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その目標、本当にその人の目標ですか?

わたなべあやかです。

ITメガベンチャーでコーチングや心理学などを取り入れ「人とチームを最大化させる風土作り」に取り組んでいます。

今回は、
コーチングで取り扱う目標について、他人の期待を自分のものと混同していることがよくある、という話をしていきます。

以下の記事で、コーチングでは「本当に本人が行きたい場所」を目標としないと効果がでないという話をしましたが、それを見誤らないためにどうしたら良いか解説していきます。

▶︎ このnoteはこんな人のお役に立つかも
・相手の話をじっくり聞きたい人
・メンバー本人がやりたいことをよく知らない人
・普段から組織としての期待を部下に伝える機会の多い人

他人の期待を自分の目標と混合する

コーチングはその人の向いたい場所(目標)に向かうことを目的として実施されます。

例:ダイエットしたい、起業したい、自分の強みを見つけたい etc…

この目標達成や目標に向かう為の課題解決を、
本人は実は望んでいないのに自分の目標であるように信じ込んでいるケースは非常に多いです。

無自覚のまま自分が望まない目標をもっている人は多い


例:組織から期待されている目標

会社員にとってよくあるのは
「組織からの期待=自分の目標」となっているケースです。
その人自身の「本当に向いたい場所」をあまり探求することなく、組織の期待のみを伝えているとこういう状態になりやすいです。

これは組織人にとって一般的なことだと思いますが、
ポイントは「本人が本当に望んでいない目標」の場合、なかなかそこに向かうスピードが上がらないということです。

「成長スピードを上げて欲しい!」
「自らどんどん成長して欲しい!」

そう思うならば、
組織目標だけでなく、同時に本人の真相にある希望に目を向けることが必要です。

例:家族からの要望

普段コーチングセッションを提供していて良くあるのが「家族からの期待」を自分の目標と混同しているケースです。

「仕事が忙しくて自分はもっと頑張りたいが、家族にもっと時間を取って欲しいと言われているから取らないと。」

家族側の希望は痛いほど良く分かるし「それを目標にして改善してくれなきゃ困る!」という状態だと思いますが、
こちらも大事なのは本人が本当にそう思っていないと、この事態はなかなか好転しないということです。

本人の目標を確認していく方法

本人が本当に持っている願いなのかそうでないのか、
確認していく上でまず大事なのは「色んな角度で目標を深掘りしていくこと」です。

どうしてそうしたいと思うのか。
目標達成することで、何を得ようとしているのか。
目標に対して、どんな感情で向き合っているのか。

その答えが「べき論」だったり、特に感情が伴わない場合だと、その人にとってその目標はあまり大事ではないかもと慎重になった方が良いかもしれません。

また「正直に聞いてみる」というのも非常に有効です。

周囲の人が自分に対して持っている期待に
「自分はそんなこと望んでいない」と言うのは誰しも抵抗があることだと思います。
だからこそ無意識の内に「それを自分も本当に望んでいる」と思ってしまうほどです。

なのでいっそのことストレートに聞いてみることは有効です。
「これ本当にあなたにとって必要なことですか?」と。

責めのニュアンスを含まずストレートに聞いてみましょう

違う形でその人が大事にしているものが見えてくる

ここまで読むと、
「組織が求めるものに答えないことに、組織としてメリットはない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん中には、組織が求めていることに全く関心を示さない人もいるでしょう。
しかし「組織が求めることに100%同意するか否か」という白黒はっきりするものではないので安心して頂きたいと思います。

60%くらいは同意するけど、40%くらいはちょっと違うな。
多くの人がそういったものだと思います。

その40%くらい違うところをしっかり聞けると良いのではないでしょうか。

組織が提示する目標そのものは、その人にとって大事じゃないかもしれない。
しかし、目標に向かう過程の中に大切にしているものがあるかもしれません。

組織から評価を得て、影響力を持つことに喜びを見出していたり。
周囲の人と共に何か同じゴールに向かっていくことが好きだったり。

その本当に大事にしている要素が見えてくると、
より目標に向かっていくモチベーションが上がるだけでなく「自分がやりたいことをやっていたはずなのに、なんか違う」という状況を避けることにも繋がります。


組織からの期待を伝えると共に、本人の希望を深張しよう

とはいえ、多くのリーダーの皆さんは「組織としての期待」を伝え、そう成長してもらうことがそもそも皆さんの役割だったりすると思います。

「やりたくないなら、やらなくていいよ。」
とは言えないものですよね。

そんな皆さんにお勧めしたいのは
「組織としての期待は一旦脇に置く」時間をぜひメンバーの皆さんと作ってみてほしいなと思います。

実施する際はぜひスケジュール名も変えてみてください。
「ハイパー○○さんタイム」
「精神と時の部屋」etc…

「この日は会社のことは忘れてあなたに集中する時間」ということがメンバーの方にもしっかり伝わるものが良いですね。

1ヶ月に一回でも、四半期に一回でも。
の日だけは上司と部下でなく、1人の人間として会話する。
そんな時間があっても良いのかなと思います。



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