見出し画像

24時間営業を辞めたコンビニ〜7月の経営数値の動向〜

 皆さんこんばんわ、あやすけです。

 8月に入り、気付けばもうお盆も間近という時期ですね。この時期になると、「ロードサイド」という立地である当店の「雰囲気」は、普段とは少し変化します。

 いつもと同じお勤め人のお客様に混じって、お子様連れの保護者のお客様や、夏休み満喫中の若い年代のお客様のご来店が増える時期です。

 一言で言えば、「店内が大いに賑やかになる」時期です。普段も十分に「賑やかだ」と個人的には感じますが、この時期はより一層、賑やかな光景がレジに立つ私の目の前に広がる毎日です。

 
 「慌ただしい毎日を過ごしているオーラ」が店員にも伝わるお勤め人のお客様が少しでも早く会計を済ませようとレジに向かってくる一方で、元気が有り余っているお子様に親としての「愛のある怒りの鉄槌」を下しているお客様が店内でバトルを開始し、そのお隣で「いまこの瞬間を思いっきり楽しんでいます!!」という若い年代のお客様が本当に楽しそうに数人のレジ待ちに並んでいるその方を追い越して、ハンズフリーの携帯を耳に掛けて大声を発しながらレジに向かってくる大柄な外国人のお客様がレジに立つ私だけを見つめながら歩いてきます。


 「カオス」という言葉は、まさにこのような状態を言うのでしょう。

 
 ちなみに私は、このカオスな雰囲気が大好きです。

 
 ・・・でも、もしかしたら、24時間営業を辞めた当店だから、そのように感じることが出来るだけなのかも知れません。


 
 それでは、7月の当店の経営数値の動向です。


1.経営数値

◯日販
・前年比102.8% ・コロナ禍初年度比106.2% ・24H営業時比88.8%
◯客数
・前年比97.2% ・コロナ禍初年度比96.2% ・24H営業時比76.5%
◯客単
・前年比105.6% ・コロナ禍初年度比110.3% ・24H営業時比116.0%
◯買上点数
・前年比103.8% ・コロナ禍初年度比106.0% ・24H営業時比106.7%
◯人件費 売上比6.6%
・前年比100.4% ・コロナ禍初年度比110.5% ・24H営業時比105.3%
◯廃棄額 売上比4.8%(売価)
・前年同月3.7% ・コロナ禍初年度同月5.1%
◯利益 65万円
・前年比91.1% ・コロナ禍初年度比104.1% ・24H営業時比66.5%

※当店における時短営業開始時はコロナ禍初年度です


2.項目別の分析

◯日販
・前年比102.8%(102.8%)
・コロナ禍初年度比106.2%(102.8%)
・24H営業時比88.8%(90.3%)
◯客数
・前年比97.2%(97.1%)
・コロナ禍初年度比96.2%(93.2%)
・24H営業時比76.5%(79.7%)
◯客単
・前年比105.6%(106.0%)
・コロナ禍初年度比110.3%(110.2%)
・24H営業時比116.0%(113.3%)

※( )内は前月の数値

 「日販」は前年及びコロナ禍初年度と比較して上ブレです。この状態が数ヶ月続いていますね。上ブレした要因は「客単価の増」であり、対して「客数」は依然として下ブレしている状況が、同じく数ヶ月続いています。

 7月の「販売数値の動向」の記事でも書きましたが、当店の経営陣は「客数の減」を今後も続く「トレンド」と確定しましたので、この状態は今後もしばらく続くでしょう。

 
 以上のことから、今後の当店の経営における重要ポイントの1つ目は、客数の減という下向きの数字を、客単価の増という上向きの数字でどれだけ相殺し上乗せ出来るか。2つ目は、その上乗せできた数字が「経費の増加幅」と同等もしくはそれ以上とすることが出来るか、となるでしょう。

 前者の「客単価の増」については随分前から取り組んでいましたが、後者の「経費」については親父オーナーが方針を変更しました。コンビニ経営における経費は大きく分けて「人件費」と「廃棄額」となりますが、そのうち「廃棄額」を今後減らしていくこととなります。


 「人件費」については、最低賃金の上昇は今後も続くことが政府の方針であり、また人手不足に起因した人件費上昇の圧力も今後しばらく継続するという見立てです。つまり周囲の環境は「経費増」へ向いている、ということですね。

 それに加えて、そもそもの話ですが、「客単価の増」を達成するためには一定の水準で人件費を維持する必要がどうしても生じるというのが当店の考えですので、この部分の経費を削ることは本末転倒となります。

 一方で、「客単価の増」を達成するためのもう1つの柱であるべき「廃棄額」ですが、こちらも「人件費」と同様に、経費を削ることは本末転倒となるというのが当店の考えであることに変わりありません。

 ・・・詰まるところ、今後も重要とするべき2つの経費のうち、本意ではなくムカつくけども、片方の1つを削らざるを得ないという厳しい状況に現在の当店はある、という見立てに変更したとも言えます。 

 
 以上のことから、2大経費のうちの「人件費」についてはこれまでと同様に「売上比7%以内」を目安とする方針を堅持し、他方の「廃棄額」については、「売価で売上比4%」をまずは今後の目標として減らしていく方針となります。


◯買上点数
・前年比103.8%(101.5%)
・コロナ禍初年度比106.0%(102.1%)
・24H営業時比106.7%(103.4%)

※( )内は前月の数値

 「客数依存から客単依存へ」という当店のこれまでの方針は現在も継続中です。買上点数については、6月の数値は伸び悩みましたが、7月に入って数値は回復して再び上ブレしました。よって今後も、引き続き現在の取り組みを継続していきます。

 しかし一方で、国内の物価はインフレが進行しており、7月22日に総務省が公表した6月の消費者物価指数によると、分類の1つである「食料品」の数値は前年比3.2%となり、今後夏場には4%台まで加速する可能性が高いという分析もあるとのことです。

 当店の客単価の前年比105.6%という数値は「4%台」を超えていますので、現在の取り組みが結果にきちんと反映されているとも考えられますが、反対に日販の前年比102.8%という数値は「4%台」を下回っていますので、物価の上昇分よりも売上を稼げていない、成長していないとも言えます。やはりもう少し客数が伸びてくれないと厳しい状況ですね。

 買上点数については、今後も客単価を補完する数値として注視していきたいと思います。


◯人件費 売上比6.6%(7.2%)
・前年比100.4%(97.6%)
・コロナ禍初年度比110.5%(107.9%)
・24H営業時比105.3%(104.4%)

※( )内は前月の数値

 「売上比7%以内」という現在の当店の現時点での方針を達成しました。よって「良し」です。

 ちなみに、前月の記事と同様に、売上比7%という数字は他店と比較して「平均的な」数字だとの認識ではありますが、経費全般について「平均だから良い経営状態」とは素直に言えない側面が増えている、という見立てに変更はありません。


◯廃棄額 売上比4.8%(売価)
・前年同月3.7%
・コロナ禍初年度同月5.1%

 変更した今後の経営方針に基づき、今後はこの数字を「売上比4%以内」とする目標とします。今月はもちろん「アウト」です。

 
 ・・・昨年は達成しているじゃねぇかよ(笑)


◯利益 65万円
・前年比91.1%(102.3%)
・コロナ禍初年度比104.1%(54.8%)
・24H営業時比66.5%(47.1%)

※( )内は前月の数値です

 「65万円」です。それ以上の意味も、それ以下の意味もありません。

 経営者が満足できる、あるいは我慢できる、その相反するせめぎ合いの金額が、「あなたにとっての」適正と言える利益の額です。

 この金額が良いか悪いかは、皆さんで好きに決めて下さい。私も自分の好きなようにその善悪を決めます。

 ちなみに、これも前月の記事と同様に、「利益の数字を上げるのはいつでも出来る」という認識に変更はありません。



 それでは今日はこの辺で。

 このクソッタレな世界で戦う皆様と明日もともに。

 

 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?