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【 アクセサリーと窯 】 #1 ビジューシリーズ

ものを作る人にとって、制作物にはそれぞれストーリーがあるものです。「ayako.ceramics」のアクセサリーのシリーズにも、お話ししたい物語があります。着けてくれる方に読んでもらえたら嬉しい。このマガジンでは、ラインナップから毎回一つを取り上げてそれぞれのエピソードを綴ります。

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「ビジューシリーズ」と名付けたこのアイテムは、ayako.ceramicsでアクセサリーを始めるにあたってまずはじめに作ったシリーズの一つです。一般的に一番陶芸らしい釉薬のひとつ、青磁釉(せいじゆう)を使用しています。

青磁釉の特徴は、豊かに水をたたえた湖の静かな水面のような透明感と艶っぽさ。この潤みのある表情にフォーカスするために、すりガラスを合わせてよりそのツヤを引き立てようという趣向です。

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ところで、すりガラスは砂つぶや薬品によりガラスの表面を荒らして不透明に加工したものです。別名フロストグラスと呼ばれますが、このフロストというのは「霜の降りた」という意味だそう。言われてみれば、真夏に冷えたビールを飲むときの凍らせたグラスにも似ています。

陶磁パーツのかたちの作り方です。陶芸用の粘土をクッキーを作る要領で平らに延ばして、カットして成形しています。この右側に写っているのはカッターナイフの刃です。半乾きの粘土は板チョコレートのような感触なので削り取るようにしてカットできる。

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当初はすべての面をナイフで削り落として成形していましたが、どうしても個体差が生まれてしまうためロスが多かった。なのでその中からカット面が一番きれいなものを選んで石膏型におこしました。

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現在はこの石膏型による型押し技法で一つ一つ成形しています。よくみると、このタイミングでデザインもマイナーチェンジしていますね。見比べてみるとカットのデザインが初期より洗練された印象になっています。

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夏には涼しげに、冬はすきっと澄み渡った印象を与えてくれるので、私自身も多用しています。パッと見て陶磁とわかりやすいこともあって、着けていると「そのピアス陶芸なの?」と会話の種になることも多い。

陶磁パーツにすりガラスがぶつかる時のカチカチした音が好きで、これを着けている日はつい身振りが大きくなる。ピアスのすりガラスはバックキャッチになっているので、他のピアスに付け替えて楽しんだりもしています。(このシリーズはイヤリングもあります。)

【アクセサリーと窯】第一弾でした。
読んでいただきありがとうございます。

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 https://aceramics.official.ec

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小川 文子/ogawa ayako
京都生まれ
2008 京都市立銅駝美術工芸高校卒業/2014 京都精華大学陶芸コース卒業/2016 京都市立芸術大学大学院陶磁器専攻修了/2017 ayako.ceramicsを立上げ今に至る

ayako.ceramics(あやこせらみくす)はアクセサリーを中心としたライフスタイルブランドです。テーマは「再発見する陶磁の魅力と素材感」釉薬の潤いある色味や、陶磁の肌の材質感に着目したアクセサリーを制作。オリジナルの陶芸パーツにガラス等の異素材をバランス配置した、素材感が響き合うシンプルながらも味わい深いベーシックアイテムを提案します。

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