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瞳、曇りのち晴れ

今、県立図書館にいる
本をかかえてふらふらと歩いていたら、
110cmくらいかな
ちっちゃな小学生はいりたてくらいの女の子と目があって
くりっとした大きな目でこっちをみつめている

ん?どうした?なになに?
と思いながら、にこっとして、振り返って歩き出す




てくてく



しばらくして振り返ると、
またおんなじあの女の子
あれ?まただ
純粋無垢なにこっと笑顔を向けられて、
どうしよう、可愛すぎると思いながら
にこっとして、振り返ってまた歩き出す



てくてく



うん、もう間違いない
またまた、あの女の子
「どうしたの?」と声をかける
「なにもないよ〜〜」
「そっか、じゃあまたね〜!」



図書館の本を返そうと外に出ようとしたとき
階段のそばにまたまたまた、あの女の子が
もう、これは声をかけちゃおう

「なになに、どうしたの?」
「お姉ちゃんお名前なーに?」
「あやな!あなたは?」
「くりすてぃーな!」
ん、ハーフ!?どうりで可愛いわけだ。
「何歳?」「小学校一年生!」

遊ぼ〜!って声かけてくれて
ソファに座った。
「本重いからここおかんか!」
ばりばりの金沢弁。同じ匂いがする。


しばらくじゃんけんしたり、
いっさいにーさいさんさいよんさい、のあっち向いてホイをしたり
しり文字、変顔、可愛い顔
そして小学校のお話までしてくれた
まさっていうお兄ちゃんがいるんだって
サッカーが本当に上手で、くりすてぃーなちゃんも教えてもらってるって
素敵なお兄ちゃんだね、かっこいいね


そうこうしているうちに
お母さんが迎えにきて
「あやなちゃん好き〜!またね!
まさにもあやなちゃん紹介する!」
と言って、全力笑顔と全力で手をぶんぶんして
嵐のように去っていった。
ほんと、図書館での一瞬の20分







もう、すぐに感じたのは、
まっすぐな目。


この子、
ほんとうにまっすぐで素直な目をしている。
そして、愛嬌があって、でもこの年からでも芯を感じて、強くてかわいい女の子。
なんだか話していると、こっちまで浄化される感覚だった。
こんなに心が浄化される気分になったのは、いつぶりだろうか。
こんなにしあわせな世界があったのかって再確認。
なんてこどもって素敵なんだろう。

そう思った。







生きるために今のうちに理不尽に慣れなさいとか
ビジネスのためにこういう本を読みなさいとか
大学生のうちは真面目な恋ができないとか
大人になるにつれて、
綺麗なはずのものが綺麗にみえづらくなっていく


最近そういうことに目を向けなければいけない機会が多くて
自分の目はもしかして曇っていたのかもしれないなと感じた。







あの子のキラキラした目、忘れられないな。
6歳のあの子と、21歳のわたし
メガネの曇りならば、すぐ気づいて、はずして、ふくことができるけど、
内側の瞳の曇りは、なかなか自分では気づくことができない



けれど
あの子のまっすぐな眼差しで、
こころも、私の瞳も
洗われた









どんなに月日が経っても
きらきらした瞳で
くだらないことや夢を語り続ける
大人でありたい



いろんなものこれからも見続けて
いろんな人と出会っていくこの瞳に
光を灯し続けたいな


そして、
次は誰かの瞳の曇りも晴らしちゃうくらいの
まっすぐな生き方をして、
その力を瞳に宿せられたら、な、












ぱちり。

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