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【 アクセサリーと窯 】 #2 glazeシリーズ

ものを作る人にとって、制作物にはそれぞれストーリーがあるものです。「ayako.ceramics」のアクセサリーのシリーズにも、お話ししたい物語があります。着けてくれる方に読んでもらえたら嬉しい。このマガジンでは、ラインナップから毎回一つを取り上げてそれぞれのエピソードを綴ります。

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第二回の【 アクセサリーと窯 】 はglazeシリーズについてです。


突然ですがみなさん、シュガーグレーズドのドーナツは好きですか?私はドーナツの中でクリスピークリームドーナツのオリジナルグレーズドが一番好きです。

glazeシリーズのglaze(グレーズ)は日本語ではで釉薬(ゆうやく)という意味。そもそも「グレーズ」には「とろりと掛かった」という訳があるらしい。陶磁器もドーナツもなるほどたしかにglazeがとろりと掛かっているなと思ったのを覚えています。釉薬の英語が覚えられない時はどうぞアイシングがとろっと掛かったあまいシュガーグレーズドのドーナツを思い浮かべて下さい。

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さて、glazeシリーズ、直訳すると「釉薬シリーズ」なわけですが、この青い石そのものが釉薬でできていることが名前の由来です。

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釉薬を粉末のまま焼き、元となるパーツを作っています。焼成によって大きな原石をつくるイメージ。釉薬にはガラスや石の粉が入っているので、粉ごと焼くとカサが減って固まる。砂糖を鍋に入れて直接火にかけたら、砂糖自体が溶けて水あめ状になって固まる感じです。固まったものを細かく砕き、研磨した中から選別してアクセサリーに仕立てます。

いわゆる陶芸のセオリーとは離れた技法で作っているので、いっけん陶磁っぽくないですが、焼成を経てこの世に生まれ出ずる石。これも一種の「やきもの」とであると思っています。

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glazeの石は細かな結晶で成り立っており、ざらざらとしたマットな質感です。すりガラスを想像して頂くと分かりやすいと思うが、それによって表面は曇ったような白っぽい表情になっている。

水に濡れると表面のくぐもりはスッと消え、釉薬本来の紺碧を見ることができる。使い続けると、だんだんと馴染んできてこの色が常に見えるという仕組みです。(オイル仕上げにすると初めから紺碧を見ることができるのですが、使って育てる感覚を楽しんでもらいたいので敢えてそのままにしています。)

glazeシリーズは現在、耳飾り2種、指輪1種の展開です。耳周りには小ぶりな石にクリアグラスを合わせたものと、大きな石にすりガラスを合わせたもの。


夏はクリアグラスが涼しげで人気ですが、私はその他の時期はすりガラスタイプを好んでよく使っています。

バックキャッチタイプなので、ピアスの方は両方のキャッチを揃えて気分で使い分けてもいいと思います。(キャッチのみの販売をご希望の方はメッセージ等でご連絡下さい。)(このシリーズはイヤリングもあります。)

ダイアログ


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指輪はこちらです。
glazeの石は光に当たる面積が広い方が美しく発色するので、極力覆わないデザインにしました。地金部分はスターリングシルバー。金具も石に合わせてオーダーメイドです。(ちなみに「プロング」というのは石を留める爪のことを指しています。はじめて石の留め方にもこだわった指輪だったのでそのまま名前になっている。)

華奢な指輪なのでいつものワンサイズ小さめを選んでもらってちょうどいいと思います。私は指のサイズがどれもだいたい同じなので、日によって着ける場所を変えて他の指輪と重ねづけを楽しんでいます。


【 アクセサリーと窯 】2つめの記事でした。
読んでいただきありがとうございます。

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先日取材してもらった記事です。ここでも少しglazeシリーズについてお話しています。glazeシリーズを思いついた時のエピソードや、器よりアクセサリーをたくさん作る理由など。ayako.ceramicsについてより詳しく知りたい人はどうぞご覧ください。

online storeはこちら
https://aceramics.official.ec

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小川 文子/ogawa ayako
京都生まれ
2008 京都市立銅駝美術工芸高校卒業/2014 京都精華大学陶芸コース卒業/2016 京都市立芸術大学大学院陶磁器専攻修了/2017 ayako.ceramicsを立上げ今に至る

ayako.ceramics(あやこせらみくす)はアクセサリーを中心としたライフスタイルブランドです。テーマは「再発見する陶磁の魅力と素材感」釉薬の潤いある色味や、陶磁の肌の材質感に着目したアクセサリーを制作。オリジナルの陶芸パーツにガラス等の異素材をバランス配置した、素材感が響き合うシンプルながらも味わい深いベーシックアイテムを提案します。

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