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食べるふたり-食にまつわる往復書簡

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食べることに対して貪欲なアヤモと食べることの楽しみを見つめ直したいシュニチ。 食べたものの感想や自宅での調理で感じたことなど、往復書簡を通して暮らしの中の食の楽しみを見つける機会…
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2023年11月の記事一覧

#0-はじめに-

#0-はじめに-

食べることは生きていく上でとても大切なことだ。そして、わたしにとって食べることは日々の暮らしの中でも最大の楽しみだと言える。
食べたいもののためならば、いくらでも早く起きるし、遠くまで行くことも苦にならない。
辛いことや悲しいことがあったときは、美味しいものを1キロ分くらい食べて負の感情をチャラにする。実際にそこまで食べることは難しいのだけれど、好きなものを好きなだけ食べても良いという自分に対する

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#0-はじめに-

#0-はじめに-

私はひとりで食事をすることを好ましいと思う。お店に入り、人の目を気にせず食べたいと思うものを注文して、味や匂い見た目などをじっくり楽しむことができるからだ。
ひとりでの食事と同じくらい気の知れた人と食事に行くのも好きだ。表情や会話から食べたものに対してどう感じたのか想像することが楽しい。提供された食べ物は写真として記録することができるけれど、食の体験は食べものを口に運んでいる途中、直後その瞬間でし

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#2北新宿『伊勢屋食堂』で、疲れた身体に沁みるトマトの味(食べるふたり第3回)

#2北新宿『伊勢屋食堂』で、疲れた身体に沁みるトマトの味(食べるふたり第3回)

シュニチさん

一気に冬が来たような寒さに震える東京です。
シュニチさんからのお返事を読み終えた翌日のお昼に『味のタテハラ』のコロッケを想像しながらランニングをしてきました。

食べるときの「ハフハフ」という4文字には、揚げたてコロッケの魅力がギュッと詰まっていますね。
この寒さの中で食べたら美味しいだろうな、そんなことを考えて走っていたところ、偶然にも揚げたてのお惣菜が買える「町のお肉屋さん」を

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#1『味のタテハラ』のコロッケ、揚げたてをあなたに(食べるふたり第2回)

#1『味のタテハラ』のコロッケ、揚げたてをあなたに(食べるふたり第2回)

アヤモさん

最初のお手紙くださりありがとうございます。
好きなお店がなくなってしまうことはとても悲しいことですね。だからこそ、その時々の食事をしっかり楽しみたいなと改めて思いました。
店主の牡蠣や穴子、食材へのこだわりを感じれたのはとても良いことだと思います。牡蠣や海苔をのせたそばや穴子をのせたそばを食べたことがないのでとてもそそられてしまいました。何より、再びお店を訪れてそばを堪能することに食

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#1小伝馬町『田そば』の、忘れられない味は立ち食いで(食べるふたり第1回)

#1小伝馬町『田そば』の、忘れられない味は立ち食いで(食べるふたり第1回)

シュニチさん

毎年秋になると金木犀の甘い匂いに包まれながら家の前の道をランニングしているのですが、今年は走らぬままに金木犀のシーズンを終えてしまいました。
ここからは気温が下がり空気もきゅっと引き締まってくるので、私の怠けた気持ちも引き締めて、次の休みは久しぶりに長距離のランニングをしようかなと考えたりしています。
シュニチさんの住む京都は、まだ金木犀の香りが漂っていますか?

私の家から駅まで

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