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雲と日常
最近、外出すると空を見上げて、その空の写真を撮ってしまう。
そうやって、ほとんど毎日空の写真を撮っていると、この空は似たようなものはあっても全く同じ空は2度とない。
そんな空への好みも変化した。
以前は雲ひとつない、真っ青な空や、グラデーションが綺麗に映える空が好きだった。
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以前はこのように雲が映らないように、雲を避けて撮るようにしていたのにも関わらず、近頃は寧ろ雲を中心に空を撮るようになった。
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真っ青で何もない空も、もちろん綺麗。空の色彩の一瞬で濃淡が変化していく様に美しさを感じる。
しかし雲の形、雲の動き、量、雲の色、配置、いろんな雲の要素で、その空の色の変化や濃淡がより一層映えるような、雲が物語の大事な部分を作っているような、そんな不思議な気持ちになる。
そしてこの空における雲の存在は、日常の心にある感情に似ていると感じた。
心は、晴れ渡る真っ青な空のように陰りが1つもないような時もあるし、黒い雲で覆われてその雲がどよめいてのっしり動くような、心も自己嫌悪に陥ったどす黒い感情が重くのしかかり支配されそうになる時もある。
その感情ひとつひとつも、心の状態も全く同じものは存在しなくて、日々移り変わっている、そんな姿は空模様に本当に似ていると思う。
自分の中の黒い感情や、自分を嫌いそうになる感情、高揚しすぎた感情などは、自分の心の中ではものすごい苦しみになるのですが、一歩離れてその心模様を見てみると、幻想的な美しい空に映るのかな。
そしてその感情は、雲が空の物語を作っているように、自分の人生という物語の中を作るために必要な要素なのかもしれない。
そんな想いを移り変わる空模様に馳せていると、自分の中に湧き上がっていく嫌いな感情や、どうしようもない落ち込みみたいなものが、少し愛らしくなる。
2度と同じものはない心模様。空のように一瞬一瞬大切に捉えていきたい。
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