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メッシュワークゼミ〜問いをアップデートする人類学ゼミ〜 #1〜3
問いをアップデートする人類学ゼミ
たまたま、このツイートを見つけたのが始まり。
人類学的なアプローチを実践的に学ぶゼミが始まります!各々の現場に丁寧に向き合いながら、自分の問いをアップデートしていく経験は、さまざまな場面で活かされるはずです。引き続き、みなさまのご応募をお待ちしております!https://t.co/HCeG7OT3ZN
— メッシュワーク (@meshwork_jp) August 12, 2022
えいや!っと締め切り1時間前に200字の志望動機を送り、8名の中に選ばれました🙌
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なぜ受けるのか
大学で寮に住んだことがきっかけで「共同生活楽しい」となり、卒業後にアオイエに住んで。一軒家型のシェアハウスでは寮とも違った関係性が生まれていて、それが面白くってコミュニティにのめり込んだ。
現在も、自分自身が3年半住む中で変化し続けていることを感じて興味深いし、一人一人の変化にも興味がある。
そうして勝手に一人で「住みながらもその場を面白がる」という立場を続けてきた3年強だったので、文化人類学という学問を知り、興味を持ったのが約2年前。
(アオイエゼミのゲストである桂大介さんが主宰しているこのコミュニティの運営に関わったことが、文化人類学の出会いのきっかけ。)
一般的な学問は、あるものの見方を身につけて、その枠組みの中で普遍的で正しそうなことを見つけてきれいにまとめる、みたいなイメージ。
対して人類学は普遍的なことよりは、そこで起きている「小さな・けれど見逃したくない出来事」に目を向けられる(そして目を向ける主体である私自身も重要な構成要素となる)学問。(だと現時点では思っている!)
私としてはめっちゃワクワクする学問です。見つけた時点で受けない選択肢はありませんでした。とうとう、人類学の社会人ゼミが立ち上がる時代になって私は本当に嬉しいです。
現時点で持っている問い
「他人同士で暮らすことによる面倒臭さを一人一人がどのように引き受けているのか|干渉しすぎないが毎日顔を合わせる関係性の中で生まれる贈与の特殊性はどのようなものか」
志望動機に書いた問い。シェアハウスをフィールドにするわけだけど、その下心としては「シェアハウスってめちゃくちゃ面白いし価値がある」って伝えること。
でも実際に住むのは一握り。なぜなら、その面白さには面倒臭さがつきものだから。普通友達と遊ぶ時って、その人との楽しい時間だけを共有できるけれど、日常を共有するとなるとそうもいかない。誰もがいつも気を遣えるわけじゃないし、普段人に見せていない部分もたくさん見える。そういうのが嫌って人は絶対住まない。
じゃあ住んでる人はみんな、その面倒臭さを知った上で入居してるかというと全然そうでもない。住むときの理由は、人が好きとか留学先のシェアハウスが楽しかったとか、家賃を抑えたいとか。だから住んでみて、「こんなに人との距離が近くて、こんなにも面倒くさいんだ」とみんな思うんじゃないかな。少なくとも私は、寮生活をした後でも思った。
そんな、後出しの面倒臭さをみんなどうやって引き受けているんだろう?みんなイライラするよね、いや、しないのか・・?とか、そういう疑問を持っているのだけど、この手の話は共同生活におけるネガティブな部分だから、あまり住人と話したことはなく。(話されるのは対人関係の悩み事として、リアルの問題として俎上に上がってる時。。)
でも少なくとも住み続けている人たちは、面倒臭さ<住み続けるという判断をしてるわけで。その事実って結構私にとっては感動的なわけです。笑
この仮定は、ゼミを通して「私の思い込みの域を超えていなかった。。」となりそうで、自分自身の見方の変化が楽しみです。
課題図書『フィールドワークへの挑戦』を読んで
さて、9/3から始まったゼミはすでに3回を終えており、この調子だと本当に一瞬で過ぎてしまいそう。(本来は毎回感想をnoteにまとめるというお題があるのに、すでにこの調子ですので。。)
前回は9/17。課題図書を読んで疑問点をシェアしながら、人類学の理解を深めたり実践のイメージを持ったりしました。
印象に残った部分たち
「肉食という営みのなかで、屠殺という場面だけを抜きとること、各過程を分断して考えるというありかたそのものが、私にまとわりつく現代的思考の産物なのではないか。(略)獲物を撃つ、あるいは屠殺する、といった瞬間よりもずっと以前から築かれてきた、動物との関係性が存在する」
ゼミを主宰している比嘉さんが世に初めて出した文章を読むことができるのが、まずこの本の良いところ。この論文のタイトルは「生きものを屠って肉を食べる」。
私自身、大学の専攻が畜産科学科で、自分の経験と重ね合わせながら興味深く読めました。中でもこの部分は、このゼミの趣旨である「問いをアップデートする」とはどういうことなのか?が体感できたのでピックアップ。
自分も屠殺に向き合ったからこそ、ゼミのテーマである「問いをアップデートする」とは、問いを通して自分に向き合い、自分の捉えていた枠に気づくことなのかなと、実感として納得できた部分でした。
次は自分のテーマ選びに大いに参考になった部分。
「このような観察のなかには、「自己」と「他者」の関わりあいのなかに渦巻いている「相克」と「連帯」のダイナミズムが鮮やかに定着されている。松浦はこのレポートを書くことによって、「それまで以上に、カヌー部の自分にとっての必要性みたいなものを感じることができた」とむすんでいる。 「フィールドワークをする」という身がまえを、自分がどっぷりつかってきた活動の場にもちこむことによって、彼は、たとえささやかなものであれ、共同的な生のかたちについて、なにかしら新しい認識を手にしたのである。」
私もこの方と同じように自分がどっぷり浸かってきた活動の場をフィールドとして選ぼうとしている。そのような場ではもう新鮮な目は持っていないので、「問いを持てないかも、、」と不安になっていたところだった。
けれどこの方の例によって、例えば自分の生々しい気持ち、葛藤に目を向けることでも何か新しい認識を手に入れることができるかもしれない、と希望につながった。違和感や葛藤は問いのきっかけになりそう!
他にも、
「『わからない人にはわからないんだから』と言いきって対話を閉ざしてしまうことは、人類学からもっとも遠い態度であると思えた」(p116)
「黒田の『知』が表層を上すべりしているのは、彼が最初からアイデンティティという空虚な概念に呪縛されているからだ」(p152)
など、刺さる表現が盛り沢山の読み応えのある本です。ここまで主観全開だと、この人の世界の見方=何を良しとしているのかがよくわかって楽しい。
ゼミ語録
さて、肝心のゼミは私の予定管理能力が甘すぎて(いや9/10-11でアオイエ合宿があってそれどころじゃなかったというのが本音だけd)前日にやっと読み始めたため、寝不足で満身創痍の参加。後半(もう一つの課題図書『西太平洋の遠洋航海者』)は眠すぎて起き上がれず。。。😇
それでもあくびを噛み殺しながらメモしてたのは、ゼミ生の下の問いに対する議論。
「『私たち』の線引きって、どうやって形成されていくんだろう? / どこまでを『私たち』と捉えていますか?」
議論の中でゼミ生から出てきた「驚きがあるうちはまだ『私たち』ではない。慣れてくると『私たち』と思える」がとても好きな言語化だった。
アオイエはシェアハウスという箱があるので明確に境界がある。だから住めば最初から「住人」として語ることが可能だけれど、それが「私たち」と同じかというとそうでもなさそう、というのがそこでの気付き。
ちなみに前回9/10での課題図書(人類学とは何か)を読む中で、「コミュニティの線引きをすること自体が本当はいない『彼ら』に対する対抗として生まれる意識なのでは?」という問いが生まれたのだけど、この中では「私たち」は外からの視点を意識した言葉だよね、とあって結構びびった。
そのような時(共同体が国家権力の脅威にさらされていると感じる時)に人々に求められるのは、属性的な面で差異の感覚を主張することだ。このことは、自分たちに属する内的に継承された性質の外向きの表現として、所属の感覚を引き出す関係性そのものをつくり直すことである。それは、共有された遺産あるいは文化的な本質を守るために、彼らに対抗して 一致団結する「私たちのような人々」として、共同体の「私たち」をつくり変えることなのである。
ちまたのコミュニティ、全部これじゃね??という。。
まあ私たちを語ることに良し悪しがあるわけではないのだけど、なんのために「私たち」を意識するのか?は考えておかねば、ひょっとすると脳死で使っちゃってるかも、と気を引き締めました。(9/10は合宿で参加できなかったのでこれからアーカイブ見る、、!)
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これから半年間、ゼミを通したもやもやの言いっぱなしの場として、noteを更新していきます!メッシュワークのnoteのマガジンから他のゼミ生の文も見れるので、興味ある方はぜひに。
p.s.トップの写真はアオイエゼミのものです。9/10はゼミをさぼってたわけじゃないよ〜の図として笑
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