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とあるしあわせ者の話


世界で1番しあわせかも、
あなたがそう感じる時は、いつですか?

わたしは、こんなとき

久しぶりの晴れた日に、
運転して帰ってきた
「おかえり〜!」
にこにこの笑顔で階段を降りてくる母
「ただいま〜!」

もう、すでにいい匂い
中に入って鶏肉、レタス、にんじん、ちくわ、ナス、そしてワイン
「今からつくったら遅くなるけど、いーいー?」
「もちろん〜、久々の家庭の味〜」

私は最近旅に出ていたから、
こうやって家に帰って夜ゆっくり過ごすのは久しぶり。だから、いわゆる家庭の味が、久しぶり。

着替えて、しばらく片付けしたり、今日こんなことがあってねー、と話したり。

「もうすぐでできるよー。」
今日はどの器にしようかな〜っと
ちょっと口角を上げながらにまにまする母


ご飯ができた。
「あーちゃんご飯よそってー」
「はーい」
「今日そんなに多くは食べれんかも」
「じゃあママの多くして〜」
「はーい」

汁がこぼれそうになりながらよそった
おっとっと、となりながら、
テーブルに一皿ずつおく

「今日なにみるー?」
「えー、なんでもいいよ」
「じゃあ、初恋ね」
「え、ママもそれ思った」
「(笑)」
「最終回からいっちゃうか」
「おけ」

『初恋 first love』はもう一周して、2度目。
最終回のあのシーンがみたい、と最終回から再生。


もぐもぐ、
じーっ









流れるエンドロール
「あーーーーーーー、さいっっこうだった」
「いや、ほんとに」
「あのシーンのさ…








私は
世界で1番しあわせかも、
そう感じた。

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