古民家改修のイマココ
雪国山形はいよいよ雪シーズンを迎えようとしていますが、やたら晴天が続いており、昨日はジャケットがいらないほどのあたたかさ。
都会のひとが巻くものであり実用性はゼロ、とみなしていたショールを巻いただけで出かけられてしまいました。
何年かに一回あるカラ梅雨ならぬ、カラ雪、だといいなぁ…とみんながうっすら期待しているこの頃です。
(期待はしていても口にはしないのが東北人の奥ゆかしさなんだけど、私は言いたい。ちなみにカラ雪は山形へ移住して10年の間に二回ありました。)
さて、そんななか、古民家改修の打ち合わせがスタートしています。
古民家の暖房について、私は、自宅でも使っている薪ストーブをイメージしていました。
薪ストーブはとにかくじっくりと暖かくて、家に炎の存在があると、たとえ窓の外に自分の背丈ほどの雪が積もっていようとも辛く寂しくない、冬の強力な味方です。
古民家にも設置できたら、冬場にワークショップやイベントを開く際にも、薪ストーブを囲んで語ってみたい!
しかし、最初に見積もりをお願いした業者さんには下見の段階で「無理です!」と断られて意気消沈…。
たしかに古いし、屋根も茅葺き屋根を後から覆ってあるから無理なのかな、と諦めようと思いましたが、
代わりに灯油ストーブ等を使っているイメージも湧きません。
次にいらしてくださった業者さんは、昨年の冬、私が古民家を探そう!と決めた頃にお会いした、古民家に詳しく、茅葺き屋根の葺き替えなども行っていらっしゃる業者さん。
かなりお忙しいようなので、今回は無理かな…と諦めていましたが、ご都合を合わせて下見にいらしてくださいました。
古民家についてほんとに知り抜いていらっしゃって、間取りを確認しながら、台所の前の広い部屋を「ここは昔土間だったはず。その隣に馬屋があったんだよ。ここの2階は使用人が寝泊まりしてたんじゃないかな」
とおっしゃいます。
当時の住まいの様子が目に浮かんできて、古民家に親しみが湧きました。
さらに、「この家には薪ストーブがいいよ!」と!
「ほんとですか?(喜)無理だと言われたんですが、大丈夫ですか?」
とお聞きすると、家の外側の作りも確認しながら
「大丈夫でしょう!」との頼もしいお言葉。
やったー!薪ストーブ!と心の中で万歳三唱です。
「今回の改修はカフェに必要な台所と薪ストーブの導入だけに留めておいて、その他は必要に応じて直していったら?」
「お金はなるべく使わないように。補助金がおりたらその都度改修しなさい」
とアドバイスまでしてくださいました。
「犬を連れてきてOKといっても、他のお客さんに犬を触られたくないひともいるんじゃないかな。
やりたいことをもう少し絞って、必要な改修に取り組みましょう」
とも。ほぼ開業コンサルまでしてくださって、まったくもっておっしゃる通り…とうなだれる私です。
事業計画をもっと練りつつ改修に向けて打ち合わせを重ねていくことになりました。
カフェ兼コミュニティハウスの大きな目的は、
「子どもたちがいろんな大人に会うことで、家庭や地域の価値観に縛られず自分の世界を広げていくこと」
にあります。
不登校、発達障害の子どもたちと出会っていく中で、「彼らが自分の個性を受け入れるには、いろんな大人に会って、見聞を広めていくのがいちばん」と確信しました。
それでもって私のお友達はユニークな方ばかり!類は友を呼ぶといいますし、友達の友達もユニークに決まってます。
そんなユニークな大人と子どもたちとが出会える場所を提供するための、カフェ兼コミュニティハウスです。
犬や猫などのペット連れ込みOKとしたいのには、そういったお子さんのほとんどが、生きものが好きだから。
(私調べでは、95%の確率で生きものが大好き、または生きものに親しみを持っています。)
しかし、言われる通り、中には触れ合ってほしくない飼い主さんもいることでしょう。考え直すべきか…と思ってみたのですが、やはり、これはカフェ兼コミュニティハウスの大切なポイントだという気がします。
そもそも、古民家カフェって、なんだか敷居が高く感じませんか?
子どもたちにとってはますますそう感じられるかもしれません。なんだか、行儀良くしていないと怒られる、的な…?
そこにいくと生きものがいる、ということは、古民家カフェの「ゆるさ」につながると思うのです。
子どもにとって高かった敷居が、目の前まで下がるゆるさだと思います。
なので、この線は大事にしたい!というか、この線がないと、いわゆる普通の古民家カフェになっちゃう。
飼い主さん、お子さん、ペットがそれぞれに気持ちよくいられるよう、動線を工夫しよう、と思いました。
率直なご意見を頂いたことで、大事にしたいところが分かって、カフェ計画がくっきりとしてきました。
いま考えているのは、畳から板張りへの改修をやるのか、諦めるのか。
これが、ものすごくやりたいのです。というか、私の脳内のイメージが、板張りしかないのです。
私の脳内イメージは、板張りの床を、毎朝ほうきでザッザッと勢いよく掃除したい!というもの。現在も畳の上をほうきで掃除していますが、今ひとつ心が盛り上がらず…。
ささいなことなんですけど、こういう気分が持てるかどうかってすごく大事なことだと思っています。
気分良く整えた空間には、気分の良いひとが集まってくるもの。
軌道に乗るまで脳内イメージを保留させておくか、寝かさずに今やるか…。悩みどころです。
あるいは第三の方法はないかな?
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