あやな

思考海 酸素不足の心地良さ 目を見開いて とぷとぷ沈む

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最近の記事

朝五時の流れ星

夕食を食べ終えた頃、テレビのニュースから「しぶんぎ座流星群」が見られると聞こえてきた。今夜は新月で雲も無いので絶好の観測日和だという。極大時刻は朝の五時。1時間に30個も見えるらしい。流星群のニュースは定期的に見かけるけれど、一度も見たことはないし、見ようとしたこともない。このあたりではどうせ見られないだろうと思っていたし、真夜中まで起きていることも、夜中に起きることも苦手なので諦めていた。 でも今回は、天気の条件に加えて、自分の条件も整っていた。というのも、最近はお年寄り

    • 詩と、ラジオと、短歌

      いつも読んでいるメルマガで紹介されていたのがきっかけで、詩人である最果タヒさんのインタビュー記事を読みました。 短歌やおしゃべりの配信に対してぼんやり思っていたことと重なるところがたくさんあって、答え合わせで正解していた時のような気持ちになっています。 今のネットも、日常会話もそうですが、人にどう見えるかということを意識してしまうと、どんどん言葉が自分を簡略化していく気がするんです。自分っていうものを四捨五入してわかりやすい数値に変えていく装置になってしまうというか。

      • 不連続で不可逆な速すぎる社会への何か

        昨日聴いたこちらのPodcast。 一言で言うなら、「それな」。それなそれなとずっと心の中で相槌を打ちながら聴いていました。その「それな」の中身を少し自分の言葉で書き出したいと思います。 "なんとか2.0とか3.0とかいうけど、コンピュータのOSやソフトの比喩で自分たちのマインドの世界を理解して本当にいいのか" なんとかX.0みたいな表現の仕方を最初に目にしたのは"Industry4.0"だったと思う。調べてみたらドイツでこれが言われだしたのはもう10年近く前。ここ数年

        • 渋谷紀行

          ひさしぶりに渋谷に来た。 少し時間があったのでPARCOにでも行こうと、スクランブル交差点で青を待つ。背後の広場ではマスクをしていない集団が支離滅裂な説明で同調圧力への抵抗を訴えている。そして、そのさらに背後にあるはずの「緑の電車」がない。「ハチ公前」で待ち合わせると合流するのが面倒だから、私が場所を指定する時はいつも、ハチ公前の緑の電車のところで、と言っていた。そういえば、どこか地方の街に移されたとネットニュースで見た気がする。 信号が青になる。視界の左端で「ワ ン ピ

        朝五時の流れ星

          【私信】詠うLIVE延長戦

           この記事は、「短歌の練習」の投稿で印象に残っている短歌についてのアンケートを取った際に、「歌を選んだ理由を教えて下さい」とした欄に頂いたメッセージにお返事をするものです。先日Spoonで配信した「詠うLIVE」で最後に時間が足りなくて紹介しきれなかった分です。個別の歌へのコメントはLIVE内でご紹介しておりますので、覚えがあるぞ!って方はよろしければこちらをご確認ください。コメント欄にタイムスタンプを残しています。 https://www.spooncast.net/jp

          【私信】詠うLIVE延長戦

          2020年

           旅行はキャンセルになってどこにも行けなかったし、友達とも家族とも全然会えてないし、仕事はあまり嬉しくない理由で忙しくなるしで、悪いこともたくさんあったのだけど、それでも、社会人になって以来、一番楽しかったと言える一年でした。おしゃべりの配信を始め、短歌を始め、仕事にも少しの前進が見えました。  これまで私は、もし人生にプラスの出来事とマイナスの出来事がプラマイゼロで起こるというなら、波は小さいほうがいい、プラスの出来事が減ってでも、マイナスがないほうがいいとずっと思ってき

          2020年

          「科学を短歌によむ」

          地質学者である諏訪兼位先生の「科学を短歌によむ」を読みました。諏訪先生の歌と、いろんな科学者の歌、歌の背景が収録されている本です。 染色体ふたつにわかれゆく午後はカーミンの紅はつか滲みぬ【三好みどり/歌集「律速」】 こういういかにも<<科学!>>な場面の歌がたくさん読めるのかなと思って手に取ったんだけど、実は全体のごくわずかで、科学者が自然や日常を詠んだ歌がほとんどでした(ちょっと物足りなかった)。気になった歌をここにいくつかメモしておこうと思います。 砂漠砂は回転楕円

          「科学を短歌によむ」