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2019年4月20日長野県戸隠神社で、いつもの自分に会った

去年の今、私は長野県の戸隠神社にいた。その時に誰かから「一年後のあなたは家にこもりきりだ」と言われても「ウソやん」と信じなかっただろう。現にそうだけど。

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最寄りバス停近くの鳥居から入った参道。雪解け水がきれい。

参拝客の中には年配の人も小さい子連れの親子もいて、参道は約2キロ。スニーカー履き、九州人の私でも余裕だ〜🎵と思っていたけど、ここはようやく雪解けの始まった長野の山の中。デコボコとアップダウンもある、良くてぬかるんだ泥道、悪いと雪と氷と水でツルツルした道がえんえん続く、往復2時間の軽い雪山登山だった。奥社の近くは道からそれると膝まで雪に埋まってしまう。気を抜けばすぐに滑る、転ぶ。体のあちこちを強打して、靴はすっかり濡れてしまった。

引き返そうにもここまでやってきた大変さを考えると引き返したくない、登れば登るほど同じだけ降りなくてはいけなくなる。進むのも戻るのもいやだ。

下調べ足りないぞ私!しかも体力も根性もなさすぎ!

それにゴールまでの道のりの長さ、むずかしさがわかるとすぐに面倒くさくなってあきらめて…

これって、いつもの私そのものじゃん!

何度も何度もけがする一歩手前ぐらいのレベルで転んでいるうちに、いつのまにか、家族の待つ家へ無事に帰りたい、そのためには確実な次の一歩を、とだけしか頭になくなった。

 昔、ここ戸隠神社では修験道がさかんで神通力を身につけるために命を懸けた厳しい修行をしている人たちがたくさんいた。その人たちも地上では見て見ぬ振りできる、一番見たくない自分の影の部分とじっくり向き合っていたのではないか。

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戸隠ではどこにいても山が見えて、雪解け水が流れる音が聞こえていた。

いたらない自分もここにいていいと、言われている気がした。



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