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すこし疲れた時に読む

いつも飲むコーヒーを、


めちゃくちゃ丁寧に淹れつづけてみる


円を描くように

ゆっくりゆっくりお湯を注いでみる



そうすると、おいしくなるのはもちろん、


ふわっとわたしのすきな香りが立ちこめてきて


お湯がすうっとしみこんで


コーヒーが一滴一滴したたる音に


喜びを感じるようになり



お湯の注ぎ方や姿勢で、その日の自分が焦ってるか、落ち着いてるかどうかに気づくことができるようになる。


朝の淹れたてのコーヒーをのみながら


少し開いたカーテンの隙間から


青色の空とゆったりと動く


あざらしのような雲が見える。


長いキリンのようなくびをした工事のクルマも
まだ動いていない。


外はまだ静かだ。



テレビを消して、机の前のごはんと向き合う



いつもよりゆっくり噛みしめながらたべてみて

「いただきます」「ごちそうさま」
を言って、いのちのおいしさに感謝する。

窓を開けてみると


ふわっと風がはいってきて、深呼吸をする。


前より澄んだように感じる空気。



今日も「普通に」生活ができたことに嬉しくなる。



当たり前にあった日常が、こんなに豊かなものだった。



不安と恐怖をつくりだすのは、いつも自分の心の弱さだった。

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