金曜の朝、欲望サンド

「マフィンがある」金曜の朝、希望と共に目が覚めた。

今日は！ マフィンが！ ある！ 昨日、久々に洋食モーニングがやりたいと思い、マフィンとベーコンを買っておいたのだ。少し先の自分のために、希望を用意しておくのはいいもんだ。

昨夜洗った皿を片づけて、台所のフィールドを整える。さっそくマフィンをパカッとふたつに割った。さて、次はどうするか。

レシピは？ 手順は？ 効率よく動くには？ …んなもん、知らん！ 考えるより、動け、だ。

食後のデザートを用意しよう。キウイも買っておいたんだ。皮をむいて、小さなサイコロ状にカット。デザート皿に入れて、上からいちごソース入りのギリシャヨーグルトをぼとんと落とす。食卓に運んで、いっちょうあがり。

まな板を使う工程を片付けよう。マフィンに挟む具材が、何となく浮かびつつある。この頃お気に入りのピリ辛きゅうりを刻んで、スクランブルエッグに加えよう。ピクルス代わりだ。

ラス1でヒヤッとした卵を冷蔵庫から取り出し（いつになく、慎重に）ボウルに割って落とす。刻んだ漬物を入れてかき混ぜる。液体が少なめだったので、豆乳を加える。

小さめのフライパンにオリーブオイルを少々熱し、たまご液、投入。まわりが白くかたまりだしたら、手早くかき混ぜて、火を止める。余熱で好みのかたさに仕上げるのがコツだ。

トースターでマフィンを焼きはじめる。スクランブルエッグをバッドに取り出し、さっと拭いたフライパンでベーコンを両面焼く。マフィンの焼き上がりと共に、電気ケトルをセットする。

皿の上で広げたマフィンに、まずはベーコン。洋食モーニングといいつつ、具材は和寄り。カラシを塗る。やっぱり甘さも…ってことで、ハチミツも塗ってみる。そうだ！ 大葉も挟んでみよう。

ベーコン、大葉の上に、スクランブルエッグを全部のせ！ ちょっと溢れそうでも、かまうもんか。全部のせ！

山盛りのスクランブルエッグをおさえこむように、大葉とマフィンをのっけて完成。下の皿が、そこそこ惨状だったので、新しいものに取り替える。台所も、なかなか荒れてるな？ …そんなもん、少し先の自分に任せておけばいい。

悔やまれるのが、コーヒーを用意するタイミング。さっそく出来立てのサンドを頂きたいところだが、コーヒーがまだ出来ていない。ドリップする時間の、もどかしさったら。

さあ、準備は整った。君を、欲望サンドと名付けたい。

欲望サンドの心得その1。手掴みで、大胆にかぶりつくこと。その2…以降は、特になし。

大葉が！ いい仕事してる！ 卵のふわふわといい、カラシとはちみつの塩梅といい、テキトーに作ったとは思えな…否、すべてが適当である。しみじみ、料理ってやつはインスピレーションとパッションだぜ。

＊＊＊

胃を満たし、自分を満たし、ゴミ出しのため外に出て、水とキッチンタオルを買ってきた。台所で洗い物を済ませ、2杯目のコーヒーと共に、これを書いている。今の時間は、AM8:55。今日も、いい1日になりそうだ。

君を、欲望サンドと名付けよう。刻んだ漬物と一緒にスクランブルエッグを作り、カリカリに焼いたベーコンにカラシとはちみつを塗り、大葉と共にマフィンにサンド。手掴みでかぶりついて至福。ブラックコーヒーおかわりしたい。金曜の朝でした。 pic.twitter.com/QPkDKNGB4m

— あや (@ayhiga) February 18, 2021