「相手の視点で考えよう」冠詞 aとtheの使い分け
こんにちは!えいごはかせです。
英語学習をしていく中で、誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
「冠詞のaとtheってどうやって使い分けるの?」
そして、その疑問を解決しないまま、最終的に「とりあえずtheつけとこ」に落ち着きます。
そうです、過去のわたしです(笑)
日本人学習者が永遠に悩みがちな英文法のテーマ。
「aとtheの使い分け」
どちらを使うか迷った時の、役立つ基準をお話します。
"the" には、たくさんの用法があり、
「こういう時に "the"を使う!」
と、一言で定義するのはとても難しいです。
「定冠詞 ”the" は複雑すぎる。
結論出せなくて、卒業できないかも、、、」
と思って、博士論文のテーマにするのをやめたほど。
しかし!
「aとtheの使い分け」という点おいては、分かりやすい判断基準があります。
それは、
「対象について、相手と認識を共有しているかどうか」
わたしが英語の授業で、初めて "a"と "the"を習ったとき、こう教わりました。
「初めて出てくるモノには "a"を、2回目以降は "the"をつけます」
これはこれで間違ってはいないのですが、これだけでは説明が不十分です。
なぜ、初めて出てくるモノは "a"で、それ以降は "the"なのか、理由が分かりません。
上記の説明に、使い分けの基準を加えると、こうなります。
初めて出てくるモノは、読み手や聞き手など相手がその対象をまだ特定・認識できていないので、不定冠詞 "a"を使う。
2回目以降では、何について話しているのか、相手が対象をすでに特定・認識しているので、定冠詞 "the"を使う。
以下の例文を見てみましょう。
I bought a book yesterday.
I bought the book yesterday.
1の例文は、「昨日、本を買ったんだけど、、、」と、これから話が展開していく雰囲気です。
この文章で、相手は「昨日、何かしらの本買ったんだな」と知り、この先話の中で "book" が出てこれば、「昨日買った本」と特定・認識します。
なので、この後は "the book"と表現できます。
2の例文はどうでしょうか。
この文章が醸し出すのは、「、、、で、昨日その本買ったんだ」という雰囲気。
何かしらの本について、もうすでに話している文脈があり、話し手/聞き手の双方が会話の対象となっている本を特定・認識している状態です。
もし会話の一発目で2の文章を出した場合、相手は「いや、その本知らんけど!?」となります。
会話の始めでこの文章を出すなら、相手と以前から、ある特定の本について話題にしていた前提が必要です。
そして、みなさんご存知、 "the"の有名な用法の1つ。
「唯一のものには "the"をつける」
この用法も、相手との対象の共有がポイントです。
1つしかないものは、前提や文脈がなくても、相手が自分と同じ対象を特定・認識できるから、定冠詞 "the"を使うのです。
地球の衛星は、月1つしかありません。
だから、"the moon"と表現します。
もし、衛星がたくさんある惑星に住んでいて、その衛星すべてを "moon"と呼ぶとしたら。
その惑星では 、"a moon" の方が普通になるのかもしれません。
相手と自分が対象を共有しているモノには「定冠詞」、共有していないモノには「不定冠詞」をつける、というのが英文法のルール。
「定」「不定」というのは、自分目線ではなく、相手が対象を認識しているのか、という相手の視点で決まるものなんですね。
《今日覚えたい英文法ルール》
相手が自分と同じ対象を特定・認識しているとき、定冠詞 "the"が使える。そうじゃないなら、不定冠詞 "a"を使う。
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