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当事者にしかわからない
昨日、楽しみにしていた小説を読み終えました。
市川沙央さんの『ハンチバック』(文藝春秋)です。
主人公は釈華(しゃか)という重度障害者の女性。両親が遺産としてのこしてくれたグループホームで穏やかに生活しながら通信大学に通ったり、Webライターとして性的な記事を書いたりSNSで自身の願望をさらけ出したりしています。
お金に困ることのない生活を送る一方、客観的に自分を見つめながらも葛藤する姿を淡々と描いた作品でした。
著者の市川さんが難病を抱えて生きている方なため、描写もリアルに感じます。信憑性が違う、という感じでした。
こういった内容の作品を選んで読んでこなかったのもあって、簡単に感想が出てこないくらいけっこう衝撃的だったんですが、「衝撃」を受けている自分がちょっといやだったりします。自分とは違う、と心のどこかで思っているんだなと自覚せざるをえないからです。
わかったようなことは言うべきじゃない、というのもあります。
当事者の苦しみは当事者にしかわからないもの。
でも、それを踏まえてみんなが暮らしやすい世の中を作っていけたらいいんだけどね。
ネットのインタビュー記事も軽く読んだのですが、とても興味深かったです。
ここに自分を引き合いとして出すのは図々しいかもしれないのですが、私自身も紫外線過敏症や爪甲剥離症(そして肌がめちゃくちゃ弱い)でかなり不便な生活を送っています。
その話をするたびに「えー大変~~」「わーかわいそ~~」という反応をされてイラっとくる。
うん、苦しみは当事者にしかわからないよね。
結局考えが全然まとまらず、いい言葉もでてこない頭の悪さでごめんなさいなんですが、読んで考えるきっかけになったよ、ということを書きたかったのでとりあえず終わります。
それでは、よい一日を。
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