嫌がっているのに無理やり芸をさせるのか、それのどこが観ていて楽しいのか、ちっともわかりませんでした。たとえ嫌がっていなくても、調教して何がすごいのだろう?とも。“調教”の時点で人間の支配下にあり、本来の居るべき場所(居たい場所)ではなく、さらには「調教」の意味や目的からは外れているようにさえ子供ながらに感じていました。
観ているお客さん含めて集団でいじめを行って笑っているようにしか見えなかったのです。
少し大人になってその裏側や真相を調べ、余計に嫌いになりました。世の中も人間も信じられなくなりそうなほどにショックでした。
表の華やかさの裏で血の滲むような地道な練習や努力があるのは、人間だけで十分です。自ら追究することを諦めず鍛錬し努力し続ける人間に対してならいくらでも称賛し応援します。でもそれを意思決定できない弱者に決して強いてはならないと思うのです。
例えば空中ブランコなど、人間の為す超絶技巧などのシーンには胸を高鳴らせ目を輝かせて楽しんだことを覚えています。
たとえそれがサーカスではなくても、人間の娯楽や欲望、お金のために他の生き物や生命が犠牲になっていると知ったら、私はきっと一生かけて理解に苦しみ、悲しみ続けます。
みんなが幸せなサーカスは無いのかな。そんなふうに小さい頃から思っていました。
変わる時、変われる時
2020年、現代サーカスというものがあることを知り、思いきって会場に足を運んでみました。
こんなにも感動するサーカスがあるのかと幸せな余韻に衝撃を受けたのです。
今までのサーカスへのイメージが覆った瞬間でもありました。
ただ美しいだけでなく、そこに広がっていたのは人が積み重ねてきた妙技や信頼が織りなす嘘や誤魔化しのない技。「人」と「自分」と向き合うサーカスでした。実力でしかないその舞台は生命の犠牲を伴わず、観るものたちに優しく時に苦しく語りかけ、物語が展開し、人間模様が描き出され、受け取り手になにかを投げかける作品があったり、そこから何かを感じ取って持ち帰ったり。感情が揺さぶられ、人生観が変わり、過去や未来を駆け、つながりを感じ、誰かを重ね、私を映し、一生を思い、人を想い。
サーカスが大好きになりました。
汲み取りきれていない深くのものがまだ眠っているのではないかと、また探しに、観に行ってしまうのです。
【追記】
サーカス自体にも新たな試みが続けられていて、殊に瀬戸内サーカスファクトリーは地元の企業と手を携え、日本の現代サーカス史を着実に塗替え、切り開き、築きあげ、紡いでいっています。
努力と情熱のひとことでは言い表せないほどの苦労と道のりを作品が物語ります。また、過去には環境にも配慮した作品があったりと、その着目点やコンセプトにも驚かされることも少なくありません。
拠点ができ、アーティストが住むことによって活動が「点」ではなく「線」や「面」になり循環型構造になってきたと話されていました。
世の中の動きも考え方もだいぶ変わってきました。
アニマルライツやアニマル・ウェルフェアという言葉も取り組みもようやく浸透してきて、認知度もあがり、日本でもその活動が広がりつつあります。
何かを批判したいわけでも正当化したいわけでもありません。
好みというのは人それぞれ千差万別です。
みんなはみんなの好きを追い、私も私が安心して心のままに楽しめる自分好みのサーカスをこれからも探して観ていきたい、ただそれだけです。
どんなに小さくても、愛とこだわりと優しさの詰まったサーカスなら、今後も観てみたい。
そのサーカスを取り巻く様々な環境(外的要因・人的要因)で、観に行けない、もしくは観に行きたくないものも依然あったりもします。
どこの現場でも、大事なのはスキルとハート、そして環境と思いやりです。
今回のサーカスのお話に戻ります。
本田雅治さん。拝見するのは今回が初めてだったのですが、シルホイールにも挑戦中とのことで、今後が本当に楽しみです。
演技の中で垣間見れたダンサーの素質と技量の片鱗がキラリと光っていました!その一瞬を私は決して見逃してはいません。
広い会場で、あんなに美しく動ける方が限られたスペース内だけでのタップなんて本当にもったいないです。
もっとタップの場をスペース内にいくつも作ったり、そこを動き回りながら奏でたり。ダンサーの部分をもっとダイナミックに露出できればオリジナルな世界観を創れる(魅せれる)気がしています。
まだまだ無限の可能性を感じました。
どう変わってくるか、今後の動向と魅せ方に注目しております!
捌けるときの界さんの、短い助走からのキュッとしたスマートでコンパクトな測宙と笑顔に観客の心はすべてもっていかれていました。
そして興奮冷めやらぬそのすぐ後にはサーカスのWSがありました!
もちろんキッズフェスタの主役である子供たちが対象なのですが、
そんなの、ズルいに決まってます〜!
大人でもやりたくなっちゃう。笑
たったいま目の前で見た熱量そのまま、同じ舞台の上で、先ほどまでパフォーマンスをされていた出演者が今度は先生です。
用意されたのはエアリアルシルクとスラックライン。
子供たちの個性がとても現れ輝いていた二種、階段の途中からほくほくと眺めていました。
WSというと、大抵は参加者やその関係者やご家族様でないとその場に居て観ることができないので、残念に思うことが多々あるのですが、今回のように参加者以外も同じ場に残ることができて、一緒に観て学べたり、楽しんだり、応援することができる機会や時間があるのはすごく嬉しいことでした。
旅の終局
高松に戻り、
友人が以前にも入ったといううどん屋さんへ。
サーカスの余韻でお腹が空いていることも忘れていました。
わかめうどんに、さぬきのめざめ(アスパラガス)と、レンコンの天ぷらをトッピング。
お店のプラスチック製のお箸の先端が、うどんがすべらないようギザギザに深く削られていたのも高ポイントでした◎
コシのある讃岐うどん、やっぱり大好きです!
最近は激混みだとの噂があるそうで、本当にお隣のコンビニの前まで人がずらりと並んでいました!
大好きなスイカと迷いましたが、
パイナップルに🍍💕
これは持ち帰り用ではなく、その場でいただく用です。笑
美味しいものは美味しいうちに、が鉄則◎
カフェで飲み物を買って、2階のテラス席でがぶり。
この大福を知ったのは今年のはじめ。
丸亀市綾歌町での瀬戸内サーカスの公演を観に行った際に、ファンのおひとりが差し入れ用にと公演と公演の合間に高松の本店までわざわざ車を走らせ買いに行かれ。少し多く買ってきたからと、ひとつ味見に分けてくださいました。
1月だったのでいちご大福でしたが、そのいちごの大きさたるや。
特にイチジクがおすすめなのだとか。まるまる1個フルーツが入っているなんて、なんて贅沢なのでしょう。こんな大きさの大福は見たことがないというくらい大きくて、そしてその圧倒的な美味しさに感激し、人生で食べた大福の中のNo.1に即殿堂入りしました。
高松駅の『オルネ』に店舗が入ったので、これからは高松を訪れた時にはいつでも買えそうです♪
友人の乗車するバスの時間も近づき、いよいよ旅の終わりが見えてきました。
その後ひとり、マリンライナーまでの時間をオルネ内で再び過ごしました。
気になっていた小豆島産オリーブなどの商品をゆっくりと見て回る。
すると突然目に飛び込んできたのは…!
なななんと、“国産 ライチ”!!!
だって国産ですよ、国産!!!
考えられません。
日本に入ってくるライチの殆どはこれまでずっと中国産で、しかも冷凍でした。
ここ数年でベトナムからの冷蔵のライチが輸入されるようになって、本来の可愛いピンクの皮の色を拝めるようになったばかりです。
お仕事で台湾を訪れていた時のお話、シーズンになるとどこにでもあるような街の八百屋さんで枝ごと紐で括られたたわわなライチが店頭に並ぶのですが、その新鮮な生のライチの風味の衝撃的な美味しさと瑞々しさを今も忘れません。
確かに今の気候ではライチが生ってもおかしくはありません。…が、こちらは徹底された管理の元で育ったライチとのこと。
ちょうど生産者の方(ライチの研究をされている方)がいらしたので少しお話を傾聴できました。
本来は研究のみに栽培しているため販売は行ってはいないそうで、今回は限定で試験的に販売に挑戦してみたとのことでした。
両手いっぱいの荷物がなかったら、本気で買って帰りたかったです。
パンフレットを大事にいただいて帰ってきました。
岡山駅の新幹線改札前の“思い出のロッカー”から荷を取り出し、3時間ほどかかって無事に新横浜に帰って参りました。
いつも遠征最終日はてっぺん近くになる帰宅時間も、今回は早くに現地をあとにしたのでまだ空には夕陽が。
帰ってきてからお洗濯物も回せました◎
なかなかのんびりできて、それでいて濃く。
激務が続き、疲弊しきっていた私の心身がみるみる潤う癒やしの旅となりました。
すっかり長くなってしまいました💦
最長記録更新です!
最後まで読んでいただけた方😳
お付き合いいただき、
誠にありがとうございました🎐
暑い日が続いておりますので、どうぞ水分補給をこまめに、ご自愛くださいませ。
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