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君の恋人になれないかもだけど君の女友だちの中で上位にいたい。

スポーツができて頭がいい。
すらっとして背が高くて顔もめっちゃかっこいい。
そして誰にでも優しい。

あまりにも理想の人すぎて、高校の時からその背中をずっと見てきた。

社会人になって、友だちを通じて偶然再会することができた。
今度は背中ではなく、横に座り目を見て話すことができた。

他の男の人にLINEするときは何も考えずにできるけれど、その人にLINEするときはドキドキするし、文章を時間をかけて考えるから、すごく時間がかかる。

きっと、私はその人のことが好きなんだと思う。

もしかしたら彼女になれるのかな。
もしかしたら、私のことを愛おしいと思ってくれる瞬間がくるのでは。
もしかしたら、私を恋人にしたいと思うときがくるのでは。

勇気を出して2人っきりの食事に誘うけれど、なかなか核心には触れることができず、ただ楽しくおしゃべりしてご飯を食べて帰る。

憧れの人と彼氏彼女みたいなデートをしている。その曖昧さを楽しんで、酔いしれている自分がいる。どこかでいつか恋人になれたらいいなぁと淡い期待を持つ。

ただ、彼には見ているこっちにバレバレなくらい、心から気を許せている女友だちがいる。
その子は結婚していて、恋愛には発展しないと思うのだけれど、きっと彼はその子のことが恋愛としても好きなのではって思う。

私には見せない顔をその子の前ではするのだ。
目の前でそれを見せられてしまうと自分との間にあって、今まで見ることを避けていた壁の存在に改めて気付かされる。

嗚呼、この恋も叶わないのか。
もしかしたら、私の行動1つで彼の心は変わるかもしれない。でも……。
きっと彼にとって私は「高校の同級生」以上でも以下でもないのだなと確信してしまった。

きっと恋してくれるのであれば、再会した時点からとっくにスタートしているはずだ。

きっと君の恋人にはなれないのだろう。
でも、私は君が好きだ。
君と離れたくない。
君のことをもっともっと知りたい。
君の横に立って、ドキドキしたい。
君の頭の中に、少しでも、色濃く私の存在を残したい。

君の恋人になれないかもだけど、君の女友だちの上位になりたい。

君の中でも恋人と友だちの中間のような少し特別な存在。
恋人になれないであろう、私の最後の願いといってもいい少し特別なポジション。

あなたと楽しくお話して、その横で勝手にトキメキを感じさせてください。
ちょっとでも特別な女の子にさせてください。

目の前でもつ鍋のもつを柔らかくなるようにモリモリの野菜の下にいれてくれている彼のたくましい腕を見ながらそう思った。

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