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私だけの「知」を生きる

ジャケ買いが得意だ。予備知識が何もない状態でも「こ、これは!」というアタリを高確率で選べる。
得意分野は、ワインとお菓子。
おかげで、リーズナブルかつ美味しいものにたくさん出会ってきた。
下調べなしで旅先のお土産を選ぶのも得意。

美味しいものは、美味しいカオをしている。
作っている人の、売っている人の密かな自信が感じられる。
それに、美味しいものを作る人は、カオの大事さもよくわかっている。

そこで、ヘッダー画像の本。「神田ごくら町職人ばなし」坂上暁仁著。
表紙に一目惚れで買った漫画。

本は普段、ほとんどジャケ買いしない。
小説ならバラバラと中身をめくれるし、始めの何ページかは読んで、一緒に帰る気になれば購入する。
そもそも、本の中身の情報はネットにあふれるほどあって、何も知らない本との出会いの方がむずかしいぐらい。

特に目的なく駅の本屋に立ち寄り、通りかかった漫画コーナーで、棚に戻し忘れた様子で平積みの上に無造作に置かれていた一冊。

まず、絵が単純にきれい。葛飾北斎の木版画みたいな伸び伸びした描画と淡い着色。

この絵から、江戸時代、職人、という私の大好きジャンルをかぎとる。むむっ、この題材を漫画に選ぶなんて、渋い!
しかも、職人はキリッとした女の人!?
カッコ良すぎる!

そうして、出会ったこの漫画、期待を裏切らなかった。
今回も、ジャケ買い大成功だ。

私は知識を文字からインプットするだけでは、満足できない。
食べたいと思ったら、食べる。
見たいと思ったら、見に行く。

自分の目で、耳で、口で、手で確かめたいのだ。

そのもの、場所、出来事を直接体験した「私が、何を感じるのか。」

自分の足で、自分を運び、やってみて検証する。


職人の「いい塩梅」、体で覚えた知恵は、自分の身体全部で試して獲得していくもの。

私がいつも追いかけている「知」は、職人の「いい塩梅」のようなもの。

ネット検索や、本を読むだけでは手に入らないもの。



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