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ていねいに、ゆっくり動く...その先に見えるもの(後編)

前編の続き。

前回は、交感神経が過剰に優位になった場合、目や脳の使い方どうなっているか...ということにまで話が及んだ。今回は、以下の1&2をまとめて説明したいと思う。

2020-09-23 6.46のイメージ

まずはカラダの筋肉や骨の話。

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 筋肉と骨、そしてそれらに伝達するための神経系、超ざっくりと私たちのカラダを動かしているものを並べてみた。さらに肌色の丸で囲まれているのは、近年ボディワーカーたちが注目している筋膜だ。上記のように、筋肉、骨、神経、内臓など各組織を保持&保護している、サランラップのような役割だと例える人もいる。そしてこの話は今回は置いておいて.....それぞれの役割も、以下にまとめてみた。

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 ここで大事なのは、あなたのカラダを支えているのは骨なのか?筋肉なのか?ということ。正しい答えも大切だが、まずは、自分の感覚が大切。それがあなたのいまの答えだ。ということでもう一度聞く。

あなたのカラダを支えているのは骨なのか?筋肉なのか?

正しくは、骨だ。

 あなたはどう感じていただろうか? 筋肉隆々になってカラダが強くなった!と一般的には思われがちだが、そんな人はきっと、筋肉がカラダの柱(とか鎧)だと思っていたのではないか? 筋肉は体重は支えるけど長くは無理だ。筋肉はそもそも収縮したできない。収縮し続けた結果が凝りとなって、問題が起きるのだ。その筋肉の過剰収縮が取れると、骨で体重を支えることができるようになる。そして、そのカラダを支える骨が美しく並ぶこと=アライメントが整うことが、いい姿勢ということだ。

 言い換えると.......姿勢が悪くなるということは、筋肉でカラダを支えるようになること。筋肉が疲弊して問題が起こり、カラダを動かすどころではなくなる日がいつか来るかもしれない。

筋肉は疲弊すると麻痺して感受性を失う

 さらに、2の話になるが、筋肉が収縮したまま硬くなったり故障したりすると、感覚が鈍くなる。残念ながら、しなやかで反応できるカラダからはほど遠くなってリラックスしてもらうために、私はよく「重さ」を感じてもらう。例えば腕の重さ.......そうするとほとんどの人がだらんと腕をぶら下げてくれる、まさかこここで、握り拳を持ち上げて殴りかかるような体制で腕の筋肉を収縮させる人はない。リラックスして、筋肉にゆるみを出す。そうすると、本来の、動かしたいたい内側からの筋肉から働くために、本来のパワーを発揮するための感受性を働かせることができるのだ。重力を感じるということは、骨の存在を感じることなのかもしれない。

そしてゆっくり動くことの、筋肉への影響は? 

  そして次は、筋肉の深さの話。アウターマッスルとは、基本的には体の表層部にある筋肉のことだ。物を持つ時や走る時など大きな力のかかる動作を行う時に使われる筋肉だ。インナーマッスルは身体の深層部に存在する筋肉とされている。動作の初動に収縮して背骨や関節を安定させ、怪我を防ぐ。そして少ない労力で働くので、持久力と姿勢保持にも貢献している。

 そしてこのアウターとインナーの動く順番だが、インナーと呼ばれるゆえに、インナーは骨に近い場所ある。だから、動き始めの時にまずはインナーで背骨や関節をしっかり安定させてから、アウターで大きな筋肉を連動して動かしていくというのが、動きの理想だ。インナーを使わず関節を安定しないまま、アウターで大きな動きを続けていくと、関節付近の痛みや故障につながる。早い動作では、この連動が難しく、ゆっくり意識して動けば動くほど、安全な動きが可能なのは想像できるだろう。

 また、可動域を広げたいと躍起になって動いていると、このインナーマッスルを使わず、関節から骨をはずしたまま動きがちだ。昔は私もその傾向があったが、いまや、無駄にやわらかすぎて関節から骨が外れていく傾向にあるので、いつも「引き寄せ」る感覚を持ちながら動くようにしている。そうするとあら不思議......動きが必然的にGENTLEになる。自分の手や足をぽんぽん放り投げていては、レディへの道は遠ざかるばかりなのだ。

自分のカラダに優しくすると、他者へも優しく手を左飛のべたくなる気持ちになるよ。


ということで、

今日の参考図書

特に、文化人類学者の辻信一さんのスローイズビューティフルは、もはや思想書。20年前に書かれた本だが、また共感する人が増えるのではないかと思う。私がこの本に出会ったのは、8年くらい前か。那須のSHOZO CAFEに置いてあった本を手に取り、夢中になって読んだ。目の前に座っているボーイフレンドなんてそっちのけで。「なんのために生きてるんだろ」そんな言葉が脳裏をよぎり、生き急ぐ私に、待った!をかけてくれた。あの瞬間、きっとお別れは決まったねw  ありがとう!

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