ODっ子との日々③~神様がくれた休み
うちの中1のボウズ。
去年の12月の朝に難聴になってから、朝起きることができないのはもちろん、過眠の症状が出ていて、学校には行けていない。
バタバタしながらも、冬休みに突入。
学校に行かなければ、行かせなければというプレッシャーから親子共々解放される。
難聴、耳鳴り、耳の痛み、立ち眩み、過眠、だるさ
これがうちのボウズの症状。頭痛、腹痛、吐き気は基本的になく、食欲もある。
自律神経のバランスが崩れる起立性調節障害から来ているのだろうと目星を付けて、
年末最後にかかりつけの内科で事情を説明して、立ち眩みに効く漢方(苓桂朮甘湯)を処方してもらう。
私も冬休み、この子はもう学校に行けないのかもしれないという気持ちを心の片隅に持ちながら、
「ねぇ、本当に何もストレスないの?少しはなんかあるでしょ。」なんて誘導尋問してみる。
ボウズ「うるさい奴はクラスに何人もいるけど、そんなのは放っておけばいいし、猿だと思えばいいから。まぁ、勉強は大変。でも、やらなきゃいけないことも分かってる。勉強が好きなんて人いないでしょ。」
うーん、優等生的発言。
私「あなたさ、小さいときから、ワガママを言って親を困らせることがなくて、周りの空気をよく読む子だったよね。そういうストレスが無意識のうちにたまってたんじゃない?」
ボウズ「え、そうかな」
私「思えば、小学校のときも、朝起きてお腹痛かったり、頭痛かったりしてちょこちょこ休むことあったよね。アレルギーだからかなと思ってたけど、実はあれも、この前兆だったのかもしれないよね。」
ボウズ「あーー、そうかもしれないね」
そう、小学校5年生のとき、おそらく担任が嫌で、月曜の朝、頭痛、腹痛でちょこちょこ休んでいた。そのとき、担任が理不尽だという噂は耳に入っていて、ボウズに聞いてみても
「いや、別に。野球の監督の方がずっと理不尽だから。」
なんて言ってたけど、あの子は私を心配させないように、そうやって自分の本心を明かさない子なのだ。変にプライドが高いのもあるけど、私ももっと彼が自由に発言しやすい空気を作ってあげればよかったのだ。私も、ボウズが高学年になったことで安心して、つい仕事に比重を置いてしまって、ケアが足りなかったのかな…。
そして、整体。施術してもらうと、くすぐったくて仕方のないボウズ。
赤ちゃんのときからくすぐったがりだった。
整体師「あのね、くすぐったがりっていうのはよくないんですよ。皮膚の過緊張ってことだから。交感神経が優位に働きすぎていることになるんですよね。」
私「え!だってこの子、赤ちゃんのときからくすぐったがりで。」
整体師「平たく言えば、警戒心が強いんでしょうね。これがほぐれないといけないですね。」
ふえぇぇぇ、赤ちゃんのときから遡って、ボウズの来し方行く末を考えないといけないわけだ。ずどーん。私の育て方がいけなったのかな、とか、やっぱり、思っちゃいますよね。母親はついつい。
でも、なってしまったものは仕方がない、13年かけてこうなってしまったものを、数か月で治そうなんてどだい無理な話なんだよな、とますます腹も括りつつある。
ここで、思い出すのは、私の前の仕事のこと。
2年半ほど、通信制高校のサポート校で働いていたことがありました。
いろんな理由で中学にまともに通えなかった生徒、高校を中退してきた生徒に勉強を教えていたのですが、
そういった子たちが、意を決して通信制高校に来て、目標を持って、専門学校や大学に進学したりするのをサポートしてきました。
些細なことで(彼らにとっては些細なことではない)傷ついて、学校というレールから外れてきた子たちは、真摯に向き合うと、とても優しくて、本当に可愛かった。お給料が遅れて支払われるとかブラックなところがあって辞めてしまったけど、生徒たちは本当に可愛かった。今、その子たちを思い出して、私が救われていました。人生に無駄なことなんてないんだな。
だから、ボウズにも、
「中学にフルに戻ることは正義ではないよ。今は、いろいろな選択肢があるから、これは神様がくれたお休みだと思って、自分を見つめなおす良い機会になるんじゃないかな。」
という話をしました。
ボウズ「ふだん神様なんか信じないくせに」
なんて言っていたけど、少しは伝わったかな。
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