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【私信】詠うLIVE延長戦

 この記事は、「短歌の練習」の投稿で印象に残っている短歌についてのアンケートを取った際に、「歌を選んだ理由を教えて下さい」とした欄に頂いたメッセージにお返事をするものです。先日Spoonで配信した「詠うLIVE」で最後に時間が足りなくて紹介しきれなかった分です。個別の歌へのコメントはLIVE内でご紹介しておりますので、覚えがあるぞ!って方はよろしければこちらをご確認ください。コメント欄にタイムスタンプを残しています。

https://www.spooncast.net/jp/cast/2325754?utm_source=spoonshare&utm_medium=cast&utm_campaign=2325754

では、お返事していきます!

画が浮かんで、かつ自分の記憶と合致した歌……ですかね🤔?

 わずかな文字列から自分の記憶が呼び起されるのは短歌の醍醐味ですよね!私が詠うラジオというCASTで紹介しているのはまさにそういう歌が中心です。投票で「オレンジの街灯3つ吹き消してあの日のケーキの上で踊ろう」にも入れて頂いていましたが、特にこの歌に記憶のリンクを感じて頂けたなら嬉しいです!


075 きっと私は知らない曲ね ←すごくよくわかる!他に選んだ短歌は数字があることで4次元の世界観を感じる!

 数字から4次元を感じるという表現になるほど~と思いました。見返してみると、特に時間の数字を使っている歌がちらほらあるんですよね。「15分の1秒」「二百二十四日」「7歳」…。時間の流れが表現しやすいのは、短歌も含めて、文字を使う芸術の特徴かもしれません。


あやなさんのトキメキや想いが垣間見得てきゅんです。

 「トキメキ」を見つけて、捕まえて、閉じ込める、っていうことを(特にポジティブな)短歌ではしているなと思います。実は、今年に入ってから雑誌やテレビへの投稿にも挑戦しようと思って、色んな媒体で募集されているテーマで歌を作ろうとしたりしてるんですけど、めちゃめちゃ難しいんです。詠むときにトキメキが先にあるんじゃなくて、そのテーマから連想ゲームをして過去の体験からトキメキを思い出さないといけない、ってところに難しさがあるんですよね。投稿も頑張りつつ、これからも今のトキメキから作っていきたいなあと思っています。


あやなさんの言葉選びやリズム感が好きで、決めきれなかったのですが、自分の中で新たな視点を得られたと感じられた歌、当たり前なはずの風景にはっとさせられた歌を選びました…!

 新たな視点、はっとするものに惹かれるのには共感します!他の人の短歌を鑑賞するときは、特にそういうポイントで見ちゃいますね。票を入れて頂いたものの中ではいきものがかりの歌が1番分かりやすくそういうことができたかなと思っています。リズム感は、自分ではあんまりないと思っています…。短歌という定型のある詩のいいところは、リズム感がなくても57577にノることで、リズムが勝手に生まれてくるってことだなと思います。あと、このコメントには短歌を1首つけて頂いているんですが、これは、私の中で大事にとっておきますね!短歌の三十一文字っていう場所はすごく狭いんだけど、その向こう側にすごく広い空間が広がっていることに、気付いて頂けたのかな、嬉しいな、って感じました!


あやなさんにしか詠めない視点、言葉の美しさが際立っているものを選ばせていただきました。(あれもこれも良かったといっぱい押してたら5個以内にしろと注意書きが登場しました……)

 言葉の美しさをつくるのって難しいですよね。何を美しいと感じるかは人それぞれではありつつ、日本語に対して日本人が持つ共通認識みたいなのはそれなりにありそうだな、というのはぼんやり感じていますが、ちゃんと理解するにはまだまだ時間がかかりそうです。他の方の短歌を鑑賞するときは視点の新しさをどちらかというと重視していますが、自作の中で気に入っているのは、視点よりも美しくできたという自信があるものの方が多いなと、このコメントを読んで気付かせて頂きました。(数制限、ごめんなさい!次があればもう少し緩くします笑)


全ての歌において言える事なのですが、ふとした一瞬の切り取りがとても上手だなあと思っています。選ばせて頂いた5首は、特にその切り取りが素敵だなあと思うものです!その瞬間の様子が、映像として脳内で呼び起こされ、それだけでなく味覚や嗅覚までも刺激されるような、そんな素敵な作品でした!!多方向からの切り口で、いつも楽しませてもらっています!!これからも楽しみにしています☺️☺️

 楽しみにして頂きありがとうございます!味覚や嗅覚を刺激されるって仰って頂けるのは嬉しいです。短歌のいいところは、景色だけじゃなくて音だったり匂いだったりも含めて、立体的に思い浮かべられることだと思っています。VRみたいな最新技術を使わずともそれをやってのけるのが短歌だなと。時間も越えちゃいますし!私は一応理系なのもあって、科学の発展にはそれなりにロマンを感じているんですけど、すでにテクノロジー顔負けの手法がここにあると思っています。


あやなさんの短歌を初期から見守って、投票に参加させていただいてきた身としては、あやなさんの心境の現れと同時に当時の自分がどの歌に寄り添う心持ちだったのか、というのを振り返ることができ、とても貴重な体験をさせて頂いてます(*´ー`*)
後半になるにつれ、どんどんあやなさんの思考の切れ端や生活の隙間が滲み出ている歌が増えたように思います。自由度が増したというか( ˊᵕˋ )
誰にでも分かるようなリズム良い歌も分かりやすくて好きですが、少し考える時間が必要なあやなさんならではの歌や、背景をどんどん想像させられるような余白の多い歌も、個人的には大好物です*°♡

 私が嬉しいばかりじゃなくて、投票を楽しんでいただけたなら嬉しい限りです!自分で見返すと、初期は今以上に見よう見まねだったので、ホームランもあるけどファールも多い(笑) 余白をどう作るかは、歌人によっても結構違うということを最近感じています。真っ白な背景にコトンと置かれた歌もあるし、ボンヤリした世界の中でほわほわ光る歌もあるし、写実的な世界を写真のように切り取った歌もあるし。今は、詠みたいことがあったときに、それを一生懸命57577に入れ込んで、結果として余白が上手くできたりイマイチだったりしているのですが、うまくコントロールできるようになりたいなあって思います。


 お返事は以上です。たくさんの投票とコメントを本当にありがとうございました!このアンケートとLIVE配信で頂いたエネルギーを糧に、今年も短歌を続けていきます。


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