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心の中の暴走おばけ

2023年の暮れ、かみつれ文庫のオープンと同時に初めてのZINEを作った。 

タイトルは『ただ、わたしを待っている』
32ページの文庫本サイズの小さな本。

制作の背景をじんわり公開していけたらと思っていると、今日はこの本がまだふわふわした構想だった頃のことを思い出した。

「秋に、本を作る」そんなことを周りに吹聴して半年が経った頃、月末にせかせかと書き連ねたり、手帳にそのかけらを溜めながらも、本のテーマも何もかもが決まっていなかった。

あの頃、過去に誰かに伝えた内容からズレたアイデアが生まれる度に、そのアイデアを「今じゃない」と蹴っていく自分がいた。書くことは好きだけれど、たぶん、私の文章は万人受けするようなものではないだろうと、時折しょんぼりもした。

今でも書く手が止まる時は、決まって私の中の自意識おばけが暴走し始めた時。

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582字

かみつれ

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