元気な身体が恋しくなってしまう【妊娠35週】
入院して2週間が過ぎた。妊娠35週を迎えた。
まず、この週数を無事に迎えられたことにホッとしている。
突然の切迫早産の診断からの怒涛の入院生活。MFICU(母体胎児集中治療室)にずっと入院していたのだけれど、ここにいられるのも2週間までという決まりがあるので、ようやく一般病棟に移ることになった。
入院してからずっと腕に刺さっていた点滴も、ようやく外すことができるようになって、両腕の自由が利くようになった。外すことができるようになったというより、途中でわたしの腕がもたなくなってしまったので、当初の予定よりも前倒しで外さざるを得なくなったと言った方が正しいかもしれないけれど。
点滴が痛すぎて片腕で生活していたのだけれど、そんな不便を味わったからこそ、両腕が使えるってこんなにも快適なのかと、しみじみしている。顔を洗うのも、鼻をかむのも、ご飯を食べるのも、片腕だと本当に不便だった。特に利き腕に点滴が刺さっていた時なんかはその不便さに拍車がかかっていた。
当たり前に健康に元気に過ごしていた時は、自分の身体が自由なことになんのありがたみも感じていなかったけれど、こうして何か不調が起きて初めて、「健康って大事だなぁ」ってしみじみ思ってしまう。何かある度に”健康だったあの頃のわたし、その状態に感謝すべき”って毎回思う。
お腹の張り止めの点滴が内服薬に変更になった。点滴と内服薬ではお薬の量が全然ちがう。24時間体制で直接点滴としてお薬が入ってきていたのが、1日3回の飲み薬に変更になったので、両腕の自由と引き換えにお腹が痛くなるという現象が起き始めた。定期的にお腹が張る。それに伴う痛み。お腹が張ることによって膀胱が圧迫されて、トイレの頻度が増えた。夜中に目が覚めるのは今まで2回くらいだったのに、内服薬にしてから5回くらい目が覚めるようになってしまった。ちゃんと眠れている自覚がない。
全てがまるく収まるわけもなく、全部が調子よくなるわけでもなく、何かが自由になったらその分何かが不自由になってしまうんだなってことを実感している。
1日に何度か、お腹の赤ちゃんの心音チェックのために機械をつけられるんだけど「入院した時よりもお腹大きくなってきましたね~」って声をかけられるようになった。わたしは毎日自分のお腹と向き合っているので、全く自覚はなかったのだけれど、やっぱり大きくなったらしい。そうなんだ~くらいにしか思っていなかったのだけれど、一般病棟の新しいお部屋に移動して、鏡で自分のシルエットを横から見た時「あれ?こんなにお腹おっきかったっけ???????」って自分でびっくりしてしまった。このお腹の大きさはアニメの世界よ。現実にこんなことが起きるんだ、というか、自分の身体がこんなことになるんだという驚き。
わたし自身の体調の変化とか、苦しいとか辛いとかしんどいとかは本当にたくさんたくさんあるんだけれど、お腹の中の子は一生懸命成長している。本当に、ここまでよくお腹の中におさまっててくれたね、という感じ。あと1,2週間ほどで臨月を迎える。どうかそれまであと少し、お腹の中でゆっくりしててね。わたしのお腹、狭いかもしれないけれど、あと少しの辛抱だから。と、日々思っている。
過ごし慣れた個室から、一般病棟の2人部屋に移った。他人と同じお部屋って大丈夫かな、とか、何かと不便だったりして、とか思っていたのだけれど、今のところ特に問題なく思ったよりも快適に過ごせている。そういえばわたしはゲストハウスもドミトリーで寝るし、夜行バスでも全然寝れるタイプだし、シェアハウスに住んでいたこともあるから他人と共同生活にも慣れている。そもそも全然平気なタイプの人間だったわ。
いよいよ、お腹の子が生まれてくるまでのカウントダウンが始まった。
お産、不安が無いかと言えば嘘になるというか、もはや不安しかないのだけれど、近づいてくるその日に向けて、今はゆっくり休もうと思う。
そんなわけで、今日もおつかれさまでした。
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