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Ayane Tanizaki (谷崎文音)
2023年5月28日 09:18
机の上に置いてあるスマホに目をやると、タイミングよくメールが来た。『遼子先生と一緒にビルを出ました。今日は駅前にある立ち食いソバのお店に寄ります』 深雪からの報告を読み終えてすぐ帰り支度に取りかかろうとしたら岡田の声がした。「メール来たんですね」「ええ。今日は立ち食いソバを食べに行くみたいです、二人で」 机の向こうで書類の山を整理している岡田に目線を向けると、ほっとしたような顔をしてい
2023年5月27日 07:44
「遼子先生、チェックお願いします」 深雪の声が耳に入った。遼子は作業の手を止める。見上げるとすぐ深雪と目が合った。「これで今日のノルマ終了です」 向けられたほほ笑みにつられ笑みが出る。「じゃあ今日も定時で帰れるわね」「ええ。ということで、今日は立ち食いソバ食べに行きませんか? あの人気の……」 深雪が言っているのは最寄り駅にほど近い店のことだろう。「いいわね」「でしょう?」 深雪