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【ミャンマー情勢】想像することが、理解への一歩


『タクシー運転手 約束は海を越えて』という映画を、ミャンマー人の友人からお勧めされて観ました。(この記事を通して、一人でも多くの方に、観たいと思って頂けたら本望です🙇‍♀️一番下にURLを貼り付けています。)


この映画で扱うテーマは、1980年に韓国で起きた「光州事件」。韓国の民主化のプロセスを語るうえで絶対に外せない大きな事件です。
1979年10月に朴正熙大統領が暗殺され、軍事独裁政権が終焉したのちに起った事件で、それまで抑圧されてきた民主化への気運が高まったことをきっかけに、大学生を中心としたデモ活動が盛んに。戒厳軍が武力を行使し弾圧したことで、光州事件につながりました。
この映画では、当時、闇の中にあった光州での出来事を、世界に対して伝えようと試みたドイツ人の記者、そして、その彼を命がけでソウルから光州に送り届けたタクシードライバーの、実話を基にした物語です。

この映画を観て感じたのは、”既視感”でした。

「デモに参加する友人と連絡がつかない」
「新聞紙に検閲が入り記事欄が真っ白」
「電話も不通に」
「友達が拘束されたまま行方不明」
「市民が大量に虐殺されている」
映画の中で表現される上記のような残酷な出来事。
でも、実はこれ、ミャンマーで今起きていることなのです。
日々、SNSやニュースを通して知るミャンマーの現状を観ている自分にとっては、悲しくも身近に感じてしまう内容でした。

2月1日。その日を境に、軍が政権を掌握し、穏やかな日々が一転したミャンマー。
民主主義を守るために声を上げ続ける市民を、武力によって押さえつける国軍。
それに抗いデモを行う市民たちの、意志のこもった力強い眼差し。
逃げ惑う市民の叫び声に混ざり合うように響き渡る銃声音。
一般宅に投げ込まれる催涙弾。
まさに戦場のような場所に変わってしまいました。

「これが今のミャンマーの現実だなんて、考えたくもない。」
と、この映画を観ながら何度も思ったのですが、
一方で、映画の力を感じる作品でもありました。
日本の外で起きていることは、自分ごととして捉えることは難しい。でも、映画を通して、渦中にいる人のことを、想像することはできる
想像できることが、理解への第一歩で、その一歩が世界を変える力になるかもしれない、そんなことを思った映画でした。

2021年の今、韓国では、この事件が映画になっていて、クーデターが起こった「5月18日」は国家記念日に制定されています。
つまり、時代が変わったということ。
ミャンマーのこの日々を思い出して、「そんな時代もあったね、大きく変わったね。」そんな風に話せる日はいつ来るのでしょうか…。

ミャンマーに関わりのない方にも、是非観て欲しいです🙇‍♀️
●AmazonPrimeVideo
https://www.amazon.co.jp/タクシー運転手-~約束は海を越えて~-字幕版-ソン・ガンホ/dp/B07JRG18HV
●NETFLIX
https://www.netflix.com/title/80200945?s=i&trkid=13747225

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