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こうした小さな出来事の積み重ねが

緊急地震速報の大きなアラーム音で目が覚めた。

わたしのスマホからも、夫のスマホからもけたたましい音が鳴り響いた。外では、防災無線が緊急地震速報を伝える。「大地震です、大地震です」。そんな無線を聞いたのは初めてで、身構えた。

夫は咄嗟に、敷布団にしていたマットレスを被って、そのまま娘ちゃんの上に覆いかぶさった。

一方わたしはというと、隣で眠る娘ちゃんと、その上に覆いかぶさる夫のそばに、そっと身を寄せるくらいしかできなかった。

結局、わたしの住む地域は揺れなかったけれど、緊急地震速報が鳴ってからの瞬時の夫の行動に「すごいなぁ」とただただ思ってしまう自分がいた。

わたしは、寝ていたところから目を覚ますで精いっぱいだった。「え!」と思って起きて、「え!え!え!」と思っているうちに、時は過ぎていった。あの時、本当に自分の住んでいる場所で大きな地震が起こっていたら、無防備なわたしはもしかしたら助からなかったのかもしれない。

そんなわたしの代わりに、瞬時に身を挺して娘ちゃんを守ろうとしてくれた夫。かなわないなぁと思う。

夜ご飯を準備している際、うっかり手を滑らせて食器を割ってしまった。自分が食器を割ることなんて滅多にないものだから、ものすごくショックを受けた。

しかもそれだけではない。わたしが割ったのは、自分の食器ではなく、夫のもの。しかも、先月長崎の波佐見町で開催された波佐見陶器市で、夫が唯一自分で買ったもの。まだ使い始めて1ヶ月も経っていない、夫用の陶器のおひつの蓋だった。

「やってしまった」と思い、片付けた後すぐに残業している夫にLINEを送った。

「おひつの蓋、落として割りました!ごめんなさい!!!!!」

それに返ってきた言葉は、

「ケガなかったか?破片飛び散ってへんか気を付けて掃除してね」

だった。

帰宅した夫にもう一度面と向かって謝った時も「いや~短命やったな~」って笑ってるだけだった。

多分、わたしが夫の立場なら同じような反応をするのだろうけれど、それでもやっぱり、何も怒らずに、わたしのことも責めずに、あっけらかんとしている姿になんだか救われた気がした。

今日は、朝から夜まで、なんだか「夫にはかなわないなぁ」と思う日だった。なんでもないことかもしれないけれど、こういう小さなひとつひとつがあるからこそ、「この人のことを信用できる」のだと思うし、「この人と結婚してよかった」のだとも思う。

これからも夫のことをありがたがりながら生きていこうと思う。


そんなわけで、今日もおつかれさまでした。


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