見出し画像

未来へつなぐ瓦一枚 〜古民家に宿る知恵とともに〜/新潟村上学園

10月のある日のこと。

私は100年もの間
その地に佇み風土に寄り添う庵の前にいた。

悠久の歴史を感じさせる古民家。

忘れられた時間を取り戻すために
その家に手を伸ばす。

その先にあるものは・・・

村上学園ワークショップですっ!!

はい、今回もやってきました村上学園。

村上学園とは
新潟県の最北端で行われている
古民家再生ワークショップのこと。

これまでの軌跡はこちら↓
**************

【村上学園ワークショップシリーズ🏠】

①新たなスキル&仲間をゲット!体験型古民家再生WSが超オススメ/新潟県村上学園
②古民家再生の裏側に迫る!実際の作業を体験して見えたもの/新潟村上学園
③壊し屋デビュー!解体と修復を体験できる古民家再生ワークショップ③/新潟村上学園 →今日はこの続き

****************

7月から毎月お邪魔している村上学園。
今回で4回目の参加です。

村上学園10月のテーマは「古民家を知る」

ついに今回は屋根篇に入ります。

誰しもがお世話になっている屋根。

365日、降り注ぐ太陽の光や
風雨から家を守ってくれている大切な屋根。

なのにそんな健気な屋根を
じっくり見たことってありますか?

屋根の上を見る機会なんて
滅多にないじゃないですか。

それだけで貴重な体験だと思うんですよね。

昔ながらの建築技法を学び
実際に屋根の修復作業を体験する貴重な機会。

瓦をはがしたら見えてきたものとは?

ぜひお楽しみください。

屋根に上がる前の準備 〜足場作りにも隠された工夫〜

屋根篇、最初の工程は
瓦を下ろして屋根の下地を補修する作業です。

まずは高所での安全を確保するために
足場をしっかりと組み立てます。

この足場作りが意外にも複雑。

ただ足場を置けばいいわけではないんです。

地面の状態や屋根の角度に合わせて
安定性を保つ必要があります。

水平を保つため測りながら微調整。

前回学んだ足場組立を思い出しながら
足場組立のお手伝いをしました。

ただし、今回のお相手はだだっ広い屋根。

一気に作業ができるように
2つの足場とその上にはしごをかけ
広~い作業スペースを作ります。

んで、木でできたはしごを
足場の上に渡してみたものの
人が乗るとどうしても重みでたわんでしまう。

これじゃ危ないよね~。

どうするのかな?

と思ったら
さすが百戦錬磨の建築士Kojiさん。

(※普通の建築士ではありません)

さくっと木材で支柱を追加。

おぉ!これで安定!

他にもはしごの上に乗っても大丈夫な工夫を
バシッと決めてくださいました。

まさに職人技!

それでは安心な足場ができたところで
いよいよ屋根の上へとコマを進めましょう。

いざ屋根の上へ 〜普段見られない屋根の構造〜

安全に足場を組み終えた後
いよいよ屋根の上へ。

おぉ!屋根の上ってこんな風になっていたのね!

普段は決して目にすることのない
屋根の構造。

古くなった瓦を一枚一枚丁寧にはがしていくと
その下に現れたのはなんと杉の皮。

長年のゴミも溜まっています

古民家の屋根は
ただ瓦を乗せているだけではなく
その下には多層的な素材が使われています。

特に杉の皮は昔の人の知恵がたっぷり。

杉皮は文字どおり、杉が自分の身をまもるために羽織ったコートのようなもの。
雨に強く、水に腐りにくく、虫も寄せ付けず、蒸れず、通気性もよく、っと、1000年も生きる杉がまとった皮なのです!

野の草設計室
最初はゴミだらけ
最後はすっかり肌が見えます

身の回りの自然のものを
昔から屋根材として使っていた日本人。

長い年月にわたって自然素材が
家を守ってきたのだと思うと
その技術の偉大さに感動を覚えます。

しかし、長い年月が経つと
どうしても腐食してしまう部分も出てきます。

そんなところは乗ったらズボッ。

ここも脆そうです

穴が開いてしまって危ない!

ヘタすれば落ちてしまいます。

ということで
屋根の上にのぼる場合は
慎重に慎重に事を進める必要があるんです。

割れている瓦もありました

ってことで今回は
経験豊富なKojiさんに屋根上作業をお任せ。
(やらんのか~い)

私たちは下で瓦を受け取り
片づける係を仰せつかったのでした。

古い瓦の再利用 〜無駄を出さない知恵〜

作業を進める中で驚いたのは
はがした瓦がまだ使える状態だったこと。

瓦は一見、劣化しているように見えます。

けれど実は使えるものも多く破損がないものは
また別の屋根の補修などに役立てられるんですって。

使えるもの
保留
捨てるものの3つに仕分け中

この再利用の考え方こそ
古民家再生の精神だと感じました。

使えるものを大切にし、無駄を出さない。

現代の大量消費とは異なる
昔ながらの「物を大事にする」価値観が
ここにも息づいていますよね。

あ、そうそう、瓦と一口で言っても
その種類は実は数多く
使う場所や形によっても異なるんです。

知ってました?

ちなみにこのでっぱりは雪止めなんですって!

今回の屋根では5種類もの瓦を使用していて
選別する作業自体もとても興味深いものでした。

私が参加した1日目は
屋根の瓦をすべてはがし
屋根をきれいにするところまで。

午前中で半分
1日でキレイになりました

その後、屋根に防水シートを張って
屋根材を乗せる段階へと進むそうです。

古民家再生への思い 〜昔の知恵を未来へ繋ぐ〜

今回のワークショップを通じて
古民家再生にはただ修復するだけでなく

昔の知恵を未来へと引き継ぐ
大切な役割があることを強く感じました。

古いものを大切にし
現代の技術と融合させることで
新しい命を吹き込む作業。

このプロセスには
昔の人々が築き上げてきた技術や知恵

そしてそれを守り続ける
職人たちの熱い思いが詰まっています。

現代は全部人任せ。

何かを作り上げる体験や
構造を知る機会はほとんどありません。

だからこそ根本を知ることって大事だと思うんです。

たった1日だけの参加でしたが
そこは様々な学びと感動が詰まった
貴重な体験となりました。



長い時を刻んできた
歴史のベールをはがすように
瓦を一枚一枚はがしていく作業を通じて

古民家再生の奥深さと
手作業で行う修復の大変さを
肌で感じることができました。

この経験を通じて
古民家に込められた歴史や知恵

そして日本人の暮らしを
これからも大切にしていきたい。

そう感じました。

やっぱり古民家再生ワークショップは
一度は体験して欲しいな。

参加しないなんてもったいないよ。

ってことで村上学園は次回
11月23~24日に開催予定とのこと。

LINE登録して情報をゲットだぜ!

以上、新潟の綺麗道がお送りしました。

あなたのスキが励みです💖

**************

【村上学園ワークショップシリーズ🏠】

①新たなスキル&仲間をゲット!体験型古民家再生WSが超オススメ/新潟県村上学園
②古民家再生の裏側に迫る!実際の作業を体験して見えたもの/新潟村上学園
③壊し屋デビュー!解体と修復を体験できる古民家再生ワークショップ③/新潟村上学園 
→今日はここ

****************

いいなと思ったら応援しよう!

綺麗道 【生きるを愉しむ新潟クリエイター】
サポートしてくれなんて滅相もありません。 もしそんな奇特な殿方・ご婦人がいらっしゃった場合は、感謝しすぎて鼻血が出ることでしょう。(出なかったらすみません) そして大切なお気持ちは ”恩送り” に使わせていただきます。愉しくて温かい ”和” が広がりますように。

この記事が参加している募集