やっと『愛するあなた』に会えた話
みなさんお久しぶりです、Ottyです。
先日母がソウルへ行ってきたのですが、
もうビザもなにも必要がなくなった今、
去年の今頃破天荒なことをしてまでソウルに行ったアホな私のエピソードで少し盛り上がったので、今日はその話をしようと思います。
2022年6月中旬のじめじめした深夜、
私は麻布にある韓国領事館の前に座っていました。
そんなところで何をしていたのかというと、
その最前列にいたいが故に前日の夜中から場所取りをしていたのです。
深夜の麻布、命懸けです。
当時、ニュースで領事館前の長蛇の列を見た方もいるとは思いますが、
当時、韓国に入国するには下記が必要だったのです。
①シングルorマルチビザ(領事館での発行手続きが必要)
②72時間以内のPCR検査陰性証明書
③K-ETA
④Q-CODE
②〜④はどうにか自分で用意できますが、①はどうしても領事館に行かないと手配ができなく(しかも本人が)、とはいえ始発で行っても100人以上待つことになるので、負けず嫌いかつさっさと手続きを済ませたい私は前夜から最前列で待つことを決しました。
ところでなぜそんなことまでして韓国に行ったのかというと、理由は単純で「久しぶりに海外の空気を吸いたい」「ソウルなら言葉も問題ないし、ビザさえ取れれば」という浅すぎてしょうもないものでした。
4〜5月くらいからずっと計画は立てていたのですが、元グランドスタッフだった私も無知ではありません、日々入出国や搭乗に必要な書類や条件が変わるのです。
そのため、予定していた日付近まで本当に行くかどうか、悩んでいました。
しかし、日頃のストレスでやっぱり韓国に行きたいや、となり、ビザを下ろすために、宿泊先と航空券を手配することにしたのです。
期限の切れてしまったパスポートの取り直しからスタートさせました。
その後、ビザを下すための書類を3枚ほど書き、証明写真を貼り付け、身分証など他にも必要なものがいくつもあったので全て用意し、仕事終わりに韓国領事館へ向かいました。
ちょうどその日は友達と飲んでいたので、
解散後に向かうことにしました。
深夜1時。当たり前ですが、ひとはいません。
しかし3〜4時?頃にはすでに十数人のひとが後ろに並び始め、始発の時間には100人を超えていました。
200〜300人ほど人が集まってきて、もう今日受け付けてもらえる限度に達したかな?って頃には、空は明るく通勤者の姿もありました。
8時、ようやく領事館のドアが開き、1番にビザの発給の受付をしてもらい、手続きをさっさと済ませて領事館を後にしました。
待った時間:7時間
手続きの時間:10分
馬鹿馬鹿しいのは承知の上、久しぶりの韓国行きにワクワクしていました。
ビザが発給され、韓国旅行の週のはじめ、あることに気がつきました。
「ラキティッチがソウルにいる……」
私の好きなサッカー選手、イヴァン・ラキティッチ(セビージャFC/元クロアチア代表)が、Instagramにてソウルにいることをアップ。
2020年に彼を観るためにカンプノウへ足を運んでから3年、またしても同じアジアの地で呼吸する日が来るとはと勝手に感動していました。
ところで、なぜソウルにいるのか?となり、セビージャFCのInstagramを見たところ、なんとその週末、プレシーズンでトッテナムホットスパーと試合とのことでソウルにいたそうでした。
ということは、私の愛してやまないサッカー選手、「ソンフンミン(トッテナムホットスパー/韓国代表)」と試合をするということが分かり、余計にワクワクしてきました。
ですが
チケットは既に売り切れ。当たり前です。
そうだ、転売サイト!
アホみたいな価格(W1,000,000/日本円で約10万円)で売られていました。
韓国の知人にも、流石に諦めて、と。
こんな近くに推しが2人もいるのに、
観に行けないのか……日頃の行いが悪すぎた。
そう思いました。
ただ、知人のあるひとことが、背中を押してもらうきっかけになったのです。
「とりあえず、現地には足を運んでみなよ」
こうして、予定もしていなかったプレシーズン遠征が始まることになりました。
6月15日金曜日、その日私は元同僚の家に前泊するために、大きなスーツケースを持ってオフィスに出社しました。
「今日は寝泊まりするほどガチで仕事するの?」とツッコまれるほど笑われた私はドヤ顔で「いや、韓国へ行くんです」と淡々と返しておきました。
当たり前ですが、まだコロナも流行っていた時期だったし、皆して口をあけてぽかんとしていました。
仕事が終わってそのまま空港へ。
愛する元同僚兼親友との久しぶりの再会でした。
その晩は、お互い大好きなジャンクフードとお酒で幸せな気持ちになりながら眠りにつきました。
6月16日土曜日、どうにか5時に起きた私は朝のフライトでソウルへと発ちました。
久しぶりの韓国、ビザなど書類が多く、陰性でないと帰国できないリスクがありながらも、まぁ言葉がわかるし大丈夫でしょ、という謎の自信もあり、今まで通り普通に過ごしていました。
正直、アドレナリンが出っ放しでした。
とりあえず、入国してすぐに、病院へ行きPCR検査を受けました。
韓国語で受付と問診を済ませ、鼻に検査のアレ(棒?)を突っ込まれ、涙目になりながらもどうにか終えることができました。
検査が済んだので、ホテルに向かう途中、病院にスマホを忘れたことに気がつきました。
はい、いつものやつです。
戻ってもスマホはありません。
早速終わった……と思ったら、看護師さんが
「スマホ?ここにあるよ〜!」
と持っていてくれたので、回収し再びホテルへ向かいました。
その道中、カフェやコンビニ、スーパーなどありとあらゆる場所で…
ソンフンミンのポスターや広告が沢山あり、とても幸せな気持ちになれました。
チェックインを済ませ、いざ、行ったことのない수원(あの水原三星ブルーウィングスがある水原市)へ向かいました。
いつも乗るメトロと違うし、特急?わかんな…となりながらも水原には無事に着くことができました。
道中、本当に見られるかどうかもわからないのに、久しぶりに海外の地に立ったこと、愛する選手たちと同じ空気を吸っていることを実感し、涙が出てきました。
そんな涙も引くような問題その2。駅からスタジアムまで行けない…
バスがあるはずも、長蛇の列?大渋滞?人混みのオンパレードでどこから何に乗れば良いのか全くわからず。
タクシー移動に全てをかけ、試合開始の約1時間前にスタジアムに到着しました。
実は私、この時チケットを持っていませんでした。
「誰かが譲ってくれる」というナメた考えをしていたからです。
ですがここで、同じような考えをしていた韓国人サッカーファンと出会います。
彼の名前はソンホです。
ソンホは私の(確か)3つ上のオッパ(韓国語でお兄さん)で、韓国の大企業に勤めている、いわゆるエリートマンです。
そんなエリートマンと水原のスタジアムで出会うきっかけとなったのは、私のWi-Fiがおかしくなったことでした。
「あの…Wi-Fiテザリングしてくれません…?」
キョドキョドしながら韓国語で伝えた私に彼は、
「あ、いいよ〜!」
と答えてすぐにテザリングしてくれました。
私はこれでも一応韓国語が話せるので、
そのまま日本からはるばるやってきたソンフンミンファンで、今回チケットがなくて譲ってくれる人を探してるんだけど…とソンホに相談しました。
ソンホは「実は僕もなんだよね!笑周りの人に聞いてみよっか!」と言ってくれて、私たちは試合開始30分前くらいからチケット探しを始めました。
結果、試合開始5分前くらいに譲り元が見つかり、
私たちは無事に試合を観戦することができたのです。しかも安価で。
こうして私はソンフンミンとイヴァンラキティッチという推し選手たちを目の前で目にすることができました。
特にソンフンミンに関しては、
生まれて初めて目にしました。
(ラキティッチは実は2度目。1回はバルサ時代のカンプノウで見ました。)
やっと、「愛するあなた」に会えたのです。
幸せ以外に言葉が出てこなかったです。
ソンホとは今でも仲が良く、今年はすでに2度会っています。
こういう時、語学に強くてよかったなと感じます。
よくアイドルオタクが言う、
「推しが目を合わせてくれた!」
何度も私もそう思いました。
水原からの終電は逃したものの、
なんとかソウルに戻ってこられたので、
私のプレシーズン遠征2022は終了できました。
ひとは望んだり、願うものです。
その望みや願いを本当に叶えるひとは、ごくわずかだと思います。
理想とか、夢って、そのままでも良いと思います。
求めるだけ、見るだけでも幸せな気持ちになれるからです。
でも、私はその夢の中に入って、より幸せな気持ちになることを求めてしまいました。
身体が勝手に動くって、マジで怖いです。
このことがきっかけで、この年にもう1回別のプレシーズンを観戦し、さらには海外サッカー観戦数も5度になるとは、考えてもいませんでした。
夢を叶えつつ、次の夢へのきっかけにしました。
やっとコロナが落ち着いて、各国に行きやすくなったかと思います。
いまは文明の力も沢山ありますので、
皆さん是非、「推し」を目にしてきてください。
なぜかというと
どんな場所にもどんなひとにもそれぞれの闇と地獄があって、そんな中私たちは毎日を精一杯生きています。
ただ一つ言えるのは、
「推しは推せる時に推せ」
「愛してるひとを精一杯愛せ」
というシンプルなことが
めちゃくちゃ大事だからです。
推しとか、愛するひとが、自分自身が心身ともに健康で会えるのは奇跡にすぎません。
「あの時推しに会っておけばよかった」
「もっと大切にしておけばよかった」
そう思わないように。
ノリと勢い、大切に。
Ayaka Otty
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