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僕がバイトを辞めない理由

同世代の普通の会社員より少し少ないかな、くらい音楽で収入を得れるようになって数年経ちますが、相変わらずパン屋の配達のアルバイトをしてます。

ちなみに今日も今バイトから帰ってきてこの文を書いているのですが、

今日は8時出勤、8時40分退社だったので、時給870円、15分刻みで計算すると日当435円になります。

こんな話をすると、「いやいやすぐに辞めなさいよ」と言われるんですが、金以外のメリットがあるんでなかなか辞められないんですよ。

僕の住む町は良くも悪くも田舎です。作曲家なんて仕事は受け入れられないんですよね。

「あの人いつも家にいるみたいだけどなんか怪しい」

なんて噂が近所で普通にたちます。(実話)

年配の方ほど顕著で、100%の親切心でやたらと仕事を紹介してくれたりします。(実話)

男は会社や畑、店、海にでて働くもので、部屋で音楽作って売ってるなんてのは仕事として受け入れてもらえないんですよね。

んで仕事紹介してくれたり、あんたそろそろそろそろ手に職つけなさいや、と言われるくらいならはいはい、と聞き流すだけで住むんですが、

実害がありまして。

その人達にとっては無職と同じに見えてるので

当たり前のようにめんどくさいことを頼んでくるんですよ。

「農繁期だから梅手伝いにきてくれ」

「幼稚園の役員やれ」

「地区の役員やれ」

などなど。。。

いやいや、曲の納期が忙しくて、と言っても

家で趣味で曲作ってるだけでしょ?

と切り返してくるんですよ。

恐ろしくないですか?この状況?

わざわざ迎えに来てくれて

徹夜明けでふらふらで畑に連れて行かれたり

1秒でも惜しいのに幼稚園の役員会議とかいう茶番会に付き合わされたりするんですよ。

ああ、この人たちに作曲という仕事を理解してもらうことは難しい、ならばこの人達にもわかるような仕事をしなくては一生暇人だと思われ搾取されてしまう。

そう思い見つけたのが今のパンの配達というバイトです。

かくして「パン屋の兄ちゃん」という立場を手に入れることができ、めんどくさい事を頼まれたり仕事を紹介されたりすることも減りました。

というわけで日当435円という子供の小遣いみたいな給料ですが、パン屋の兄ちゃんという立場が非常に便利なんで辞められないんです。

地元で仕事をもらう機会というのが以前あったのですが、そういう時

「あー作曲家と言ってもパン屋でバイトしてるんだ」

「パン屋の兄ちゃんが趣味で曲作ってるんならこれくらいの価格でいいよね」

という風に見られるというデメリットがあったんですが、結局は地元の仕事を全て断る事にして解決しました。

作曲家の本望としての仕事を断ってまで守りたいというのも変な話ですが、

それくらい便利なんです。立場って。

よくツイッターとかで

「作曲家として独立します。ついにバイト辞めました」

みたいな投稿を見るんですが、地方の田舎で作曲家やってるとそうもいかないんだよなあ、などと思いながら眺めてます。



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