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ポジティブ心理学でウェルビーイングな日々を・3「感謝することは最もパワフルな方法=あの人に手紙を書いてみよう!」

前回、私たちの幸福感に40%の影響を与えているのは、
「自由意思による行動」だということをお伝えしました。

幸せでいる・良い気分でいる・ご機嫌でいる方法のうち、
最初にお伝えするこの方法こそが、最強で、パワフルで、
なんなら、これひとつでいいんじゃないかとすら思えるほどだけど、
そう言っちゃうと、このコラムが3回目にしてもう終わっちゃうな。


その方法は「感謝する」です。


感謝するなんて、当たり前のことと思うかな?
感謝しなさいなんて、説教じみていると思うかしら?

でも、感謝できることに目を向けると、
心が穏やかになるのは、私も実感しているんだ。

だからまず、私がやっていることを紹介するね。


朝起きたらカーテンを開けて、
神棚に「おはようございます。ありがとうございます」って挨拶をする。

夜にも、神棚に「今日という穏やかな日を、ありがとうございます」って挨拶をする。

ふと目にした数字、デジタル時計とか、車のナンバーとかが
ぞろ目だったら、「ありがとうございます」っていう。
深い意味はないんだけど、感謝を思い出すスイッチにしている。

私は、神社巡りという渋い趣味を持っているんだけど、
神社に行くのが好きなのも、神社という空間に身を置くと、
自然と感謝の気持ちが湧いてくるからなんだ。
何かモヤモヤしたり、つらいことがあったときも、神社に行く。
すると、心が凪ぐ。感謝できることを思いだせる。
謙虚になれる。

あ、そうだ、朝、顔を洗っているときにも、
「ありがとうございます」って言ってるなぁ。
水がない世界って想像すると、すごくこわくない?
清潔な水が水道からジャブジャブ出てくるって、
すごく贅沢なことだと思うの。

身体がどこも痛くない、つらくないっていう日も
ありがたいよねぇ。
ときどき病気したり怪我したりすると、
つくづく健康ってありがたいなぁって実感する。

晴れた空とか、きれいな雲とか、さわやかな風とか、
緑の葉がキラキラと日に煌いていたりとか、
花びらが風に舞っていたりとか、
そういうものを見たときにも、ありがとうって思うよね。

そして何より。
子どもがそばで息をしていて、笑っていて、ふざけていて、
元気そうにしていることに、10年間、慣れることなく、
毎日ありがたいなぁって思うよ。
「快楽順応」の話を前回したけれど、
子どもが生まれて生きていることの奇跡に、
慣れたことって、一度もない。
毎日、じっと顔を見て、目から鱗が落ちるような思いで
「なんて可愛いんだろう」って思う。
10年前はいなかったのに、
いま、ひとつの身体、ひとつの人格、ひとつの知能、ひとつの心を持って、
私が生んだのに、もう私より強かったり、賢かったりすることに
毎日、驚いている。
夜、ベッドに並んで寝ながら、隣で穏やかに呼吸をしてくれていることに
心からありがとうって思う。
この子を生かしてくれている世界にも。

旦那がいてくれることには、慣れっぱなしなんだけどねぇ。
四半期に一度くらい、反省をして、優しくしよっと思うけど。


一番深々と感謝に身を置くことができたのは、
四国八十八箇所を歩き遍路したときだと思う。
頭が真っ白になるくらい、つらい歩きの先にあるのが、
必ず「感謝」なんだ。
ときどき、人が見ていたら引くほど泣いてたもん。
なんか、ありがたくて、ありがたくて。
両親がここまで育ててくれたこととか、
歩ける足があることとか、
心配してくれる人がいることとか、
そういうことが、泣けるほど、ありがたく感じたんだよね。
あの頃、ゴチャゴチャした思いにたくさん囚われていたんだけど、
歩きながら全てが削ぎ落とされて、
その先に辿り着いたのが、「感謝」だった。


感謝することって、
「人生に欠けているもの」ではなく、
「いま、自分が持っているもの」に焦点を合わせること。

幸せがすでに自分の中に、
自分の周りにあるって、気づくこと。

物事を大切に味わい、
それを当たり前だと思わず、
現在(いま)に価値を置くこと。


「感謝することで怒りや嫉妬が溶けてなくなり、
恐れや防御心が減少する」と、心理学者も語っています。

確かに。
イヤな気持ちになっちゃったときに、
感謝できるものを思い出すと、
すーっと楽になる感じがする。


感謝感謝っていうけど、
具体的にはどうしたらいいのなぁと思う人のために、
ポジティブ心理学の学者が、
実験を通じて効果を確かめた方法を紹介しておくね。


①「感謝日記」をつける

ささなことでいいんだって。
ただし、心から本当だと思っていることにすること。

頻度は、週に1度が最も効果的だったらしい。
週に3度つけさせられたグループは、
つけなかったグループと同じくらいの幸福度、
つまり効果が出なかったんだって。
「やらされ感」が出ちゃって、感謝するということに
新鮮味が薄れてしまったらしい。


②新鮮な方法をとる

感謝することが惰性になってしまっては、
余り効果がないみたいだね。
感謝する対象を色々変えてみるといいんだって。
人、もの、出来事、環境、辿ってきた人生、目の前の景色、
対象は色々あるよね。


③直接、感謝を伝える

誰かに、会って、電話をして、手紙で、
直接「ありがとう」を伝えてみよう。

結婚式で、花嫁が両親に感謝の手紙を読むよね。
あのイメージ。

とりわけ感謝をしている相手がいても、
なかなかそれを直接伝える機会ってないものだよね。
照れくさいしね。
身近な人だと、特に。

これは本当に照れちゃうし、恥ずかしいんだけど、
最も効果がある方法なんだって。

「感謝の訪問」をした実験の参加者は、
最も幸福な気分になるだけでなく、
その1週間後も1か月後も、
幸福な気分が続いていたとのこと。
本当にパワフルな方法なんだよー。

どうしても恥ずかしくてできない!という人にも朗報。
「感謝の手紙」を書くと、それを実際には渡さなくても、
幸福感はかなり高まるそうです。
やはり週に1度、定期的に、誰かに感謝の手紙を
こっそりでいいので書いてみる。
それだけでもいいんだよ。


さて。
最後まで読んでくれて、ありがとうね。

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※このコラムは主にポジティブ心理学に基づき、
幸せでいるためのエビデンスに基づく方法を紹介しています。
※ポジティブ心理学の分野では「Well-being」を高める方法が数多く研究されています。

※今回のコラムの参考文献:「幸せがずっと続く12の行動習慣」ソニア・リュボミアスキー著

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