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新卒募集はしてないNPOでも、あなたの応募は待っているのです。

育て上げネットはまさに採用のシーズン。毎週のように開かれる説明会の参加者はとうに100名を越えて、例年以上の盛り上がっています。
イシューとして「若者」が熱を持っているのか、わりと大きな誌面に載ったからなのか、そもそもの雇用条件が良くみえるのか、人手不足で潰れる会社も増えているのにありがたいことです。

そのなかで、いま大学3年生の方が説明会に参加してくださったようで、noteの記事も読んでくださっていました。なにかしらの養分になっていたら嬉しいけれど、同時に1000程度のPVの記事に辿り着いてしまうほど、この手の情報が不足していることに課題感が募ります。

そういうわけですでに何度か記事を書いていますが、改めて「新卒でNPO」を選択したい方に知っていただきたいことを書こうと思います。

昨今のNPOの景気について

ふと振り返ると、2010年代のNPOは好景気だったと思います。SNSの普及でミクロな課題が顕在化しやすくなってきて、同時にCSRやSDGs(MDGs)のような企業サイドへの要請も強まりました。ものすごく不謹慎ですが、日本中が天災に遭い、そうした点でも資金の流通が増えました。

これからの2020年代は休眠預金の活用が本格的に始まって年間500億円近い資本が流れてくるとも言われています。多様な寄付の仕組みも開発されていて、具体的なところでは、人口動態の動きに合わせた「遺贈寄付」は、既に大きな団体がしのぎを削っている状況です。

そういう意味ではNPOの景気はそこまで悪くない...と思っています。個人的には多くの分野において、既存の環境を創造的に変えていくテクノロジーが生まれる現状では、NPOで働こうが、大企業や公務で働こうが大きな差を感じていません。面白い仕事ができるかどうか、その時代に自分が順応できるかどうかがこれから「働く」の大切なことではないかなと。

長くなりましたが、NPOを選択することに筋悪と感じるところはありません。中途半端に就活するくらいなら興味を持てるNPOを選んだ方がいいのではと思うくらいです。

新卒募集されていない問題

しかし、新卒でNPOを選ぶのは難しいんですよね。
まず就活シーズンがまったくズレていて学生の就活には合わないこと。
新卒を募集しているNPOはともかく、多くのNPOは転職市場に向けた採用活動をしているので、そもそもターゲットに入っていないことも多くあります。この前きてくれた大学3年生の方も結局は個別対応になっています。

そんな状況では、普通に考えたら「自分は求められていない」と感じるでしょうし、体制が整っていないのも事実だと思います。

ただ、それは「新卒」を募集していないだけなんですよね。新卒一括採用の市場では「新卒であること」に価値がありますが、あくまで良い人材を探しているだけなので、あなた個人の価値をみるはずです。

若者支援の現場でいえば、中高生と感覚が近いことや新しいものに精通しているだけで、専門資格をもってバリバリやってきた人とは異なるベクトルの存在価値を持っていると感じています。(そうでないと無資格無経験で入職した僕の価値はなんだったのかとなりますし...)

そういうわけで、必ずしも「新卒募集されていない=新卒は対象外」ではないということは知って欲しいです。

「NPOで働く」の近道はあるのか

とはいえ、前述している通り、NPOへの就活チャンスが少なく、失敗したら未内定で卒業のリスクも高いなかで、少しでも確度あげるにはどうしたらいいか?と考えてみました。

とりあえずやるべきなのは、興味があるNPOに「働きたい」ということを素直に伝えることだと思います。それぞれの団体で就活のフローがありますから、それに乗るしか方法がないのか、もっと他にも方法があるのか考えてくれるのかどうかを教えてもらえるかもしれません。

僕は、もし働きたい願望のある方に出会ったらインターン機会をできるだけ作れるように頑張ります。法人の雰囲気や様子を知ってもらえたら嬉しいし、どうしても一般的な働くとは異なる部分があるので、入職して誤りだったと思って欲しくないのですよね。インターンをしてもらえると、ひととなりがみられて正直ありがたいです。

ちなみに、転職の方も営利企業とは経営面で異なる点で混乱されるので、新卒ならではということはありません。むしろ働く前に知れる優位かもしれないです。営利企業とのギャップを感じなくていい意味でもラクかもしれないですね。

過渡期だから勇気あるアクションを

前述したように、NPOの市場も大きくなってきて労働市場が整備された結果、こういう「新卒募集されていない」という悩みが出てきたのかなと思います。

今まさに新卒NPOとして頑張ってきた方々の話を聞いていると、学生時代から活動をしていたり、働きたいと思った団体に直接メールしていたりとアグレッシブなアプローチをしている話をよく聞きます。

就活環境が整備されている過渡期ですので、今はみなさんの勇気あるアクションに期待してしまう部分があります。

社会経験豊かな人材と比較されながら就活することになるので厳しい部分もありますが、学生であること(≒時間に余裕があること)をアドバンテージにして、あなたの特性を活かすポイントさえ見つけられれば若いことはネガティブでなく、むしろ高く評価されるポイントになるはずです。

個人的には本当に若いNPO人材が増えてほしいので、ひとりでも多くの方が勇気を持ってもらえたら嬉しいです。

※過去に書いた「NPOで働く」記事


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