24時間営業を辞めたコンビニ〜6月の販売数値の動向〜「デイリー品」
「客数減」は「イベント」か、「トレンド」か
皆さんこんにちわ、あやすけです。
北国の6月も、もう終わりです。南の方は梅雨も明け夏にまっしぐらなようですが、こちらは未だ梅雨すら明けておらず、ジメジメした毎日が続いております。
そんな夏が待ち遠しい日々の中、当店の状況はと言うと、前月と同様の日々が未だ続いております。
・・・客数戻らんな(笑)
それでは、デイリー品における当店6月の販売数値の動向です。
1.基礎数値
・日販前年比103%、24時間営業時比(コロナ禍前比)91%
・客数前年比97%、24時間営業時比(コロナ禍前比)80%
・客単前年比106%、24時間営業時比(コロナ禍前比)114%
・買上点数前年比104%、24時間営業時比(コロナ禍前比)106%
※当店における時短営業開始時はコロナ禍初年度です。
個人的な体感ですが、コロナに対する感覚がインフルエンザと同様の感覚に変化してきた印象が強くなってきました。
スタッフの中で濃厚接触者に該当する方が出てきても、あまり驚きもなくなりました。本人の意向を確認してシフトから外し、検査をしてその結果を待つ・・・淡々とした対応です。
当店のそんな状況、というか感覚は、他の大多数の方々の家庭や職場と同様なはずです。よって、現在の当店の客数減の原因は、コロナが収まるかどうかとは別の所に移ってきたのでしょう。
大事なポイントは、「客数減」がコロナによる一過性の「イベント」ではなく、別の原因による継続した「トレンド」となりつつあること、なのでしょう。
先月の記事の繰り返しにはなりますが、結論として、「客単価」への取組みが最重要な課題であるという認識は、今月も変化無しです。
2.前年比upした分類
◯米飯→前年比112%
・「おにぎり→大幅up」
・「チルド弁当→大幅up」
・「寿司→大幅up」
・「こだわりおむすび→up」
・「弁当→大幅down」
・「御飯→大幅up」
客数減の中で日販を維持するためには、客単価を上げるしかありません。「客単価を上げる」をさらに分解すると、1つ目「高付加価値が付いた高単価の商品」、2つ目「買上点数の上昇」、この2つが強いお店になることが必要と考えます。
その視点から見れば、「おにぎり」や「チルド弁当」における地域に根ざした地区開発商品、「こだわりおむすび」における高単価商品は重要な分類です。「寿司」における新商品の開発も将来の伸び代として期待大です。それらの数字が今月伸びていることは、方向性として「良し」となります。よって今月はクリアです。
一方で、「弁当」や「御飯」の売上構成比は米飯全体の12%です。上記の2つの視点と現状の商品ラインナップから考えると、当店において重視する分類ではないというのが現時点での結論です。
・・・そりゃどんなオーナーさんだって、全ての分類に全力で投資したいという感情をお持ちでいらっしゃると思います・・・私もそうです・・・ですが、理想はあくまで、理想です。
生きるか死ぬかの厳しい淘汰の時代が来ているのですから、現時点で見込みが無いものに投資する暇は1ミリもありません。「個人のこだわり」は、一片の価値もありません。
◯ペストリー→前年比104%
・「菓子パン→大幅up」
・「惣菜パン→大幅up」
・「NBパン→大幅down」
・「ドーナツ→down」
惣菜パンの好調は前月に引き続き継続中です。状況に変化なし。
菓子パンについては地区平均の数字も100を超えて来ました。一方で、最下段の「カゴ置き売場」をやめ、NBパン売り場から持ってきた「ガラス板売場」へ変更した当店の数字は、地区平均より10%以上の上ブレです。売場改善は成功しました。
その代償としてNBパンの数字は大幅ダウンですが、ペストリー全体に対するNBパンの売上構成比は8%です。またペストリーに限らず、「NB商品」は異なる看板の他店との競争には有効のようですが、現時点の当店周辺の立地状況を考慮すれば、商圏が被る競合店は同看板です。よってNBパンは捨てます。
そもそも「ペストリー」という分類そのものに、将来の伸び代をそれほど感じません。地区平均と同水準の数字を維持できればそれで良しとします。よって今月はクリアです。
◯デリカテッセン→前年比119%
・「サラダ→大幅up」
・「惣菜→大幅up」
・「食事サラダ→大幅down」
・「主菜→up」
・「副菜→up」
「健康志向の高まり」そして「中食」というキーワードは、既に社会に幅広く浸透しました。よって将来の伸び代は少ない分類である可能性もありますが、いわゆる現在の「流行り」がいつまで継続するかも同様に不明ですね。また、この分類は「買上点数の上昇」に大きく貢献する分類でもあります。
個人的には、現時点での「流行り」に乗るのが常道、と考えます。高付加価値を付けやすく、買上点数の上昇にも貢献するこの分類の数字が、地区平均と比較しても10%以上の上ブレであることは、当店の現在の方針に合致しています。引き続き、コストを掛けて売り込みを継続していきます。
◯フライヤー→前年比114%
・「フライヤー→大幅up」
・「中華まん→販売休止」
・「おでん→取扱い無し」
何も言うことはありません。販売金額も地区上位の数字を維持しています。
「高粗利」&「高付加価値」&「将来の伸び代」・・・どれを取っても、この分類を自店の強みにすることが、今後の淘汰の時代において当店が生き残る上での最重要な点です。
・・・えっ?・・・おでん?・・・さっき言いませんでしたっけ?現時点で見込みが無いものに投資する暇は1ミリもありません。「個人のこだわり」は、一片の価値もありません。いつかまた状況が変わり光が当たる時が来るかも知れませんが、それは今ではありません。
◯スイーツ→前年比113%
・「チルド洋菓子→大幅up」
・「チルド和菓子→大幅up」
・「チルド洋菓子NB→大幅up」
・「プリン、ゼリー→大幅down」
・「ヨーグルト→横ばい」
現在当店では、スイーツ売場を自店の強みにすることを目標に売場の改善に取り組んでいること、その取組内容や理由についても先月の記事で書きました。
取り組みを開始してまだ1ヶ月程度ですので、売場改善が成功したかどうかは未だ不明です。6月の数字は地区平均より10%以上の上ブレでしたので、取り敢えず1ヶ月はクリアです。引き続き、「コスト」を掛けて売場改善の取り組みを継続していきます。
当店における「スイーツ」は、フライヤーと同様に立地的に不利な分類です。しかしそれを理由に「強みに出来ない」と言うことは出来ません。フライヤーの数字がそうでは無いと私に迫ります。
売場改善に伴い「プリン、ゼリー」と「ヨーグルト」の売場を縮小しましたが、地区平均の数字と比較して大きく劣後している訳ではないことから、売場改善が理由で落ちている訳ではないと予想しています。加えて、この2つは「目的買い」の度合いが強い分類でもあります。一方で、2つの分類の売上構成比はスイーツ全体の13%ですから、最低限の売場スペースは確保していきます。
3.前年比downした分類
◯調理パン→前年比94%
・「サンドイッチ→down」
・「ロール→大幅down」
・「ブリトー→大幅up」
あまり良くありません。特に「ロール」の大幅downは危機感を感じます。
個人的には、「サンドイッチ」に将来の伸び代をあまり感じません。ペストリーと同様の見立てです。高付加価値を付けやすい商品とも感じませんし、買上点数を上昇させる要素もあまり無いと考えます。
一方で、「ロール」には将来の伸び代を非常に感じます。「高付加価値を付けやすい商品」という認識です。買上点数の上昇にはあまり貢献しないと感じる一方で、当店のロードサイドという立地を考慮すれば、行楽客やスポーツ関連イベントの客層の割合が他店と比較して高いことから、ある程度の投資をすべき重要な分類であると考えます。
ただ、客数と同様に、コロナがインフルエンザと同様の扱いとなりつつある現状でも、数字は上向いてきません。そしてこの客数の減少は、今後のトレンドとなりつつあるという見立てです。
・・・これは何とも言えませんね。地区平均と比較して大きく劣後している訳ではありませんので、サンドイッチは現状維持に努めつつ、ロールについては引き続きある程度の投資を続けながら、販売の数字を注視していきたいと思います。
今月は以上です。別記事で、非デイリー品についても書いてみようと思います。
先月の記事でも書きましたが、今は「変化」の真っ只中にいるとの認識です。その変化は販売数値に限った話ではありません。
当店の仕事の回し方、当店スタッフ自身の仕事に対する価値観とお客様の価値観、そしてフランチャイズにおける加盟店の利益の出し方に至るまで、変化の波が今まさに押し寄せている最中だと毎日感じます。親父オーナーとおかん店長、スタッフの一人である嫁、そして当店担当の本部社員まで、お互いに意見が衝突するのは当然の事と言えます。
そうした変化に対応するスピードは、図体が小さい者ほど速いです。だから本部が対応するスピードが遅いのは当然です。本部がすぐに動けないのなら、加盟店の自分たち、そしてその加盟店に最も近い現場社員の地区本部が先に動くしかありません。だってわたし、死にたくないんだもん。
数字を分析してみるのも、今すぐ出来ることの1つだと考えます。
それでは今日はこの辺で。
このクソッタレな世界と戦う皆様と明日もともに。
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